とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索
カテゴリー  [ 健康の本 ]

『普通がいいという病』泉谷閑示

「普通がいい」という病 (講談社現代新書)「普通がいい」という病 (講談社現代新書)
(2013/06/28)
泉谷閑示

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本書の冒頭に、「人間は、生来の資質である『角』を持って生まれてくるが、集団の中にいると、いつの間にか、この『角』があるから生きづらいのだ、と思うようになる」といった著者の意見が記されています。

人間は、「角」をシンボルとして活用する人と、「角」を削って隠してしまう人に分かれるもので、「普通がいい」というのは後者の場合です。本書には、興味深い話が多く載っています。それらをまとめてみました。



・「頭」は、「~すべき」「~してはいけない」といった言い方をする。論理的であること、因果関係を考える働きがあるので、必ず理由がくっついているという特徴がある

・「頭」は、過去を分析し、未来をシミュレートするのが得意。過去の「後悔」未来への「不安」が生み出される。逆に、「今・ここ」については苦手で、正しく捉えることはできない

・「心」は、「~したい」「~したくない」「好き」「嫌い」といった言い方をする。理由や意味・意義などは一々くっついてこない。いきなり判断だけを言う

・「心」は、「頭」と違って、「今・ここ」に焦点を当て、シャープに反応する。だから、「前はこうだった」といった過去の情報に基づいた反応はしない。それをするのは記憶やシミュレートを司る「頭」のほう

・理性で、人間の中にある“けもの”的な邪悪さが暴れ出さないように、コントロールすることが大切だと教え込まれてきた。しかし、それは全くあべこべな話。“けもの”的な邪悪さは、実は理性によって作り出されたもの

・人間を一つの国家に例えると、現代人の多くは、「頭」が独裁者として振る舞う専制国家のようになっている。「心」「身体」は、常に「頭」に監視されて、奴隷のように統制されている。そして、「心」や「身体」は、我慢が限界に来ると、何がしかの反乱を起こす

「心」がストライキを起こせば、うつ状態になる。それが許されない場合は、「身体」が不調を訴えるか、「心」が化けて出て、幻覚や妄想が生じる

・「心」「身体」は、「頭」に及びもつかない深い知恵を備えている。それが桁外れに凄い能力であるために、「頭」には、その凄さがわからない

・味覚や嗅覚は、その時の自分に必要なものを「おいしい」という快感で教えてくれ、不要なものを「まずい」と知らせてくれる。しかし、「頭」が関わると、「カラダにいいから」「得だから」「この前おいしかったから」といった考えが混入してくる

・「我」という一人称や「自分の・・・」と所有格を主張するのは、「頭」だけ。「心」「身体」は、元々そんなことに囚われておらず、自然の原理で動いている

・子供の「心」は、あるとき堪忍袋の緒が切れて、「頭」への隷属をやめたいと反逆を開始する。「心」のエネルギーが大きく、感性が発達している子ほど、それは早期に訪れる。この反逆は、不登校、ひきこもり、家庭内暴力、体調不良、自傷行為などを引き起こす

・感情には、「頭」由来の“浅い感情”と「心」由来の“深い感情”がある。「心」由来の深い感情の井戸には、「怒」「哀」「喜」「楽」の感情ボールが順番に入っている。一番上の「怒」のボールが出ないと、二番目、三番目のボールは出てこれない

・「怒りはよくないもの」と教え込まれると、井戸の中に、OLDな怒り(過去に我慢した怒り)が溜め込まれていく。そして、限度を超えた時、蓋が破られ、爆発を起こす

・怒りは文字に書いて出すこと。「心の吐き出しノート」を用意して、モヤモヤ、イライラが生じたとき、必ずこのノートに書き込む

・「頭」由来の“浅い感情”は、その感情を保持できずに、「ヒステリック」の性質で、吐き出される

空海は、お説教じみた禁欲的な教えとは全く逆の考え方。「欲をためる」ことを「遮情」として戒めている。他の宗教は、「欲望」を滅却して初めて「愛」の存在になれるというが、空海は、「欲望」をどんどん「大欲」に膨らませることで、「」が生まれると教えている

・「信じる」というのは、「愛」の一つの表れ。「愛」も「信じる」も、根拠や見返りなしに行われる「心」の働き。根拠を求めるのは、もっぱら「頭」由来の「欲望」



なかなかいい本でした。心や感情の構造を一つ一つ解きほぐされていくようで、心地よくなれました。

心理学の本というよりも、禅の本、宗教の本といった感じの本なのかもしれません。


[ 2014/08/01 07:00 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『100歳、元気、あたりまえ!』吉川敏一

100歳、元気、あたりまえ!100歳、元気、あたりまえ!
(2011/03/04)
吉川敏一

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著者の本を紹介するのは、「不老革命」に次ぎ、2冊目です。アンチエイジング界の第一人者で、国際フリーラジカル学会の会長も歴任されています。

