とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索

『「諜報的生活」の技術・野蛮人のテーブルマナー』佐藤優

「諜報的生活」の技術 野蛮人のテーブルマナー「諜報的生活」の技術 野蛮人のテーブルマナー
(2009/01/23)
佐藤 優

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著者の本を紹介するのは、これで4冊目です。佐藤優氏は、外務省国際情報局で情報活動に従事し、その後、背任容疑で逮捕されましたが、あり余る才能で、数多くのノンフィクションを執筆されています。

特異な経験と文筆才能を併せもつ人は稀有です。今回もお国の裏事情及び国際人としての考え方や技能など、さまざまなことを学ばせていただきました。

勉強になった箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・人間の理性を信頼し、合理的な計画で理想的社会を構築できると信じる者が左翼・市民主義陣営をつくる。これに対し、人間の理性や知恵は限界あるものとして、合理的な計画でつくる社会を諦め、伝統や文化、神仏を尊重するのが、右翼・保守陣営である

・一旦、自らの命を何らかの理念のために捨てる覚悟ができた人間は、他者の命を奪うことを躊躇しなくなる。大量殺戮は常に自らの命を差し出す覚悟ができた人々によって行われる。だから思想の危険性を認識しなくてはならない

・「余人をもって代えがたい」人をつくると、「ガン細胞」になり、システムが内部から崩れる危険性がある。資本主義は、均質な人々からでないと社会が回っていかない構造にある

・軍事情報以外に関しては、インテリジェンス機関が必要とする情報の95~98%を公開情報で入手することができる

・新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、公刊印刷物などに注意していて、目的に関係あるものを片っ端から切り抜いたり、書きとめておいて、これを継続的に整理し、総合判断すると、その国の考えなど意外によくわかる

・「事前にあなたの了承を得ておきたい」と一言声をかけるだけで、中長期的にあなたは「信義則を守る人だ」という高い評価を得ることになる

・カネがあるところに権力の実体があるということは、普遍的真理である

・一緒に食事をしながら話をすることはとても重要。外交交渉は、敵の中に友人をつくること。そして、敵と取引しなくてはならない

・動物は、敵の前では排泄しない。案外気づかないことだが、実はトイレでの交渉で、難しい問題が解決することが結構ある。ヨルダンとの平和条約も、最後はフセイン国王と二人でトイレの中で決めた

・偽装して近寄ってくる者は、背後に組織があり、何らかの魂胆を持っている。したがって、相手が嘘をついていることを理解した上で、相手の目的をつかみ、偽情報を与え、相手を攪乱することも情報戦ではよく使われる

・女遊びをするときに一番大切な技法は、女の子が向こうから逃げていくような嫌われる技法を身につけること。そうすれば、トラブルに巻き込まれることはない

・上手にカネを渡すには、相手が運んでくる情報とカネに直接の因果関係をつけないこと。よい情報をもらっても「ありがとう」だけで済ませ、息子が学校に入学するとき、50万円をお祝いで渡す。情報対価ではなく、「友情の印」としてカネを渡すこと

・情報屋と接触して、相手がカネを渡してきたら、そいつはあなたを「モノ」として考えている。要注意のスイッチを入れること。絶対にカネを受け取ってはならない

・実は、何かを始めるとき、まず「終わり」について、決めておくことはとても重要

・一旦できあがった組織は、必ず組織自体が生き残ろうとする本能を持つ。解散について決めておかないと、組織の生き残り本能に翻弄されて、本来の目的以外のところで大きなエネルギーを消費することになる



本当に価値のある情報は、このような諜報的活動によって得られるのだと思います。

こういう人間臭く、労多いやり方が苦手な人は、著者がすすめるように、公開情報をしつこく、コツコツ集めるしかないのかもしれません。

とにかく、その道の情報通になることが、出世や成功に大きな影響を与えることだけは確かではないでしょうか。
[ 2011/02/22 07:16 ] 佐藤優・本 | TB(0) | CM(0)

