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著者は、明治30年生まれ。京都大学文学部中退の宗教家です。「大本教弾圧事件」で国家から宗教弾圧を受けた、大本教の3代目教主の婿になります。当然、本人も長い獄中生活を経験し、数々の拷問を受けています。
この本は、著者が26~27歳の時(大正12~13年)に書いたメモから抜粋されたもので、昭和41年に初出版されました。
大正時代に書かれたものとは思えないほど、今でも読みやすい文章です。また、若き日の思索メモにもかかわらず、理屈っぽくありません。感受性と知性を若くして持ち合わせていたのだと思います。
気分が落ちこんでいる時に、この本を読めば、元気の素が回復します。私にとって、常備薬のようになっています。しかも、すっと心にしみいるので、すぐ効き目があらわれる即効性の高い薬のような存在でもあります。
私は宮本武蔵の「神仏を尊び神仏を頼まず」の考え方が好きで、特定の宗教に関わることはしませんが、宗教心を心の支えとして、上手に利用させてもらっています。
このようなスタンスを有している人に、この本は特におすすめです。
この本の中で、私の気に入っているところを抜粋すれば、以下のようになります。簡潔に上手くまとめられませんでしたが、参考にしていただければと思います。
・ドンドンなせ、次々になせ。消極は地獄、積極は極楽。なすのが生活
・間断なく望み、間断なく為し、間断なく省み、間断なく悟れ
・真の財産は体験、体得のみ
・生きていることの面白さは、絶えず何かを発明、発見、創造するうれしさ
・人は今のベストに生きるべき、真の幸福はここに存する
・どんなに程度が低くても、自分にとってのベストならば、恥じることはない
・すんだことは忘れる。くやしかったこと、恥ずかしかったこと、恐ろしかったこと、みんな忘れる。より賢くなってさえいればいい
・苦しまないと他人のことがわからない。苦しむための苦しみでなく、悟るための苦しみ
・おだやかな、ぼんやりとした温かい心が神の心。冷やかな理屈っぽいのは、けものの心
・理知は感情の目付け役。感情は理知により清純に、理知は感情により、深く広くなる
・他を見るは自己であり、自己を見るは他である
・自分がつまらなく思えたときは、非常に進歩したとき
・すべて、世界を大局的に見渡して、ものを考える人は公平無私
・人を悪く思うのは、自分が悪いから。天地を狭く感じるのは、自己が狭いから
・ちょっとしたことに行き詰ったり、へこたれたりするのは坊や嬢ちゃん育ちの証拠
・自分のごとく他人をあらしめようと思うのは間違い。その人はその人として、あるべきようになったらいい
・金銭は物質の代表、ゆえに精神と相対立する。頭から金銭を卑しむ考えはよくない。といって、精神を忘れて金銭だけを追求してはならない
・世にもまれた人は、どうしても、一面非常に疑い深いところがある。しかし、もう一歩すすんで、真の神心まで磨かねばならない
・過去を忘れ、過去を葬式して、時々刻々と新しく生まれ変わったらよい。真の罪は、自己をごまかすこと
・興味のあることだけしていけば、自然にその職能が果たしていけるよう仕組まれている
・その道の堂奥に達している人は、それを見せびらかしたり、鼻にかけたりしない。ちょっとぼけているような人に、案外悟っている人が多い。
・弱虫にかぎって、すぐ人を恨み、世を呪うもの
・没我的行為ほど人に感銘を与えるものはない
・一時一事を一心にすべき
・少しずつ得つつあることに満足すべき。理想を急激に実現しようとしてはいけない
・他を責めてはならない。自分自身を省み悟るべき。この心がけが、この世の中をおだやかに美しくする基本
・上に立つ人には、人を見分ける力さえあればいい。
・虫の好く人同士、気の合う同士がいっしょにいることができることが幸福
・母性的愛にしてはじめて、人を教えることができる
・人にすすめたり、教えるのはよいが、けっして人に強いてはいけない
・なんとなしに興味がわいて勉強したくなるのがほんもの
・赤子のような清浄で無邪気な心と、英雄のような勇猛心があれば、頼まずとも神は来たり給う
・持つ人と持たない人が、相応したとき、両者は一つに合して大きな光輝を放つ
・自分の愉快はなるべく他人に分かち、不愉快はなるべく他に移さないように
・心豊かな人の傍にいれば、自分もまた豊かな世界に居住することになる
・意念があることに向かって集中しているとき、インスピレーションはやってくる。いわゆる三昧状態に入りえた人が道の奥儀を極めることができる
・吉凶、禍福、悲喜、善悪は己から出たものが己に帰るだけのもの
・利己的な人ほど自己に向かう人を熱愛し、自己より離れる人を悪魔視する
・同じ仕事でも、気が入っているのといないのとでは、大変な違い。気持ちが主
・真の個人主義は真の共栄主義。他に迷惑を及ぼさない限り、自己の天職使命を果たすように努力すべき
・世の中をよくするたった一つのものが好意
・どんな人でも一芸一道に達した人の心境は、皆必ず一致している
・外交も最後は信仰と胆力と人格。言葉や身振りや術策ではない
・善悪一如が宇宙の真諦。善ばかりになろうとすれば窮屈になる。悪から次第に善に入り、善悪不二の真理を悟る心も大切
・明けぬ闇はなく尽きぬ冬はありません。歯を食いしばってでも土にかじりついてでも、どうなりこうなりこの峠を越えてください。“ああだめだ”などとはけっして言わぬことです
・東でゆきづまったら西へまわりなさい、南がふさがったら北へお逃げなさい、東西南北みなだめでしたら、しばらくそこで臥ていてください
・ゆきづまったままの状態が永久につづくかのように思いなさるな
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Author:多角つつむ
経営コンサルタントをリタイア
趣味:歴史散策,読書