本書には、アンチエイジングに関する医学界の常識が網羅されています。健康に関心が出てきた人には関心のあるところです。その一部をまとめてみました。



・何もしないで、10代のころと同じだけ食べると、20%は、体の中に残ってしまう。中年太りを防ぐためには、食べる量を2割減らすか、2割増しで運動しなければならない

筋肉は血糖の処理工場。筋肉があれば糖尿病にならない。中性脂肪も筋肉細胞に取り込まれて、エネルギーになる。高脂血症の薬を飲むよりも、実は筋肉をつけたほうが早い

・やせるときには、筋肉、骨、脂肪が減っていくが、その中で真っ先に減るのが内臓脂肪。脂肪は予備のエネルギー源。内臓脂肪は、緊急のとき、いち早く使えるように身近に貯蔵されている。お腹まわりの皮下脂肪は、内臓脂肪がなくなってから、ようやく減り始める

・運動しないで、食事だけでダイエットするのはとにかく絶対ダメ。やせているのに、筋肉がなくて、お腹だけが出ている人は、肥満と同じ。健康とか長生きとかは、見た目の体型ではなく、内臓脂肪と筋肉の関係で決まる

・昔は酒に弱かったが、付き合いで飲むうちに慣れてきて、顔は赤くなるが、このごろだいぶ飲めるようになったというタイプが一番危ない。顔が赤くなるのに、毎日のように飲む人は、顔が赤くならない酒に強い人に比べて、「食道がん」になるリスクが6~9倍高い

・アルコールとタバコというのは、とても相性が悪い。酒とタバコの二つが合わさると、がんも、動脈硬化も心筋梗塞も増える。つまり、どっちか一つにしたほうがいい

がんを殺す免疫力には、腸内細菌が深く関わっている。腸は免疫細胞の「基地」になっているので、免疫細胞は、この基地で腸内細菌に鍛えられて、がん細胞に出撃する

・医者は、お年寄りを入院させるときには、できるだけ短い期間で退院してもらう。なぜかと言うと、ボケが進んでしまうから。入院期間が長くなればなるほどボケてくるのは、歴然とした事実

・皮膚は、いろいろな外敵をすぐにブロックしなければならないので、体の免疫力がいち早く反映される場所。だから、免疫力が高ければ高いほど、肌の状態もよくなる

老眼は筋肉の老化現象。目の老化予防に注目なのが「アスタキサンチン」。鮭の身や海老・蟹の甲羅に豊富に含まれる赤い色素。アスタキサンチンは、強力な抗酸化物質で、筋肉をよく動かす働きをする。鮭が長い旅の果てに故郷の川に帰ってこられるのも、そのおかげ

・血液の固まらない薬を投与するとき、患者に「食べたらあかん」と指導するのは、「納豆」(ナットウキナーゼという酵素とビタミンKが作用して血が固まりにくくする)と「タマネギ」(ケルセチンという成分が血を固まりにくくする)

・心臓血管外科の医者は、心臓に血管を植えつけるバイパス手術などのリスクの高い心臓手術のとき、タバコを吸う患者に2~3ヵ月、タバコをやめさせてからでないと手術しない。タバコの毒(血管を収縮させ、血液循環を悪化させる)は、2ヵ月以上悪さをする

・食べ物の色素カテロノイドは強力な抗酸化物質。ほうれん草やトウモロコシの「ルティン(黄)」、温州ミカンの「βクリプトキサンチン(黄)」、トマトやスイカの「リコピン(赤)」、トウガラシの「カプサンチン(赤)」、昆布やワカメの「フコキサンチン(茶)」など

・野菜や果物でも、皮ごと食べたほうが体にいい。植物の皮には、紫外線や害虫、寒さや暑さ、そういうものを防ぐバリア機能があって、抗酸化物質がいっぱい集まっている

・トウガラシ、ショウガ、ワサビ、コショウ、サンショなどの香辛料は強力な抗酸化物質。ニンニク、ラッキョウ、ネギなどのイオウ化合物も抗酸化作用が強い食材

・体にいい「食事の習慣」とは「体の欲するままに食べる」こと。感覚にしたがって、自分の体が調子いいような食べ方をしていたらそれでいい

・運動量を示す単位「エクササイズ」は1週間「23以上」が目標。運動の強度を表わす「メッツ」という単位×「時間」が「エクササイズ」になる。歩くのは「3メッツ」。20分歩くと「1エクササイズ」。自転車は「4メッツ」、水泳は「6メッツ」



アンチエイジングは、まだまだ研究半ばの学問だそうです。これからも新たな発見がありそうです。

身も心も健康を保とうとする気持ちこそが、健康を維持する基本のような気がします。本書は、その一助になるのではないでしょうか。


[ 2014/06/27 07:00 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『おいしい患者をやめる本』岡本裕

おいしい患者をやめる本 医療費いらずの健康法 (講談社プラスアルファ文庫)おいしい患者をやめる本 医療費いらずの健康法 (講談社プラスアルファ文庫)
(2011/09/21)
岡本 裕

