とは学

「・・・とは」の哲学

内集団びいき(2)~職場のいじめ対処法~

樹花鳥獣図屏風(左)伊藤若冲筆/静岡県立美術館/POST CARD
その観察から分かったことは、職場のいじめ対処法は、以下の2つのパターンに集約されるということです。

1.特殊才能つき、変人になる

単なる変人ではいけません。皆が、注目する変人です。そのためには、何かしらの特殊な才能がないといけないのです。

変人なので、仲間にしたくはありませんが、その特殊な才能を、誰もが認めざるを得ないと思っています。したがって、その存在を否定する理由もないので、いじめの対象にはなりません。

しかし、謙虚に振舞わなくてはいけません。皆と距離感を保ちながら、飄々と生きていくのがコツです。

しかし、この状態を長年続けていこうと思うと、孤独に耐える精神力が必要となります。円満な家庭(近辺に良き理解者、相談者)がないと、人間は、なかなか孤独に耐えることができないのかもしれません。

2.客を味方につける

特殊才能がない場合、どうしたらいいのでしょうか?大体、組織の人間は、組織を優先するあまり、口では、「顧客志向」などと言いますが、客のことを余り考えていません。

客に喜ばれることより、上司に喜ばれることの方が優先順位が高いものです。

しかし、会社という組織は、客がお金を払ってくれるおかげで、存在できています。部長が評価してくれて、給料がアップしたとしても、そのお金は、客のお金が、回りまわって、給料になっただけのことです。

ということは、長い目、大きな目で見れば、部長や会社よりも、客の方が大事だということです。

ここが、主流から外れた人間にとって、押さえておかないといけない重要なポイントです。

職場のいじめ対処法として、客を徹底的に味方につけていくのです。客に誠心誠意尽くし、客からの支持を絶大なるものにして、客の評価を勝ち取っていくのです。

例えば、政治家も、国民を味方につけて、「支持率」を武器に、トップに昇りつめることもできます。

これと同様に、「客の支持率」という武器をもって、外堀を埋め、時勢が傾くのをひたすら待ち、来る時が来たら、内堀も埋めにいきます。そして、組織の本丸に迫っていくのです。

何やら話が大きくなってしまいましたが、これが、大きな意味での「いじめ対処法」です。

1も、2もできない人は、会社を辞めて、別の会社に再就職するか、独立して会社を起こすしかありません。

私は、独立してしまいましたが、性格を自己分析すると、本当は、組織の中で働いた方がいい人間だったと思っています。

集団への帰属と忠誠を誓うような日本的体質がなく、一人一人を大人として扱ってくれる組織であったなら、ずっと働いていたと思います。

自分のやりたい仕事と働きたい職場の両方を見つけ出すことは、至難の業かもしれません。とかくこの世は住みにくいということでしょうか。


内集団びいき(1)~スケープゴート~に もどる


[ 2009/10/02 10:52 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

内集団びいき(1)~スケープゴート~

樹花鳥獣図屏風(右)伊藤若冲筆/静岡県立美術館/POST CARD
数年前、田畑の多い郊外を、車で走っていたら、渋滞に巻き込まれてしまいました。動いては、止まり、動いては、止まりを繰り返しながら、ようやく、渋滞の先頭に差しかかったとき、面白い光景に出会いました。

それは、村祭りだったのですが、お神輿を担いでいる若い衆(総勢30人くらい)が全員金髪だったのです。

そもそも、髪の毛を染めるということは、個性の表現、演出のはずです。要するに、似合う人、コーディネート能力のある人は髪の毛を染めたらいいし、そうでない人は染めなかったらいいと思います。

しかし、全員ということは、このお神輿のリーダーが指示をして、金髪と決めたのではないでしょうか。その中には、リーダーの指示なので、仕方なく、金髪にした者がいたはずです。

金髪にするということが、個性的だったはずが、いつのまにか、没個性画一化)にすり替っていました。

老いも若きも、この日本的体質(集団帰属忠誠心)は変わらないものだと、改めて実感しました。

しかし、考えてみたら、「この村」=「日本の会社」「日本の組織」と言えなくもありません。つまり、日本の縮図を垣間見たような気がしましたので、この光景が、なんとなくいやだったのです。

過去において、サラリーマン生活を10年ちょっと経験しましたが、この日本的体質(集団帰属と忠誠心)が嫌いで、どうしても馴染めませんでした。

集団行動が苦手だからといって、会社で、仕事をしなかった訳ではありません。むしろ、仕事は誰よりも、完璧にしていました。また、予算も納得した上で、必死になって、達成しようとしていました。

それなのに、何かと集団行動を強要されるのです。もっと、大人として、扱ってほしかったのですが、それが、なかなか理解してもらえませんでした。

当時(25年近く前)、私も生意気盛りでした。例えば、部長に、社内(部内)旅行に反対して、
「何で休みの日に行かないといけないのですか?」
「仕事はキッチリしますので、その時は、休ませて下さい」
などと言っていました。

