とは学

「・・・とは」の哲学

『普通がいいという病』泉谷閑示

「普通がいい」という病 (講談社現代新書)「普通がいい」という病 (講談社現代新書)
(2013/06/28)
泉谷閑示

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本書の冒頭に、「人間は、生来の資質である『角』を持って生まれてくるが、集団の中にいると、いつの間にか、この『角』があるから生きづらいのだ、と思うようになる」といった著者の意見が記されています。

人間は、「角」をシンボルとして活用する人と、「角」を削って隠してしまう人に分かれるもので、「普通がいい」というのは後者の場合です。本書には、興味深い話が多く載っています。それらをまとめてみました。



・「頭」は、「~すべき」「~してはいけない」といった言い方をする。論理的であること、因果関係を考える働きがあるので、必ず理由がくっついているという特徴がある

・「頭」は、過去を分析し、未来をシミュレートするのが得意。過去の「後悔」未来への「不安」が生み出される。逆に、「今・ここ」については苦手で、正しく捉えることはできない

・「心」は、「~したい」「~したくない」「好き」「嫌い」といった言い方をする。理由や意味・意義などは一々くっついてこない。いきなり判断だけを言う

・「心」は、「頭」と違って、「今・ここ」に焦点を当て、シャープに反応する。だから、「前はこうだった」といった過去の情報に基づいた反応はしない。それをするのは記憶やシミュレートを司る「頭」のほう

・理性で、人間の中にある“けもの”的な邪悪さが暴れ出さないように、コントロールすることが大切だと教え込まれてきた。しかし、それは全くあべこべな話。“けもの”的な邪悪さは、実は理性によって作り出されたもの

・人間を一つの国家に例えると、現代人の多くは、「頭」が独裁者として振る舞う専制国家のようになっている。「心」「身体」は、常に「頭」に監視されて、奴隷のように統制されている。そして、「心」や「身体」は、我慢が限界に来ると、何がしかの反乱を起こす

「心」がストライキを起こせば、うつ状態になる。それが許されない場合は、「身体」が不調を訴えるか、「心」が化けて出て、幻覚や妄想が生じる

・「心」「身体」は、「頭」に及びもつかない深い知恵を備えている。それが桁外れに凄い能力であるために、「頭」には、その凄さがわからない

・味覚や嗅覚は、その時の自分に必要なものを「おいしい」という快感で教えてくれ、不要なものを「まずい」と知らせてくれる。しかし、「頭」が関わると、「カラダにいいから」「得だから」「この前おいしかったから」といった考えが混入してくる

・「我」という一人称や「自分の・・・」と所有格を主張するのは、「頭」だけ。「心」「身体」は、元々そんなことに囚われておらず、自然の原理で動いている

・子供の「心」は、あるとき堪忍袋の緒が切れて、「頭」への隷属をやめたいと反逆を開始する。「心」のエネルギーが大きく、感性が発達している子ほど、それは早期に訪れる。この反逆は、不登校、ひきこもり、家庭内暴力、体調不良、自傷行為などを引き起こす

・感情には、「頭」由来の“浅い感情”と「心」由来の“深い感情”がある。「心」由来の深い感情の井戸には、「怒」「哀」「喜」「楽」の感情ボールが順番に入っている。一番上の「怒」のボールが出ないと、二番目、三番目のボールは出てこれない

・「怒りはよくないもの」と教え込まれると、井戸の中に、OLDな怒り(過去に我慢した怒り)が溜め込まれていく。そして、限度を超えた時、蓋が破られ、爆発を起こす

・怒りは文字に書いて出すこと。「心の吐き出しノート」を用意して、モヤモヤ、イライラが生じたとき、必ずこのノートに書き込む

・「頭」由来の“浅い感情”は、その感情を保持できずに、「ヒステリック」の性質で、吐き出される

空海は、お説教じみた禁欲的な教えとは全く逆の考え方。「欲をためる」ことを「遮情」として戒めている。他の宗教は、「欲望」を滅却して初めて「愛」の存在になれるというが、空海は、「欲望」をどんどん「大欲」に膨らませることで、「」が生まれると教えている