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岡本裕医師の本を紹介するのは、「9割の病気は自分で治せる」「自己の免疫力で病気を治す本」に次ぎ3冊目です。

現代の日本の医療制度の矛盾や問題点を、本書においても提言しています。世界各国に比べてのおかしな点が素人にもわかりやすく書かれています。その一部をまとめてみました。



・日本の医療は疲弊している。忙しすぎて疲弊している。忙しいと思考が停止してしまう。今の医療現場はウソの病気が蔓延し過ぎて、作動不良に陥っている

・日本の医療技術は確かに高いが、医療全体の水準は決して高くないという評価は、中国の富裕層だけでなく、中国の医師からもよく耳にする話

・多くの医者が「ホントの病気」に携わることを望まないのは、あまりにも待遇が悪いから。めちゃくちゃ忙しすぎるから

・外来患者の10人に9人は、おしなべて来なくてもいい人たち。救急外来の現場も例外ではない。3次救急を専門にしている特殊な施設は除いて、やはり10人に7~9人は来なくてもいい(来ないほうが得をする)患者

・どうでもいい患者も診なくてはいけないこともあり、見かけ上、医者が不足しているように見えているだけ

・医者は「ウソの病気」をたくさん診なければ生活がままならないという、今の「診療報酬制度」の問題がある。つまり、一人の患者をゆっくり診ることが許されないシステムになっている

ありがたい病気とは、「高血圧」「2型糖尿病」「脂質異常症(高脂血症)」「メタボリックシンドローム」「不眠症」。そんなありがたい病気の患者は、今や40歳を過ぎれば、ごまんといる。彼らは元気で、当分の間、めったなことで死にそうにない

・なぜ内臓に脂肪がたまるのか?食べすぎて運動しないから。それ以外に原因はない

ホントの病気とは、「がん」「小児がん」「難病(難治性130疾患)」「アルツハイマー病」「救急疾患(脳出血、クモ膜下出血、脳梗塞、心筋梗塞、重症外傷)」

・おいしい患者は、医者や薬に頼る傾向がある。言い換えれば、医者や薬に依存する度合いが強いということ

・ホントの病気に抵抗する医者とは、ウソの病気をしこたま囲い込んで贅沢に暮らす医者、標準治療しかできない医者、金儲けのために医者になった医者、たまたま偏差値が高くて医者になってしまった医者、製薬会社から裏金をもらっている偉い医者

ホントの病気に抵抗する医療関係者とは、製薬会社、製薬会社にたかる政治家、製薬会社に天下る役人、製薬会社におもねるメディア、自助努力したくないウソの病気の患者

・不定愁訴(身体がだるい、重い、頭が重い、すっきりしない、寝覚めが悪い、食欲がない、眼がかすむ、肩が凝る、腰、膝が痛い、眠れない、便秘が続く、お腹が張る、冷える、顔色がすぐれない、意欲が出ない、気分がすぐれない)は、自己治癒力低下の警告

・健診はやらないよりやったほうがいいが、健診が病気の早期発見というのは誤解。なぜなら、すでに病気は進行しているから。症状が出たり、検査でひっかかったりするまで、手をこまねいているより、自己治癒力を高める努力をしたほうが得策

・厳密に言うと、すでにみんな、がん患者。誰もが、毎日およそ数千個のがん細胞が身体で生まれている。しかし、がん患者の自覚がないのは、自己治癒力のおかげで、日々生まれたがん細胞が、日々壊されているから

不定愁訴が現れることによって、「1日24時間のリズム」が不規則になるという「負のスパイラル」に陥る。40歳からは、1日のリズムを意識しなくてはいけない

浅い呼吸は「低酸素状態になる」「血行不良になる」「低体温になる」。背筋を伸ばして、ゆっくりと大きな深呼吸をする習慣を取り入れる

・現代人は食べすぎ。過食は自己治癒力を著しく低下させる。だから、1週間に1~2日は2食だけにする「プチ断食」がおすすめ

・惰性で薬を飲んではいけない。薬はすべて「毒」。自己治癒力を顕著に低下させる



著者は、医者でありながら、医者や医療業者に反旗を翻しています。しかし、それは反旗ではなく、患者にとって正当な旗のように思います。

患者が正しい知識を持つ以外に、日本の医療制度を適正に戻す方法はないのかもしれません。


[ 2014/05/30 07:00 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『日常の偶然の確率』ティム・グリン=ジョーンズ

「日常の偶然」の確率: あなたが本当の父親じゃない可能性から犯罪の遭遇率まで数字にしてみた「日常の偶然」の確率: あなたが本当の父親じゃない可能性から犯罪の遭遇率まで数字にしてみた
(2013/02/20)
ティム グリン=ジョーンズ

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本書には、人生で遭遇しそうな出来事の確率が記されています。「おやっ!」と思うものから、「なるほど!」と思うまで、豊富な事例が満載です。