『インテリジェンス人生相談[社会編]』佐藤優

インテリジェンス人生相談 [社会編]インテリジェンス人生相談 [社会編]
(2009/04/25)
佐藤 優

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昨日の「インテリジェンス人生相談個人編」続き、今回は社会編です。個人編が「軟」だとすれば、社会編は少し「硬」な感じです。

著者の脳の引き出しの多さに感動しながら、今回もあっという間に読み終えてしまいました。

ためになった箇所、役に立つ箇所が数多くありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・介護の仕事は、社会的に価値がある「魂の労働」だから、低給与でも名誉が得られるというイメージを先行させて、末端のヘルパーさんたちに低賃金労働を押し付けている構造がある。この構造的問題を個人で変えることはできない

・人生から半ば降りてしまった人は、心が頑なになる。その頑なな心を解きほぐすのは容易ではない。ホームレスは、個人が「やる気がない」から生じるのではなく、「やる気を持たせない社会」が生み出す構造的問題

・期間工を含む社会構造的に弱い立場に置かれた人々の地位を改善する方策を日本国家がとらないならば、この国は内側から崩れ、世界の三流国になってしまう

・新自由主義がもたらす格差問題、正確に言うと貧困問題は、構造的問題なので、個人の努力で解決できない。新自由主義政策に反対する候補者に一票を投じ、新自由主義を是正しないと、日本人の大多数が貧困層に転落し、日本国家が内側から崩れる

・学校秀才や努力家タイプのエリートが陥りやすい罠がある。「成功しない者は努力が足りないからだ」という間違った発想を持つのがそれ。成功には努力と運の双方の要素があることを理解しないと、他人の気持ちが理解できない歪な人間になってしまう

・日本の学歴は、外国に出るとまったく神通力がなくなる。人間的魅力、地アタマのよさ、少々の語学力があれば、日本の因習に囚われずに生きていくことができ、困難な状況に直面しても路頭に迷うことはない

・自分の内側にきちんとした価値観があり、いざとなったら勝負できる実力があれば、世間の評価に迷わされず、フリーターをしながら、今後の人生を決めることができる。案外、それは国際スタンダードに合致している

・人のために何かをしてあげると、天からの巡り合わせがあり、それは必ず一定の時間を置いてから、数倍になって返ってくる

・政治活動を行うには、「怖い顔」と「優しい顔」の双方が必要。横着な官僚に対しては、街宣車と墨字巻紙、市民に対しては、徒歩デモや対話集会というように、政治目的に応じて最も効果的手法を用いること

・愛が強いと、自分の感情に重きが置かれすぎて、不和が生じやすくなる

・近代資本主義の基本は生産。金融資本が大儲け、大損していたのは古代や中世の話。ただし、そのころは金貸し資本が破綻しても、影響は社会の一部にしか及ばなかった。しかし、現在は、金融恐慌になれば、その悪影響は非正規雇用者を含む社会全体に波及する

転職をあおるだけあおらないと人材ビジネス会社は儲からない。転職者が転職に失敗しても、クレームをつけられる確率は低いし、転職者と企業に問題を転嫁できる。これほど儲かる産業はない

・人間が商品経済の便宜のために作り出したカネごときのために一つしかない命を捨てるほどバカバカしい話はない

・作家に経済合理性と異なる発想がないと、よい作品はできない。カネを支払うことで、他人に自分の意思を強制することができる。カネは権力と代替可能で、暴力性を持っている。カネを追求し始めると作品が暴力的になる

・自己啓発や心理学の本をいくら読んでも、自分の性格は変化しない。20歳くらいまでについた性格は一生変化しない。したがって、自分の性格を変えようとせずに、このままの性格で世の中とうまく折り合いをつけた方がいい

・東大の非常勤講師を長年務めたが、東大生であることを鼻にかけるのは、苦労して何年も浪人して東大に入り、その後も能力が劣るので留年したような、東大の中の下位集団に属する連中