・「信じる」というのは、「愛」の一つの表れ。「愛」も「信じる」も、根拠や見返りなしに行われる「心」の働き。根拠を求めるのは、もっぱら「頭」由来の「欲望」



なかなかいい本でした。心や感情の構造を一つ一つ解きほぐされていくようで、心地よくなれました。

心理学の本というよりも、禅の本、宗教の本といった感じの本なのかもしれません。


[ 2014/08/01 07:00 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『100歳、元気、あたりまえ!』吉川敏一

100歳、元気、あたりまえ!100歳、元気、あたりまえ!
(2011/03/04)
吉川敏一

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著者の本を紹介するのは、「不老革命」に次ぎ、2冊目です。アンチエイジング界の第一人者で、国際フリーラジカル学会の会長も歴任されています。

本書には、アンチエイジングに関する医学界の常識が網羅されています。健康に関心が出てきた人には関心のあるところです。その一部をまとめてみました。



・何もしないで、10代のころと同じだけ食べると、20%は、体の中に残ってしまう。中年太りを防ぐためには、食べる量を2割減らすか、2割増しで運動しなければならない

筋肉は血糖の処理工場。筋肉があれば糖尿病にならない。中性脂肪も筋肉細胞に取り込まれて、エネルギーになる。高脂血症の薬を飲むよりも、実は筋肉をつけたほうが早い

・やせるときには、筋肉、骨、脂肪が減っていくが、その中で真っ先に減るのが内臓脂肪。脂肪は予備のエネルギー源。内臓脂肪は、緊急のとき、いち早く使えるように身近に貯蔵されている。お腹まわりの皮下脂肪は、内臓脂肪がなくなってから、ようやく減り始める

・運動しないで、食事だけでダイエットするのはとにかく絶対ダメ。やせているのに、筋肉がなくて、お腹だけが出ている人は、肥満と同じ。健康とか長生きとかは、見た目の体型ではなく、内臓脂肪と筋肉の関係で決まる

・昔は酒に弱かったが、付き合いで飲むうちに慣れてきて、顔は赤くなるが、このごろだいぶ飲めるようになったというタイプが一番危ない。顔が赤くなるのに、毎日のように飲む人は、顔が赤くならない酒に強い人に比べて、「食道がん」になるリスクが6~9倍高い

・アルコールとタバコというのは、とても相性が悪い。酒とタバコの二つが合わさると、がんも、動脈硬化も心筋梗塞も増える。つまり、どっちか一つにしたほうがいい

がんを殺す免疫力には、腸内細菌が深く関わっている。腸は免疫細胞の「基地」になっているので、免疫細胞は、この基地で腸内細菌に鍛えられて、がん細胞に出撃する

・医者は、お年寄りを入院させるときには、できるだけ短い期間で退院してもらう。なぜかと言うと、ボケが進んでしまうから。入院期間が長くなればなるほどボケてくるのは、歴然とした事実

・皮膚は、いろいろな外敵をすぐにブロックしなければならないので、体の免疫力がいち早く反映される場所。だから、免疫力が高ければ高いほど、肌の状態もよくなる

老眼は筋肉の老化現象。目の老化予防に注目なのが「アスタキサンチン」。鮭の身や海老・蟹の甲羅に豊富に含まれる赤い色素。アスタキサンチンは、強力な抗酸化物質で、筋肉をよく動かす働きをする。鮭が長い旅の果てに故郷の川に帰ってこられるのも、そのおかげ

・血液の固まらない薬を投与するとき、患者に「食べたらあかん」と指導するのは、「納豆」(ナットウキナーゼという酵素とビタミンKが作用して血が固まりにくくする)と「タマネギ」(ケルセチンという成分が血を固まりにくくする)

・心臓血管外科の医者は、心臓に血管を植えつけるバイパス手術などのリスクの高い心臓手術のとき、タバコを吸う患者に2~3ヵ月、タバコをやめさせてからでないと手術しない。タバコの毒(血管を収縮させ、血液循環を悪化させる)は、2ヵ月以上悪さをする