その中から、自分の人生に起こりうるかもしれない確率の箇所をまとめてみました。



・オランダ男性の平均身長は183cmだが、100年前には、男性の4分の1が157cmより低かった。これほど急激に身長が伸びた背景には、食生活の大幅な改善がある

・世界の宗教は、「キリスト教3人に1人」「イスラム教4人に1人」「ヒンズー教8人に1人」「中国の民俗宗教17人に1人」「仏教17人に1人」「民俗宗教25人に1人」「新興宗教50人に1人」「シク教277人に1人」「ユダヤ教455人に1人」「精霊信仰524人に1人」

・毎年、地球上で175人に1人が高所から落下して治療を受け、そのうち1%以上が命を落としている

・アメリカの漁師の500人に1人が、毎年仕事中に亡くなっている

小型飛行機の操縦は、常に危険な職業の上位。毎年1750人に1人のパイロットが仕事中に死亡している

屋根の工事に従事する人は、年間で2900人に1人が仕事中に亡くなっている

・オリンピックに参加した選手は、世界の人口の60万分の1.オリンピックに参加して、金メダルをとる確率は2200万分の1の確率

危険なスポーツの死亡率。ハンググライダーは11.6万回飛んで1人。スキューバダイビングは20万回潜って1人。ロッククライミングは32万回登って1人。スキーは155.7万回行って1人

・世界に100万ドル以上の資産を持つ人が700人に1人

・IQ(知能指数)130以上の天才は50人に1人。IQ160(アインシュタインのレベル)を持つ人は3万人に1人。IQ172以上の人は世界で7000人、100万人に1人の確率

・オーストラリアで犯罪の被害者になるのは、1年に3人に1人。スコットランドで暴行を受けるのは、1年に60人に1人。南アフリカで殺されるのは、1年に3000人に1人

殺人事件の被害者になりやすい国。南アフリカ1500人に1人、エルサルバドル1600人に1人、コロンビア1900人に1人、コートジボアール2000人に1人、グアテマラ2400人に1人

・人口比で警察官の割合が高い国。イタリア180人に1人、ドイツ345人に1人、南アフリカ360人に1人、アメリカ455人に1人、オーストラリア500人に1人、イギリス500人に1人、日本555人に1人、カナダ560人に1人、インド1000人に1人

死刑の多い国。イラン21万人に1人、サウジアラビア27万人に1人、中国77万人に1人、パキスタン469万人に1人、アメリカ816万人に1人

肥満大国(BMI値30以上の割合)。サモア94%、キリバス82%、アメリカ67%、ドイツ67%、エジプト66%、ボスニア・ヘルツェゴビナ63%、ニュージーランド63%、イスラエル62%、クロアチア61%、イギリス61%

・アメリカ人の175人に1人が年に美容整形手術を受けている。420人に1人が豊胸手術を受けている

生物に襲われて命を落とす確率。蚊100分の1、ヘビ1500分の1、ハチ5万分の1、サソリ20万分の1、虎20万分の1、象30万分の1、ライオン30万分の1、カバ65万分の1、クラゲ100万分の1、牛100万分の1、ワニ116万分の1、犬500万分の1

・1人のアメリカ人が死ぬ確率。心臓病5分の1、交通事故100分の1、自殺121分の1、銃殺325分の1、溺死9000分の1、飛行機の墜落2万分の1、洪水3万分の1、地震13万分の1、隕石の衝突50万分の1、落ちたココナツに当たる65万分の1

宇宙人に誘拐された経験があると答えたアメリカ人は、何と500人に1人。エクソシストが300人前後いるイタリアで、悪魔祓いを求める人は1万人に1人以下



死ぬ確率など、あまり想像したくないものですが、注意喚起のため、安心のため、本書の確率を読んでおいても損はないように思います。

死ぬ確率の高いところには、できるだけ、「危うきに近寄らず」かもしれません。


[ 2014/05/23 07:00 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『外でも粗食・「外食」を「害食」にしないための方法』幕内秀夫

外でも粗食外でも粗食
(2011/07/26)
幕内 秀夫

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幕内秀夫さんの著書を紹介するのは、「1食100円「病気にならない」食事」に次ぎ、2冊目です。健康のため、食事に気をつけようとしても、外食の回数が多いと、やる気を失せてしまうものです。

本書には、外食でも、健康的な食事を維持する方法が書かれています。外食の多い方には朗報です。その具体的方法について、まとめてみました。



自然界のものならば、食べる量にも限界があるが、こと精製食品でおいしく味付けされたものにいたっては、お腹が空いていなくても食べられてしまう。こうして、歯止めが利かなくなり、生活習慣病やメタボ、婦人科系疾患の増加につながっていく

・歯止めが利かなくなるという点で、精製食品はアルコールと同じ

・人間と動物との最大の違いは、「母乳」が甘いということ。これは、母乳に含まれる「乳糖」が甘いから。乳糖は炭水化物の一種。つまり、人間は、生まれながらにして、炭水化物を欲し、主成分にして生きる動物

