![]() | 第三の敗戦 (2011/06/04) 堺屋 太一 商品詳細を見る |
![]() | 歴史の使い方 (日経ビジネス人文庫 グリーン さ 3-6) (2010/01/06) 堺屋 太一 商品詳細を見る |
![]() | 凄い時代 勝負は二〇一一年 (2009/09/02) 堺屋 太一 商品詳細を見る |
![]() | 堺屋太一の見方 (PHP文庫) (2009/04/01) 堺屋 太一 商品詳細を見る |
堺屋太一さんは、言わずと知れた元通産省の官僚で、大阪万博のプロデューサー。退官後、執筆活動に入り、数々のベストセラー作品を世に出しました。また、執筆活動の傍ら、経済企画庁長官など、多くの要職を務められています。
私も堺屋太一さんの本を今までに10冊以上読みました。どの本も問題提起と同時に未来予測もされる素晴らしい書ばかりでした。
私は、堺屋太一さんを、日本のドラッカーだと思っていますが、その実績の割には、日本では、正当に評価されていないように思います。マスコミや学界の見方も堺屋太一さんを「ベストセラー作家」として見ており、「稀有の才能を持つ社会学者」として見ていません。
今回、この本を推薦したのは、堺屋太一さんが過去に問題提起し、未来予測した、本質を捉えた言葉がこの本には400以上詰まっており、非常にお得だと感じたからです。
それでは、いつものとおり、この中で、私が感銘した箇所を「本の一部」ですが、紹介したいと思います。
・能力があって意欲のない人間ほどいやな奴はいない。能力がなくて意欲のある人間ほどかわいい奴はいない
・人間は所得の格差よりも消費の格差を嫉妬する
・一番の贅沢は世間の評判を気にしなくてよくなること
(人間がお金を求める4つの段階 第1:今日の飢えからの自由 第2:明日の不安からの自由 第3:未来の心配からの自由 第4:社会の評判からの自由)
・日本では独創を「我流」と呼んで軽蔑する
・インフレは経済問題だが、デフレは社会問題だ
(インフレの苦しみは大多数に降りかかる。デフレの痛みは少数者に集中する)
・組織人は人事評価で動く。社長の演説や社是で動くのではない
(社長が環境を重視せよといっても、人事評価が売上伸率で決まれば、社員は売上を伸ばすことに必死になる)
・起業に必要なのは憤りと実業化の志
・自分の特徴を客を喜ばせることに利用する
・組織における個人の権威は内部の「伝説」で決まる
・未来の企業価値を測るのは理想・構想・独想
・知識は客観的で、倫理は主観的な方がよい。経営者の陥りやすいのは、その逆だ
・未来への冒険に出発するのは、現状維持が不可能と分かったあとである
・人類の進歩の一つには、より怠惰に生きられる条件を創ることである
・教育を見れば、その国の人々が目指している未来像が見える
・辛抱強さの教育は、子供には嫌いなことを多くさせる
・利権化は誇りと尊敬を失う
・ホームレスのいない自由社会こそ、これからのあり様
・他人を支配したいのは、自分の正義を守らせたいから
(正義感の強い人は、支配欲も強い)
・最も贅沢な需要とは、先行投資のことだ
他にも、本質を捉えた素晴らしい言葉がいっぱい載っています。読む立場(年代、職業、階層など)によって感動する箇所はそれぞれ違うと思います。どのような立場の人にでも、おすすめできる本であり、買って損はしない1冊だと思っています。
| HOME |
Author:多角つつむ
経営コンサルタントをリタイア
趣味:歴史散策,読書