でも、このようなことを繰り返したので、上司にとっては、扱いにくい部下として、また、和を乱す存在として、疎ましく感じられるようになったのではないでしょうか。

当然のごとく、主流から外されていき、日に日に、スケープゴートされていくのを感じるようになりました。

日本社会には、内集団(仲間)には、限りなく優しく、外集団(余所者)には、限りなく冷たいという、いじめの体質が、深く根付いています。

この余所者扱いされている時、今後、会社組織で、どのように生きていったらいいか、(結局は、会社を辞めてしまいましたが)考えました。

考えたというよりか、巧みに組織の中を上手に渡っている人を、実際に観察しただけのことですが・・・


内集団びいき(2)~職場のいじめ対処法~へ つづく


[ 2009/10/01 07:25 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

自己管理能力(3)~快楽主義者~

ローザンヌのロートアイアンサイン/photo by福家金蔵
人材育成も、このプロテスタントのような、自分に厳しい人を採用して、教育していかないと、成果があがりません。

そして、自分に厳しい人(将来の楽の追求)が、自分に甘い人(今の楽の追求)をマネジメントして、組織が成り立っていきます。

その結果、必然的に、自分に厳しい人が、社会の支配者層になっていくのだと思います。

ところで、今まで、プロテスタントを称賛してきましたが、カトリック信者が多い国がダメかというとそうでもありません。

カトリックの多い、フランス人やイタリア人は、いい意味での快楽主義者です。

ジュネーブで、フランスのテレビドラマを見たのですが、映像の美しさに圧倒されました。男性でもうっとりしてしまいます。

青い空、緑の芝生に、赤いバラ。
白い邸宅に、金髪の美女。
そして、この金髪が風になびきます。
その場面に流れる軽やかなメロディ心地よいセリフ
カメラアングルも、俯瞰の位置から、クローズアップしていきます。
テレビドラマでも、全然手を抜いていないのです。

最近の日本に多い、俳優と脚本を優先し、映像美を手抜きして、安易に視聴率を取ろうとするドラマとは違うように思いました。快楽は快楽であっても、芸術という高尚な快楽を厳しく追求していました。

現代は、プロテスタントのような、勤勉実直、質素倹約の精神が必ずしもいいとも限りません。このような精神のもとでは、カタい商品しかなかなか生まれてこないものです。

快楽を与える商品でないと誰も買ってくれない時代です。したがって、単なるカタい商品では、見向きもしてくれません。しかし、会社の運営においては、社員の快楽的行動を促すべきではありません。

つまり、こういう時代では、快楽性に身を置く快楽主義者であっても、決して快楽に流されず、快楽に対して、厳しく身を処することができる人材が求められているのだと思います。

不真面目そうに見える世界にいながら、実は真面目というのが一番いいのだと思います。

いずれにしても、どんな世界や時代においても、厳しく身を処す自己管理能力は欠かせない要素ではないでしょうか。


自己管理能力(1)~自分に甘い人・自分に厳しい人~に もどる



[ 2009/08/31 08:11 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

自己管理能力(2)~プロテスタンティズム~

スイス・ローザンヌ大聖堂/photo by福家金蔵
こうした難関を乗り越え、ゴールすると、1%の楽しさがやってきます(この時はさすがに、アドレナリンが爆発し、恍惚の快楽が訪れます)でも、この1%に到達するまでは、面白くもなんともありません。苦しいことの連続です。

社会においても、マラソンのような苦しさに耐え、挫折しない「自己管理能力」を有した人が、人を管理する立場に昇っていくように思います。

苦しみから我慢できずに、逃げ出し、同じような仲間を探し、慰め合う人。
思いがかなわず、喧嘩をする、キレる、悪口を言う、陰口を叩く、いじめるなどの行動をとる人。

こういう人は、大抵「今の楽」を選択してしまい、結果として、「将来の苦」を招いてしまうようにも思います。

苦しみに耐え抜く心を鍛えるには、マラソンのような、地味で単調な「自己管理能力」を問われるスポーツが一番適しているのではないでしょうか。

このような心を鍛えていたのが、スイスでは、白人で、有色人種が少なかったのです。

マラソンはお金のかからないスポーツです。したがって、誰でも参加できたはずなのに、この差が生じたのは、何でしょうか?

教育でしょうか?
宗教でしょうか?

私は、宗教にあると考えています。私は、プロテスタント信者が多い国がなんとなく好きです。

プロテスタントの多い国は、ドイツ、スイス、イギリス、スウェーデン、デンマークなどです。アメリカにも30%近くプロテスタントがまだいます。

これらの国に、1回は足を運んだことがありますが、カトリックとは一線を画しているように感じました。カトリックは、「恵みによる救済」を基本としています。

以前、イタリア・ミラノの大聖堂をのぞいたことがあるのですが、神父さんの前で、10人近くの人が懺悔している光景にびっくり仰天したことがあります。「懺悔すれば何でも許されるのか!」と思いました。