・「明日も行きたい」と思う店は、体にもいい店

・早食いになると、濃厚な味の食べ物をどんどん欲するようになる。あわただしい店を選んではいけない

・換気扇が汚いということは、フライパン料理が多いということ。つまり、揚げ物や炒め物など、油だらけの店。換気扇の汚れた店には入ってはいけない

・外食メニューを選ぶときは、精製食品、中でもマヨケソ(マヨネーズ、ケチャップ、ソース)をいかにして避けるかが重要

・野菜の「煮物」、「和え物」、「お浸し」の多い店を選ぶこと。これらの料理が多い店は、間違いなくおいしい。店の質を見極めるリトマス試験紙になる

・「何を食べるか」より「何を食べないか」から考える。メニューの選び方としては、「砂糖、油、うま味調味料、マヨケソをいかに避けるか」が重要になる

・健康志向の人は、寿司屋では、アジやサンマ、サバ、イワシ、コハダなど青身の魚を食べたらいい。避けたいのは、ハマチやヒラメ、タイなど、養殖が多い白身魚

・そば・うどん屋は、総合的に見ても、良い外食。ところが、悲しいことに、女性は「野菜が少ない」という理由で避ける。たしかに、野菜は少ないが、それ以上に、体に摂り入れたくないものが少ないから、健康によい

・工場製品は、長期輸送、長期保存を可能にするため、防腐剤などの添加物を使用する場合が多い

・コーヒーは神経系に効く薬物の一種。強力な興奮剤であり、軽度の常習性がある。その作用は、タバコやアルコールと同じ。また、チョコレート(ココア)も、神経系に効く薬物

・アルコールをそれほど飲まず、タバコを吸わない人は、甘いお菓子を好む人が多い。スイーツもアルコールやタバコと同様、とても依存性が高いもの

・ファーストフードは「外食」が「害食」になった典型。「精製穀物」「油」「砂糖」「うま味調味料」と、4種類の精製食品が含まれる。さらに悪いことに、ジュースや清涼飲料水など、砂糖をたっぷり含んだ飲料がセットでついてくる

・健康になるための「外食術」とは、「定食屋は家庭料理に近いメニューを選ぶ」「寿司屋は女性こそ利用すべき」「ファミレスは和食メニューに絞る」「居酒屋はひとりで行くべき」「弁当屋は油攻めに注意すべき」「コンビニではおにぎり、スーパーでは惣菜を選ぶべき」

・乳酸菌や食物繊維をたっぷり摂り入れたからといって、基本食である米を食べなければ、意味はない。野菜などで食物繊維を摂る人よりも、ごはんをしっかり食べる人のほうが便秘は少ない

・飲食店が、どんどん日常食から離れ、快楽を提供する場になりつつある。注意しないと、毎日が正月やクリスマス、忘年会のようになってしまう



外食は、月に1~2回なら、いいですが、外食が日常茶飯事なら、摂るメニューに注意しないと、健康な体を蝕んでいく恐れがあります。

そうならないためにも、本書に目を通しておく必要があるのではないでしょうか。


[ 2014/02/28 07:52 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『あなたのがんリスクを確実に減らす本』寺本研一

あなたの“がんリスク”を確実に減らす本 (らくらく本)あなたの“がんリスク”を確実に減らす本 (らくらく本)
(2013/08/22)
寺本 研一

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著者は、臨床医として、がんに関するさまざまな局面に立ち会ってきた方です。本書には、部位別の「がんにかかる可能性」「がん予防」「がんリスク減少法」が載っています。

がんにかからない体をつくるために、参考になります。その一部をまとめてみました。



膵がんは罹患率が低い「かかりにくいがん」だが、いざかかってしまうと、死亡率が高い「死にやすいがん」。つまり非常に怖いがん

・がんにかかる理由は大きく分けて4つある。「1.生活習慣(食事、肥満、煙草、飲酒、運動不足など)」「2.感染症」「3.環境因子(職業など)」「4.遺伝的要因(体質)」

・全部位のがんに対する男性の罹患率は、75歳までで28%、生涯で見ると54%に倍増する。女性は75歳までが20%、生涯になると41%。がんと言えば、働き盛りの40代、50代のイメージがあるが、実際には75歳以上の高齢者がたくさんかかっている

5年後死亡率が50%以上のがんは、「膵がん」「胆道がん」「肝臓がん」「肺がん」「食道がん」の順。がん患者割合10%以上のがんは、「乳がん」「胃がん」「大腸がん」「肺がん」「前立腺がん」の順。「死亡率の高いがん」と「かかりやすいがん」には特に注意が必要

胃がんにかかりやすい人「中高年の男性」「煙草は20歳のころから1日1箱」「塩分の高い肴で日本酒」「医者から胃粘膜が委縮していると言われた」「胃カメラの検査で、胃にピロリ菌がいると言われた」。だが、ピロリ菌に感染していなければ、とりあえず安心