・食べ物の色素カテロノイドは強力な抗酸化物質。ほうれん草やトウモロコシの「ルティン(黄)」、温州ミカンの「βクリプトキサンチン(黄)」、トマトやスイカの「リコピン(赤)」、トウガラシの「カプサンチン(赤)」、昆布やワカメの「フコキサンチン(茶)」など

・野菜や果物でも、皮ごと食べたほうが体にいい。植物の皮には、紫外線や害虫、寒さや暑さ、そういうものを防ぐバリア機能があって、抗酸化物質がいっぱい集まっている

・トウガラシ、ショウガ、ワサビ、コショウ、サンショなどの香辛料は強力な抗酸化物質。ニンニク、ラッキョウ、ネギなどのイオウ化合物も抗酸化作用が強い食材

・体にいい「食事の習慣」とは「体の欲するままに食べる」こと。感覚にしたがって、自分の体が調子いいような食べ方をしていたらそれでいい

・運動量を示す単位「エクササイズ」は1週間「23以上」が目標。運動の強度を表わす「メッツ」という単位×「時間」が「エクササイズ」になる。歩くのは「3メッツ」。20分歩くと「1エクササイズ」。自転車は「4メッツ」、水泳は「6メッツ」



アンチエイジングは、まだまだ研究半ばの学問だそうです。これからも新たな発見がありそうです。

身も心も健康を保とうとする気持ちこそが、健康を維持する基本のような気がします。本書は、その一助になるのではないでしょうか。


[ 2014/06/27 07:00 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『おいしい患者をやめる本』岡本裕

おいしい患者をやめる本 医療費いらずの健康法 (講談社プラスアルファ文庫)おいしい患者をやめる本 医療費いらずの健康法 (講談社プラスアルファ文庫)
(2011/09/21)
岡本 裕

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岡本裕医師の本を紹介するのは、「9割の病気は自分で治せる」「自己の免疫力で病気を治す本」に次ぎ3冊目です。

現代の日本の医療制度の矛盾や問題点を、本書においても提言しています。世界各国に比べてのおかしな点が素人にもわかりやすく書かれています。その一部をまとめてみました。



・日本の医療は疲弊している。忙しすぎて疲弊している。忙しいと思考が停止してしまう。今の医療現場はウソの病気が蔓延し過ぎて、作動不良に陥っている

・日本の医療技術は確かに高いが、医療全体の水準は決して高くないという評価は、中国の富裕層だけでなく、中国の医師からもよく耳にする話

・多くの医者が「ホントの病気」に携わることを望まないのは、あまりにも待遇が悪いから。めちゃくちゃ忙しすぎるから

・外来患者の10人に9人は、おしなべて来なくてもいい人たち。救急外来の現場も例外ではない。3次救急を専門にしている特殊な施設は除いて、やはり10人に7~9人は来なくてもいい(来ないほうが得をする)患者

・どうでもいい患者も診なくてはいけないこともあり、見かけ上、医者が不足しているように見えているだけ

・医者は「ウソの病気」をたくさん診なければ生活がままならないという、今の「診療報酬制度」の問題がある。つまり、一人の患者をゆっくり診ることが許されないシステムになっている

ありがたい病気とは、「高血圧」「2型糖尿病」「脂質異常症(高脂血症)」「メタボリックシンドローム」「不眠症」。そんなありがたい病気の患者は、今や40歳を過ぎれば、ごまんといる。彼らは元気で、当分の間、めったなことで死にそうにない

・なぜ内臓に脂肪がたまるのか?食べすぎて運動しないから。それ以外に原因はない

ホントの病気とは、「がん」「小児がん」「難病(難治性130疾患)」「アルツハイマー病」「救急疾患(脳出血、クモ膜下出血、脳梗塞、心筋梗塞、重症外傷)」

・おいしい患者は、医者や薬に頼る傾向がある。言い換えれば、医者や薬に依存する度合いが強いということ

・ホントの病気に抵抗する医者とは、ウソの病気をしこたま囲い込んで贅沢に暮らす医者、標準治療しかできない医者、金儲けのために医者になった医者、たまたま偏差値が高くて医者になってしまった医者、製薬会社から裏金をもらっている偉い医者