・カネには悪魔が宿っている。この悪魔は、生活に必要な範囲でカネが動いているときには、頭をもたげてこない。しかし、一般市民の場合、1億円を超える利権抗争が生じると、この悪魔が動き始め、愛情も友情も壊していく

・苦しいときは、正直に「苦しい」と言い、「助けてください」と叫ぶこと。そうすると必ず助けてくれる人が出てくる

・優秀な人ほど、「自分の得意なことと、自分の好きなことは違う」という意識をもっている

・自分のことをダメ人間と思っている人は決してダメ人間ではない。なぜかというと、ダメである自分を外から観察しているもう一人の自分がいるから。本当のダメ人間は自分がダメ人間であることに気づかない



著者は同志社大学神学部出身のキリスト教徒、ロシア元外交官東大元講師、鈴木宗男事件に絡む背任罪で逮捕後、1年半の拘置所生活、その後人気作家という激動の人生を歩まれています。

エリートの目線と庶民の目線、外国人的な眼と日本人の眼、とにかく幅広い知識と経験を有して、堂々と生きておられます。

著者に学ぶべき点がいっぱいあるように思います。その著書を読めば、何事にも動じない考え方が身につき、悩むことが少なくなるのではないでしょうか。
[ 2010/05/24 11:13 ] 佐藤優・本 | TB(0) | CM(0)

『インテリジェンス人生相談[個人編]』佐藤優

インテリジェンス人生相談 [個人編]インテリジェンス人生相談 [個人編]
(2009/04/25)
佐藤 優

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著者の佐藤優氏の本を紹介するのは、「国家論」に次いで2冊目です。国家論が「硬」だとしたら、この本は「軟」です。

著者は、やり手の外交官だっただけに、さすが、硬軟問わず、教養に満ちあふれています。

さらに、「学習する目的は、知識人(インテリ)になること。立身出世のためではない」というポリシーを持っておられて、その知識は半端じゃありません。

この本は、週刊「SPA!」に連載されている「佐藤優のインテリジェンス人生相談」に掲載されたものを編集したものです。

人生相談という形をとっていますが、著者の幅広い知識、教養に触れることができます。面白く読めて、教養が身についた箇所が20ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・古代インドの性の経典「カーマ・スートラ」には、モテ男の類型が書かれている。
モテ男とは、「愛の学問に精通している男」「話し上手の男」「女の弱点を知っている男」「相手の女友だちと親しい男」である

・「カーマ・スートラ」に書かれている、ゲットしやすい彼女とは、「いつも男を見つめる女」「社交を非常に好む女」「見栄っ張りな女」である。さらに簡単にゲットできる彼女は、「だらしない女」「無教養な女」「悪臭を放つ女」である

・秘密の90%は自分の口から漏れるので、話さない限りにおいて、愚かな行為を満喫すればよい

・人間は愛する相手に何かを与えたくなる本能がある。猫はエサを入れた端から音をさせて勢いよく食べ、エサやり冥利に尽きるが、満腹になったらスイとその場を離れる。男の態度はこの猫のエサに対する姿勢につながる。男は愛情がなくてもセックスする動物

・自由主義においてはカネが全て。しかし、カネでしか価値を測れなくなると、人間的な価値がわからなくなる。この人と一緒にいたい、この人を幸せにしたい、この人を守りたいという価値観が心の底から湧いてこない限り、まともな恋愛はできない

・地方議員は、政党や政治的傾向に関係なく、悩んでいる人に対しては親身になって相談に乗ってくれる。牧師は守秘義務に関しては徹底的な訓練を受けており、相談も多く受けるので、適切なアドバイスをしてくれる