大腸がんにかかりやすい人「腹回りが大きい」「酒好き」「肉、ハムが好き」「野菜嫌い」「運動不足」「定期健診で、メタボリック症候群または予備群と言われた」「大腸カメラ検査でポリープが見つかった」。だが、ポリープがなければ、とりあえず安心

肺がんにかかりやすい人「30年以上毎日の喫煙」「1日30本以上の喫煙量」「建設業や運業の仕事の関係で過去にアスベストを吸った」「咳が出るので医者に行ったら、肺気腫の傾向があると言われた」。だが、早期発見できれば、とりあえず安心

食道がんにかかりやすい人「中高年の男性」「フラッシャー(酒を飲むと顔が赤くなる)」大酒飲みで濃い酒が好き」「喫煙家」「熱い飲み物が好き」。だが、フラッシャー・飲酒・喫煙の3つがなければ、とりあえず安心

肝臓がんにかかりやすい人「太っていて高血圧」「ALT(GPT)の数値が高め」「酒は飲まないのにエコー検査で脂肪肝と言われた」「B型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルスに感染」。だが、B型・C型肝炎ウイルス感染がなく、ALTが30以下なら、とりあえず安心

膵がんにかかりやすい人「酒好き」「検診でメタボリック症候群と言われた」「軽い糖尿病で薬を飲んでいて、最近ヘモグロビンA1cの値が上がった」「親兄弟が膵がんで亡くなった」

乳がんにかかりやすい人「中高年女性」「初潮が早かった」「出産経験なし」「閉経が遅かった」「閉経後に太った」「母親が乳がんにかかった」

子宮頸がんにかかりやすい人「既婚中年女性」「早い年齢の性交渉」「18歳くらいで第一子出産後、続けて2人以上の子を出産」「結婚前のクラミジア感染」「最近、性交渉時にわずかな出血」。だが、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染がなければ、とりあえず安心

前立腺がんにかかりやすい人「高齢の男性」「家族や親戚に前立腺がんにかかった人がいる」

胆道がんにかかりやすい人「中年以後の女性」「太り気味」「以前から胆石があり、症状が出ないので放置していたが、最近痛みを感じる」

・がんリスクを確実に減らす方法は、「血液検査で、胃にピロリ菌がいたら除去する」「血液検査で、B型・C型肝炎ウイルス感染のチェック」

がんリスクを減らす食習慣は、「果物と野菜を毎日400g以上摂取、アリウム野菜と大豆製品の摂取」「緑茶を1日5杯以上(女性)」「赤身肉や加工肉を週500g以下に」「塩分は1日に男性9g、女性7.5g未満」「カビの生えた食品を摂らない」「高カロリー食品を控える」

がんリスクを減らす生活習慣は、「1日にビールはグラス2杯、女性は1杯まで」「禁煙」「やや早歩きの散歩を毎日30分以上」「BMI値を男性21~27、女性は19~25に」「糖尿病にならない」「充分な睡眠」



がんを一括りにせず、部位別の対策と対処法が書かれているので、注意もできますし、安心もできます。

高年齢になると、確実に何らかのがんと付き合っていかなければなりません。高年齢の健康な人におすすめの本でないでしょうか。


[ 2014/02/07 07:00 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『50歳を超えても30代に見える生き方・「人生100年計画」の行程表』南雲吉則

50歳を超えても30代に見える生き方 「人生100年計画」の行程表 (講談社プラスアルファ新書)50歳を超えても30代に見える生き方 「人生100年計画」の行程表 (講談社プラスアルファ新書)
(2011/10/21)
南雲 吉則

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「50歳を超えても30代に見える」には、20歳近く若返る必要があります。その具体的手法が本書に記されています。著者自身も、服装、髪型、体型なども若々しく、写真では「美魔男?」のように感じます。

医者の不養生ではないようなので、信頼できそうです。著者の見解の幾つかをまとめてみました。



肥満は6歳寿命が縮む。タバコを吸っている人も6歳。さらに、独身の男性は8歳、独身の女性は4歳。ほかにも夜更かしなどで睡眠が不規則な人は4年、暴飲暴食をしている人も4年縮む

・「都市型貧乏の人」(袋菓子やコンビニ弁当などで毎日を過ごしている人)は、10年寿命縮む

・森毅京大元教授の唱えた「二乗の仮説」(1の2乗、2の2乗、3の2乗、4の2乗・・・と、数字を2乗しながら並べていくと、個々の数字が体の節目)は、不思議なくらい人生の節目と重なってくる

・「2乗の法則」でわかる人生の分岐点とは、1歳まで(乳時期)、4歳まで(幼児期)、9歳まで(小児期)、16歳まで(思春期)、25歳まで(青年期)、36歳まで(若年期)、49歳まで(中年前期)、64歳まで(中年後期)、81歳まで(老年期)、100歳まで(長寿期)