ホントの病気に抵抗する医療関係者とは、製薬会社、製薬会社にたかる政治家、製薬会社に天下る役人、製薬会社におもねるメディア、自助努力したくないウソの病気の患者

・不定愁訴(身体がだるい、重い、頭が重い、すっきりしない、寝覚めが悪い、食欲がない、眼がかすむ、肩が凝る、腰、膝が痛い、眠れない、便秘が続く、お腹が張る、冷える、顔色がすぐれない、意欲が出ない、気分がすぐれない)は、自己治癒力低下の警告

・健診はやらないよりやったほうがいいが、健診が病気の早期発見というのは誤解。なぜなら、すでに病気は進行しているから。症状が出たり、検査でひっかかったりするまで、手をこまねいているより、自己治癒力を高める努力をしたほうが得策

・厳密に言うと、すでにみんな、がん患者。誰もが、毎日およそ数千個のがん細胞が身体で生まれている。しかし、がん患者の自覚がないのは、自己治癒力のおかげで、日々生まれたがん細胞が、日々壊されているから

不定愁訴が現れることによって、「1日24時間のリズム」が不規則になるという「負のスパイラル」に陥る。40歳からは、1日のリズムを意識しなくてはいけない

浅い呼吸は「低酸素状態になる」「血行不良になる」「低体温になる」。背筋を伸ばして、ゆっくりと大きな深呼吸をする習慣を取り入れる

・現代人は食べすぎ。過食は自己治癒力を著しく低下させる。だから、1週間に1~2日は2食だけにする「プチ断食」がおすすめ

・惰性で薬を飲んではいけない。薬はすべて「毒」。自己治癒力を顕著に低下させる



著者は、医者でありながら、医者や医療業者に反旗を翻しています。しかし、それは反旗ではなく、患者にとって正当な旗のように思います。

患者が正しい知識を持つ以外に、日本の医療制度を適正に戻す方法はないのかもしれません。


[ 2014/05/30 07:00 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『日常の偶然の確率』ティム・グリン=ジョーンズ

「日常の偶然」の確率: あなたが本当の父親じゃない可能性から犯罪の遭遇率まで数字にしてみた「日常の偶然」の確率: あなたが本当の父親じゃない可能性から犯罪の遭遇率まで数字にしてみた
(2013/02/20)
ティム グリン=ジョーンズ

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本書には、人生で遭遇しそうな出来事の確率が記されています。「おやっ!」と思うものから、「なるほど!」と思うまで、豊富な事例が満載です。

その中から、自分の人生に起こりうるかもしれない確率の箇所をまとめてみました。



・オランダ男性の平均身長は183cmだが、100年前には、男性の4分の1が157cmより低かった。これほど急激に身長が伸びた背景には、食生活の大幅な改善がある

・世界の宗教は、「キリスト教3人に1人」「イスラム教4人に1人」「ヒンズー教8人に1人」「中国の民俗宗教17人に1人」「仏教17人に1人」「民俗宗教25人に1人」「新興宗教50人に1人」「シク教277人に1人」「ユダヤ教455人に1人」「精霊信仰524人に1人」

・毎年、地球上で175人に1人が高所から落下して治療を受け、そのうち1%以上が命を落としている

・アメリカの漁師の500人に1人が、毎年仕事中に亡くなっている

小型飛行機の操縦は、常に危険な職業の上位。毎年1750人に1人のパイロットが仕事中に死亡している

屋根の工事に従事する人は、年間で2900人に1人が仕事中に亡くなっている

・オリンピックに参加した選手は、世界の人口の60万分の1.オリンピックに参加して、金メダルをとる確率は2200万分の1の確率

危険なスポーツの死亡率。ハンググライダーは11.6万回飛んで1人。スキューバダイビングは20万回潜って1人。ロッククライミングは32万回登って1人。スキーは155.7万回行って1人