・「耐える女」の場合、我慢の限度を越えると「キレる女」になる危険性を自覚しておくべき。「落ちこみ」よりも、容赦ない発作的な「怒り」が問題になる

・恵まれた家庭で育ち、エリートの夫を得た妻が陥りやすい病は、子供に夢を託し、強要すること。「お受験」はその一例

・人間には、自分の生活を成り立たせる事項については、マイナスになることは絶対に言わないという職業的良心がある。自分の職業と利害相反になることを公言する人がいれば、社会人としての自覚に欠けると言われて仕方がない

・他人の気持ちを思いやることができる優しさ、嘘をついてはいけないこと、家族の絆の重要さ、勇気の大切さなどは、幼いころ何度も読み聞かされる絵本や童話によって、子供に刷り込まれる

帰宅拒否症候群は、登校拒否や出社拒否の裏返しのような症候群。彼らは、家庭の居心地が悪いので、家庭にいる時間をできるだけ短くしようとする。帰宅に抵抗ないというのは、実のところ家庭に満足しているということ

・人間は自らの利害損失を冷静に計算できなくなると、周辺に次々とトラブルを呼び寄せるようになる

・人間社会には、愚行権というルールがある。他人のすることが愚かに見えても、自分に直接的危害が加えられる可能性がない場合、他人の愚かな行動を認めること

・民族的伝統と見られているものの大半が過去百数十年の間に「創られた伝統」に過ぎない

・宗教のポイントは、その宗教を信じていて、自分は救われていると感じるかどうか

ギャンブラーがカッコいいのは、手にしたカネを派手に使い、バラまくから。消費(浪費)しない人は、投機型の投資家に過ぎない

・オタクと教養人に上下関係はないが、オタクと呼ばれる人たちが教養人でないのは、知識に対する視点と知識の使用法が違うから。教養とは知識を頭の中で蓄え、発酵させて、自分で運用できるようになることを指す

・英会話学校に行っても語学力がそれほど向上しないのは、教師が教授法の訓練を受けていないから。おすすめは、予備校の大学院受験コースで英文解釈の訓練を徹底的にすることと海外の語学学校に短期留学すること

・交渉術の要諦は、動物行動学(エソロジー)。動物は親愛の情をもっているか敵愾心をもっているかを、目で判断する。鏡を見て、怒ったとき、哀しいとき、嬉しいとき、親愛の情を抱くときなどの瞳の動きを研究すること

・動物は警戒する相手と同じえさ箱からえさを食べることを嫌がる。裏返して言うと、一緒に食事をするようになると、動物的本能から信頼関係が増す。食事をする機会に、なにか面白い話をし、相手に認知されて、懐に入り込む技法を身につけるといい

・記憶の中に眠っている情報を引き出す鍵となる情報(インデックス情報)をメモに記すことで、人間の脳は、必要な情報を自然に定着させる

・論壇で影響力のある人に噛みつくのは、地獄坂を転げ落ちている状況の人が生き残る方法のひとつ



この本は、人生相談の個人編です。個人の悩みに、作者の経験や教養の中から、最適の解を相談者に示しています。作者の引き出しの多彩さに興味が惹かれました。

もう1冊、社会編もあります。「インテリジェンス人生相談社会編」を次回、紹介したいと思います。
[ 2010/05/23 10:21 ] 佐藤優・本 | TB(0) | CM(0)

『国家論-日本社会をどう強化するか』佐藤優

国家論―日本社会をどう強化するか (NHKブックス)国家論―日本社会をどう強化するか (NHKブックス)
(2007/12)
佐藤 優

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今、日本人は北朝鮮を見て、冷やかに笑っていますが、70年前の日本の姿は、あんな感じだったのではないでしょうか。

この「国家論」を読むと、どんな国でも北朝鮮になる可能性を秘めているということがわかります。そうならないために、われわれはどうすべきか、知識層がどう動くべきかが、この本には書かれています。

どの国に住もうと、国家という枠組みの中で、人は暮らしていかなければなりません。そのためには、国家とはどういう存在なのか、その本質は何かを理解しておくべきです。そうしないと、賢明に、この世の中を生き抜くことができないように思います。