・不摂生をすれば上皮が荒れる。これが「炎症」と呼ばれる症状で、「発赤」「疼痛」「発熱」「腫脹」「機能障害」という五徴(5つの徴候)が現れる

ガンは不摂生の結果、体を救おうとして現れたもの。だから、ガンになった後も、生活習慣を変えなければ、どんどん大きくなって浸潤・転移をするのは当たり前

・病気の50%が生活習慣に、25%が遺伝や免疫に、残りの25%が生活環境に関係していると言われている

・動物の肉の脂肪分やバター、ラードが室温で固まってしまうということは、血管の中でも固まる可能性があるということ。動物の脂が「飽和脂肪酸」と呼ばれるのに対し、植物油や魚の脂は、室温では固まらないサラサラとした油なので「不飽和脂肪酸」と呼ばれる

・ガンに効くサプリメントはない。効くのは野菜や果物の皮だけ

・心=精神年齢、美=美容年齢、体=肉体年齢。アンチエイジングの世界では、この三つの柱が指標になる

・肉体年齢は、血管年齢、年齢、内蔵年齢、筋肉年齢、関節の柔軟性の総和として現れてくる

・男性は閉経がないから、生涯にわたって「男」であることを維持していく必要がある。生殖能力を失わないことが若さの源

・毎日の食事の中で意識しなければならないのは、「丸ごと食べる」ということだけ。「丸ごと食べる」というのは、「完全栄養を摂る」こと。魚は骨ごと、腹ごと、頭ごと。穀物は全粒で。野菜は葉ごと、皮ごと、根っこごと、食べる

・延命遺伝子を働かせるためには、「腹八分目」でも多過ぎ。できれば「腹六分目」を目指すこと

・お酒は水銀やタバコと同じように「蓄積毒」。実は、一生の間で飲める酒の量は決まっている。男性は500キロ、女性は250キロ。日本酒4合(720mlアルコール度14%ならアルコール量100g)を毎日飲めば、13.7年で生涯飲酒量に到達する

・イギリス・ケンブリッジ大学の研究調査によると、「毎日30分程度の適度な運動」「野菜と果物を300g(こぶし5つ分)摂取」「飲酒の適度な抑制」「禁煙」をすれば、寿命が14年も長くなるという結果が得られた

・激しい運動は体にいいどころか「早死に」の原因。もちろん、ダイエットの効果もない

ふくらはぎこそが「第二の心臓」。歩くことによって、ふくらはぎの筋肉が収縮して、末梢に滞っていた血液を心臓へと送り返す。歩くことだけで、心臓に負担をかけずに、内臓脂肪が燃焼する



著者の言う若返り法は、いたってシンプルで簡単なものです。例えば、スポーツジムで運動することよりも、スポーツジムへの行き帰りを歩くことのほうが大事だとか。何でも丸ごと食べると、バランスのいい食事が自然と摂れるといったものです。

健康のことを考えれば、若く見えることに越したことはありません。今すぐ簡単に実践できそうに思えてきました。


[ 2014/01/03 07:00 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『100年続く老舗寝具店の店主が教える・最高の眠り方』大郷卓也

100年続く老舗寝具店の店主が教える 最高の眠り方100年続く老舗寝具店の店主が教える 最高の眠り方
(2013/02/21)
大郷 卓也

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著者は、老舗寝具店の店主で、睡眠の科学を追究されています。寝具の良し悪しだけにとどまらず、睡眠環境、睡眠時間、体温、呼吸、姿勢、ストレス、いびき、酒、水分と睡眠の関係など医学的な見地にも立たれています。

長い人生において、ぐっすり眠る術を身につけた人は、半分、成功を手中にしたのも同然かもしれません。この本には、ぐっすり眠るヒントが満載です。参考になる点が多々ありました。それらの一部を要約して、紹介させていただきます。



起きているときの姿勢が、そのまま寝姿勢につながり、起きているときの呼吸方法は、引き続き眠っているときにも継承される

・睡眠時間については気にする人が多いが、睡眠の質の善し悪しについて意識する人はあまり多くない。本当に大切なのは、どれだけ眠ったかではなく、どんなふうに眠ったか

・睡眠の質を上げるには、「寝姿勢」「呼吸」「寝具」「適度な運動」の4つを改善する必要がある

眠りに関する悩みワースト5は、第1位「肩が痛い」、第2位「夜中に目が覚める」、第3位「寝付きが悪い」、第4位「腰が痛い」、第5位「疲れがとれない」

・手足などの部分冷えに悩んでいる人は、たいてい不眠に悩まされていたり、眠りの質が低くて、慢性的な疲れを感じている。冷えと不眠の間に相関関係がある

・女性の睡眠の質は、出産・子育てによって著しく低下する。その理由は、妊娠から出産、幼児期までの習慣から生まれる、眠るときの横向きの寝姿勢にある

・健康な体のためには、正しく整った呼吸をする習慣が大切。睡眠時の呼吸は、無意識に行われるものだが、大切なのは、意識して鼻呼吸すること。口で呼吸をすると、口の中が渇き、朝起きたとき、喉がヒリヒリしたり、声が出にくくなったりする