・世界に100万ドル以上の資産を持つ人が700人に1人

・IQ(知能指数)130以上の天才は50人に1人。IQ160(アインシュタインのレベル)を持つ人は3万人に1人。IQ172以上の人は世界で7000人、100万人に1人の確率

・オーストラリアで犯罪の被害者になるのは、1年に3人に1人。スコットランドで暴行を受けるのは、1年に60人に1人。南アフリカで殺されるのは、1年に3000人に1人

殺人事件の被害者になりやすい国。南アフリカ1500人に1人、エルサルバドル1600人に1人、コロンビア1900人に1人、コートジボアール2000人に1人、グアテマラ2400人に1人

・人口比で警察官の割合が高い国。イタリア180人に1人、ドイツ345人に1人、南アフリカ360人に1人、アメリカ455人に1人、オーストラリア500人に1人、イギリス500人に1人、日本555人に1人、カナダ560人に1人、インド1000人に1人

死刑の多い国。イラン21万人に1人、サウジアラビア27万人に1人、中国77万人に1人、パキスタン469万人に1人、アメリカ816万人に1人

肥満大国(BMI値30以上の割合)。サモア94%、キリバス82%、アメリカ67%、ドイツ67%、エジプト66%、ボスニア・ヘルツェゴビナ63%、ニュージーランド63%、イスラエル62%、クロアチア61%、イギリス61%

・アメリカ人の175人に1人が年に美容整形手術を受けている。420人に1人が豊胸手術を受けている

生物に襲われて命を落とす確率。蚊100分の1、ヘビ1500分の1、ハチ5万分の1、サソリ20万分の1、虎20万分の1、象30万分の1、ライオン30万分の1、カバ65万分の1、クラゲ100万分の1、牛100万分の1、ワニ116万分の1、犬500万分の1

・1人のアメリカ人が死ぬ確率。心臓病5分の1、交通事故100分の1、自殺121分の1、銃殺325分の1、溺死9000分の1、飛行機の墜落2万分の1、洪水3万分の1、地震13万分の1、隕石の衝突50万分の1、落ちたココナツに当たる65万分の1

宇宙人に誘拐された経験があると答えたアメリカ人は、何と500人に1人。エクソシストが300人前後いるイタリアで、悪魔祓いを求める人は1万人に1人以下



死ぬ確率など、あまり想像したくないものですが、注意喚起のため、安心のため、本書の確率を読んでおいても損はないように思います。

死ぬ確率の高いところには、できるだけ、「危うきに近寄らず」かもしれません。


[ 2014/05/23 07:00 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『外でも粗食・「外食」を「害食」にしないための方法』幕内秀夫

外でも粗食外でも粗食
(2011/07/26)
幕内 秀夫

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幕内秀夫さんの著書を紹介するのは、「1食100円「病気にならない」食事」に次ぎ、2冊目です。健康のため、食事に気をつけようとしても、外食の回数が多いと、やる気を失せてしまうものです。

本書には、外食でも、健康的な食事を維持する方法が書かれています。外食の多い方には朗報です。その具体的方法について、まとめてみました。



自然界のものならば、食べる量にも限界があるが、こと精製食品でおいしく味付けされたものにいたっては、お腹が空いていなくても食べられてしまう。こうして、歯止めが利かなくなり、生活習慣病やメタボ、婦人科系疾患の増加につながっていく

・歯止めが利かなくなるという点で、精製食品はアルコールと同じ

・人間と動物との最大の違いは、「母乳」が甘いということ。これは、母乳に含まれる「乳糖」が甘いから。乳糖は炭水化物の一種。つまり、人間は、生まれながらにして、炭水化物を欲し、主成分にして生きる動物