このようなカトリックに対して、抗議(PROTEST)して、改革を求めたのがプロテスタントです。したがって、プロテスタントの戒律は厳しいし、自分にも厳しいのです。

マックスウェーバーもかつて指摘したように、このプロテスタンティズムの倫理が資本主義の精神を築き上げてきたのです。

この厳しい、勤勉実直、自主自立、質素倹約の精神は、資本主義が成立していく上で、なくてはならない考え方だったのだと思います。


自己管理能力(3)~快楽主義者~へ つづく



[ 2009/08/30 07:57 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

自己管理能力(1)~自分に甘い人・自分に厳しい人~

ローザンヌ・市民マラソンを終えた人たち/photo by福家金蔵
6年前、スイスに行きました。日本へ帰る前日(日曜日)に、ジュネーブで少し時間が空いたので、電車で40分のローザンヌに出かけました。

ローザンヌには国際オリンピック委員会の本部がありますが、本当に、こじんまりした町(保養地)です。

旧市街観光を終え、昼過ぎに、ローザンヌの駅に戻りました。日曜日だったので、(ヨーロッパの日曜日は、日本の元旦のように、店がほとんど閉まる)おいしそうな飲食店は、ほとんど開いていませんでした。仕方がないので、駅前のマクドナルドに入りました。

マクドナルドは結構混雑していました。2階に上がり、約550円のハンバーガーを食べながら、客をじっと観察していました(こういうのが好きです)
「男が赤い服を着て、女が黒い服を着ているな」

また、駅前を通行する人をガラス越しに見て、
「年配の女性しか、スカートをはいていないな」
「年配の男性しか、髭をいっぱいはやしていないな」
などと、ユニセックス化現象をチェックしていました。

このユニセックス化現象とは別に、マクドナルドに来ている客の人種も見ていました。内訳は、「白人50%黒人25%黄色人種25%」といった感じでした。

食事後、地下鉄に乗り、レマン湖の岸辺に出ました。ちょうど、市民マラソン大会が終わったようで、次々に、参加者が戻ってきていました。

でも、このスポーツウエアを着ている参加者は、95%以上が白人です。先ほどのマクドナルドの人種構成とは明らかに違います。

これを見て、ヨーロッパ社会の構図が見えたように思いました。おそらく、人種差別は、なくなってきているはずですが、支配と被支配の構造は変わっていないように感じました。

マラソンは、登山、サイクリングなどと同じで、自分をいじめるスポーツです。日常の快楽の反対にあります。

こういうスポーツを「楽しい!」と感じる人は、基本的に少ないと思います。言ってみれば、「自分に厳しい人」のスポーツです。

昔、ホノルルマラソンを完走したことがあるのですが、マラソンは、99%苦しいスポーツだと思います。「自分に甘い人」では、“練習”も“本番”も耐えられないかもしれません。

大会前の練習は、課題を確実にこなす「自己管理能力」が問われます。走行中は、自分との闘いです。ペースを崩さない、途中棄権の誘惑に負けない「意志力」がないと、完走できません。


自己管理能力(2)~プロテスタンティズム~へ つづく



[ 2009/08/28 09:24 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

尻たたき・尻拭い・お尻に火2~マネジメント法~

須磨寺鋳物像/photo by福家金蔵
尻たたきは、会社を伸ばし、社員を伸ばす上で、重要なマネジメント法です。ところが、既に大きくなってしまった会社においては、この「尻たたき」手法は、余りおすすめできません。

というのは、この「尻たたき」手法に、反発を覚える社員が多いからです。

会社が大きくなると、優秀な社員が入社してくるようになります。この社員たちは、向上心も強く、自己管理能力において優れています。

尻をたたかれなくても、自分で目標を立て、目標期限を設定し、仕事をきっちりこなしていきます。頼もしい部下と言えます。

この部下たちは、「尻たたき」する上司より「尻拭い」してくれるアシスタント的上司の方が好きです。

いい仕事をしようと思えば、どうしても諸般の雑用が発生します。また、いい仕事をしたにも関わらず、様々な問題が発生し、事後処理に追われてしまうことが多々あります。

自分の与えられた仕事に、より集中していくためには、自分の仕事以外の仕事を処理してくれる「尻拭い」型の人がどうしても必要になってきます。縁の下の力持ち的な存在が傍にいてくれたらと思うものです。

この優秀な人たちにとって、間違ったことでも命令してくる「尻たたき」上司は、迷惑な存在でしかありません。上司は、方向性だけを示してくれればいいのです。

しかし、この優秀な社員にも落とし穴があります。それは、「慢心」です。過剰な「うぬぼれ」です。どんなに仕事ができる人でも、やる気は、10年以上、続きません。

この人たちのやる気を持続させるためには、競争相手が、どうしても必要です。会社の組織運営は、立場を脅かすライバルが絶えずいる状態に、保ってこそ機能します。

つまり、「お尻に火」をつけないといけないのです。組織が大きくなったら、部下の「お尻に火」をつけるように、環境を整備することが、上司の最大のマネジメント法だと思います。

このように、尻たたき尻拭いお尻に火を上手に使い分けて、部下の育成法・マネジメント法に精通すれば、会社は尻上がりに伸びていくのではないでしょうか。


尻たたき・尻拭い・お尻に火1~部下の育成法~に もどる

[ 2009/07/14 07:31 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)