著者の佐藤優氏は、同志社大学神学部で、キリスト教と政治の関係を研究。外務省入省後、ロシアで外交官として活躍。その後、外務省情報局主任分析官を務めるが、実刑判決を受け、失職。という経歴の持ち主ですが、現在は、当代随一の論客として、文壇でその名を轟かせています。

著者は、西洋の政治、宗教、哲学、歴史をものすごく勉強されて、深い知識を持っておられます。しかも、元官僚ですから、国家側にいた人です。その人が考えた国家論です。

この本をじっくり読み、理解していくには、時間も必要ですが、本当にためになる本です。本の一部ですが、思い知らされた箇所を紹介したいと思います。



・国家は暴力によって担保された、本質的に自分の利益しか追求しない存在。国家が所得の再分配や社会福祉の機能を果たすことはあるが、それは、国家自体の存立根拠、すなわち官僚の存在基盤が危うくなるときに限る

・国家は必要悪。社会による監視を怠ると国家の悪はいくらでも拡大。社会が強くなると国家も強くなる。そして、強い国家は悪の要素が少なくなる

・人間とは物語を作る動物。そして、物語を作るのは知識人の役割。思想の組み立てを知識人が怠ると、その空白のところに、本来、知識人の世界に入らない人たちがもぐりこんでくる。その結果、ものすごい乱暴な思想が生まれる

資本主義のルールは、資本を増殖させ、利潤をより得られるようにすること。しかも、自分の会社さえ儲かれば、他人はどうでもいい、これが正しい資本主義の論理

・資本主義に合理化はつきもの。労働者の側で常に反合理化闘争をやらないと、合理化は人間を無視してどんどん突き進む

・国家は国家に頼らないで生きていくことができる団体を本質的に嫌う。そういう団体は国家の言いなりにならないから

・われわれが生きている社会・国家における階級は、資本家・労働者・地主・官僚の4つ。官僚は人のものを収奪してメシを食っているということを隠ぺいする

・国家という暴力装置が背後に存在しないと、自由な交換は担保されず、一方の当事者が他者を略奪する危険性がある。略奪を阻止する枠組を保全するという形で、国家が中立的な装いで社会に入り込んでくる

・技術革新を加速することで、資本家は利潤をより多くとる。その結果、国家は収奪の可能性が増える。そのため、国民の教育水準を上げる(具体的には、理科系の教育に対するサポート)という形で教育への介入が始まる。教育という問題は本質的に、国家による収奪と表裏一体をなしている

・国家は必要。しかし、国家はその本質において悪。必要であることと、悪であることに、どうウエイトを置くべきか、キリスト教は古くから考えてきた

・社会は資本主義と相性がいい。そのため、社会を放置しておくと、必然的にとんでもない格差が生じてくる。そして、社会は資本の増殖だけを中心に動きだす

・社会が強くならないといけない。社会が弱体化すると、新自由主義的な格差社会もなくならないし、国家が肥大して戦争への道を勝手に突き進むことも制御できなくなる

・国家は弱くなればなるほど剥き出しの暴力に依存するようになる

・貧困が全く存在しない社会、絶対に戦争がない社会、この夢を実現することに満足を感じる人(この大きな夢がエゴとなる人)が増えれば、社会は強化される。しかし、この人たちは、人間の限界も理解しており、現実の世界で、制約なしに、その夢を実現することが難しいことも分かっている



この本は、国家という大きな存在を解き明かしている貴重な本です。

官僚や資本家(権力を有する者)の暴走を止め、子供たちが、将来、大人になっても、生き生きと暮らしていく社会を築くためには、権力者たちへの健全な批判を続けていかないといけないことがよくわかります。

この歳になっても、思い知らされることがいっぱいでした。真面目に本を読まないといけないことを痛感した1冊でもありました。

[ 2009/07/12 08:54 ] 佐藤優・本 | TB(0) | CM(0)