・「明日も行きたい」と思う店は、体にもいい店

・早食いになると、濃厚な味の食べ物をどんどん欲するようになる。あわただしい店を選んではいけない

・換気扇が汚いということは、フライパン料理が多いということ。つまり、揚げ物や炒め物など、油だらけの店。換気扇の汚れた店には入ってはいけない

・外食メニューを選ぶときは、精製食品、中でもマヨケソ(マヨネーズ、ケチャップ、ソース)をいかにして避けるかが重要

・野菜の「煮物」、「和え物」、「お浸し」の多い店を選ぶこと。これらの料理が多い店は、間違いなくおいしい。店の質を見極めるリトマス試験紙になる

・「何を食べるか」より「何を食べないか」から考える。メニューの選び方としては、「砂糖、油、うま味調味料、マヨケソをいかに避けるか」が重要になる

・健康志向の人は、寿司屋では、アジやサンマ、サバ、イワシ、コハダなど青身の魚を食べたらいい。避けたいのは、ハマチやヒラメ、タイなど、養殖が多い白身魚

・そば・うどん屋は、総合的に見ても、良い外食。ところが、悲しいことに、女性は「野菜が少ない」という理由で避ける。たしかに、野菜は少ないが、それ以上に、体に摂り入れたくないものが少ないから、健康によい

・工場製品は、長期輸送、長期保存を可能にするため、防腐剤などの添加物を使用する場合が多い

・コーヒーは神経系に効く薬物の一種。強力な興奮剤であり、軽度の常習性がある。その作用は、タバコやアルコールと同じ。また、チョコレート(ココア)も、神経系に効く薬物

・アルコールをそれほど飲まず、タバコを吸わない人は、甘いお菓子を好む人が多い。スイーツもアルコールやタバコと同様、とても依存性が高いもの

・ファーストフードは「外食」が「害食」になった典型。「精製穀物」「油」「砂糖」「うま味調味料」と、4種類の精製食品が含まれる。さらに悪いことに、ジュースや清涼飲料水など、砂糖をたっぷり含んだ飲料がセットでついてくる

・健康になるための「外食術」とは、「定食屋は家庭料理に近いメニューを選ぶ」「寿司屋は女性こそ利用すべき」「ファミレスは和食メニューに絞る」「居酒屋はひとりで行くべき」「弁当屋は油攻めに注意すべき」「コンビニではおにぎり、スーパーでは惣菜を選ぶべき」

・乳酸菌や食物繊維をたっぷり摂り入れたからといって、基本食である米を食べなければ、意味はない。野菜などで食物繊維を摂る人よりも、ごはんをしっかり食べる人のほうが便秘は少ない

・飲食店が、どんどん日常食から離れ、快楽を提供する場になりつつある。注意しないと、毎日が正月やクリスマス、忘年会のようになってしまう



外食は、月に1~2回なら、いいですが、外食が日常茶飯事なら、摂るメニューに注意しないと、健康な体を蝕んでいく恐れがあります。

そうならないためにも、本書に目を通しておく必要があるのではないでしょうか。


[ 2014/02/28 07:52 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『あなたのがんリスクを確実に減らす本』寺本研一

あなたの“がんリスク”を確実に減らす本 (らくらく本)あなたの“がんリスク”を確実に減らす本 (らくらく本)
(2013/08/22)
寺本 研一

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著者は、臨床医として、がんに関するさまざまな局面に立ち会ってきた方です。本書には、部位別の「がんにかかる可能性」「がん予防」「がんリスク減少法」が載っています。

がんにかからない体をつくるために、参考になります。その一部をまとめてみました。



膵がんは罹患率が低い「かかりにくいがん」だが、いざかかってしまうと、死亡率が高い「死にやすいがん」。つまり非常に怖いがん

・がんにかかる理由は大きく分けて4つある。「1.生活習慣(食事、肥満、煙草、飲酒、運動不足など)」「2.感染症」「3.環境因子(職業など)」「4.遺伝的要因(体質)」

・全部位のがんに対する男性の罹患率は、75歳までで28%、生涯で見ると54%に倍増する。女性は75歳までが20%、生涯になると41%。がんと言えば、働き盛りの40代、50代のイメージがあるが、実際には75歳以上の高齢者がたくさんかかっている

5年後死亡率が50%以上のがんは、「膵がん」「胆道がん」「肝臓がん」「肺がん」「食道がん」の順。がん患者割合10%以上のがんは、「乳がん」「胃がん」「大腸がん」「肺がん」「前立腺がん」の順。「死亡率の高いがん」と「かかりやすいがん」には特に注意が必要

胃がんにかかりやすい人「中高年の男性」「煙草は20歳のころから1日1箱」「塩分の高い肴で日本酒」「医者から胃粘膜が委縮していると言われた」「胃カメラの検査で、胃にピロリ菌がいると言われた」。だが、ピロリ菌に感染していなければ、とりあえず安心

大腸がんにかかりやすい人「腹回りが大きい」「酒好き」「肉、ハムが好き」「野菜嫌い」「運動不足」「定期健診で、メタボリック症候群または予備群と言われた」「大腸カメラ検査でポリープが見つかった」。だが、ポリープがなければ、とりあえず安心

肺がんにかかりやすい人「30年以上毎日の喫煙」「1日30本以上の喫煙量」「建設業や運業の仕事の関係で過去にアスベストを吸った」「咳が出るので医者に行ったら、肺気腫の傾向があると言われた」。だが、早期発見できれば、とりあえず安心

食道がんにかかりやすい人「中高年の男性」「フラッシャー(酒を飲むと顔が赤くなる)」大酒飲みで濃い酒が好き」「喫煙家」「熱い飲み物が好き」。だが、フラッシャー・飲酒・喫煙の3つがなければ、とりあえず安心

肝臓がんにかかりやすい人「太っていて高血圧」「ALT(GPT)の数値が高め」「酒は飲まないのにエコー検査で脂肪肝と言われた」「B型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルスに感染」。だが、B型・C型肝炎ウイルス感染がなく、ALTが30以下なら、とりあえず安心

膵がんにかかりやすい人「酒好き」「検診でメタボリック症候群と言われた」「軽い糖尿病で薬を飲んでいて、最近ヘモグロビンA1cの値が上がった」「親兄弟が膵がんで亡くなった」

乳がんにかかりやすい人「中高年女性」「初潮が早かった」「出産経験なし」「閉経が遅かった」「閉経後に太った」「母親が乳がんにかかった」

子宮頸がんにかかりやすい人「既婚中年女性」「早い年齢の性交渉」「18歳くらいで第一子出産後、続けて2人以上の子を出産」「結婚前のクラミジア感染」「最近、性交渉時にわずかな出血」。だが、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染がなければ、とりあえず安心

前立腺がんにかかりやすい人「高齢の男性」「家族や親戚に前立腺がんにかかった人がいる」

胆道がんにかかりやすい人「中年以後の女性」「太り気味」「以前から胆石があり、症状が出ないので放置していたが、最近痛みを感じる」

・がんリスクを確実に減らす方法は、「血液検査で、胃にピロリ菌がいたら除去する」「血液検査で、B型・C型肝炎ウイルス感染のチェック」

がんリスクを減らす食習慣は、「果物と野菜を毎日400g以上摂取、アリウム野菜と大豆製品の摂取」「緑茶を1日5杯以上(女性)」「赤身肉や加工肉を週500g以下に」「塩分は1日に男性9g、女性7.5g未満」「カビの生えた食品を摂らない」「高カロリー食品を控える」

がんリスクを減らす生活習慣は、「1日にビールはグラス2杯、女性は1杯まで」「禁煙」「やや早歩きの散歩を毎日30分以上」「BMI値を男性21~27、女性は19~25に」「糖尿病にならない」「充分な睡眠」



がんを一括りにせず、部位別の対策と対処法が書かれているので、注意もできますし、安心もできます。

高年齢になると、確実に何らかのがんと付き合っていかなければなりません。高年齢の健康な人におすすめの本でないでしょうか。


[ 2014/02/07 07:00 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)