・骨や筋肉の成長を助ける成長ホルモンは、眠っている間に分泌される。成長ホルモンが最も多く分泌される時間帯が、午後10時から午前2時までの間

・人は眠りにつくとき、0.5度ほど体温を上げてから、少しずつ下げていく。そのときに眠りに落ちる。これは、日中酷使した体を冷やして休めるため、体内の熱を体表に出す生理現象

・「太陽の光」「適度な運動」「規則正しい生活」の三つをきちんと取り込んでいれば、セロトニンが機能し、良い眠りを手に入れることができる

・体や心の不調は、実は全部つながっていて、その源流をたどれば必ずストレスに行き着く。そのストレスをたどれば睡眠障害につながる

・女性が長年横向き寝を続けていると、鎖骨が体の重みに引っ張られ、弓なりに湾曲してきてしまう。寝る姿勢はあくまでも仰向けが理想

・敷布団は「筋肉と同じくらいの柔らかさ」のものがベスト。これは、体と布団の間のすき間に、手がスッと入らないくらいのへこみ具合

・寝ていて寒さを感じる原因は、掛布団ではなく敷布団にある。敷布団が暖かい空気を含むことができない状態になっている。敷布団はふっくらとしたものがよい

・頭ばっかり使って、肉体がそれに伴う疲れ方をしていないときには、眠りについた直後から、夢ばかり見ることになる。目覚めもすっきりせずに、おかしな夢を見たという気持ちだけが残る

・不眠で悩む人の体は、一様に背骨のわきの筋肉が硬くなっている

・眠れない人に質問すると、高確率で「湯船に入らない」と言う。シャワーで済ませる人が多い

ぐっすり眠るためには、「仰向け寝」「鼻呼吸」「適正な寝具」「安眠のための適度な運動」睡眠時の4つの習慣が必要

枕の高さは、「1~2cm」(一般女性)「3~4cm」(一般男性)「5~7cm」(高めの枕に慣れている人、体格のいい人)がおすすめ。でも、敷布団の硬さで枕の最適な高さも変わる。敷布団との組み合わせが重要



何がいい睡眠かは、個人差があるように思います。自分に合った睡眠を見つけ、ぐっすり眠ることができれば、人生は3分の1充実したことになります。

本書は、自分に合った快適な睡眠を試行錯誤しながら、見つけ出していくのに最適な書ではないでしょうか。


[ 2013/11/03 07:00 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『「自己の免疫力」で病気を治す本』安保徹、岡本裕

「自分の免疫力」で病気を治す本「自分の免疫力」で病気を治す本
(2011/05/14)
安保 徹、岡本 裕 他

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岡本医師の本を紹介するのは、「9割の病気は自分で治せる」に次ぎ、2冊目です。本書は、安保教授との共著です。今回のテーマは「医師と薬に頼らない」方法です。

医薬業界にとって知られたくないことを、医療の現場にいるお二人が、あえて禁断を犯して発言されています。本書は、金まみれの医療に患者が巻き込まれないための書です。興味深い点が多々ありました。それらの一部を要約して、紹介させていただきます。



・ストレスによって生じる「低体温・低酸素・高血糖」が「エネルギー生成系」(解糖系とミトコンドリア系の二本立て)に影響して、発ガンさせる(安保徹)

・酸素を使い、37℃以上でないと働けないミトコンドリアにとって「低体温」「低酸素」は過酷な環境。この状況が続けば、ミトコンドリアの働きが停止し、エネルギー不足に陥る。具体的症状として、疲労感や倦怠感が出てきて、動きたくないという感じになる(安保徹)

・ガンは特別な病気ではない。不健康な状態がずっと続いたときに糖尿病や高血圧などの慢性病が待っていて、その延長線上にガンがある(岡本裕)

深呼吸する食べすぎない体を温めるといった原則さえ守れば、あとは、ケース・バイ・ケースで、ガンが治った人の話を参考にし、自分が信じたものをやればいい(岡本裕)

・定期的に通っている老人ホームでも、薬を飲んでない人は元気。飲んでいる人は、どこか体調が悪い。じっくり話して、不必要な薬はどんどんやめてもらう(岡本裕)

医療費破綻を回避するには、慢性病治療薬を保険の点数から外せばいい。高血圧、糖尿病、高脂血症、メタボリックシンドローム、カゼ、腰痛の薬を自費にすること(岡本裕)

・炎症は組織修復に欠かせない治癒反応。ステロイド剤の長期使用で、ミトコンドリアのエネルギー生成を抑えてしまうと、炎症を起こせなくなり、やがて寿命を縮める(安保徹)

・医師に課せられた暗黙のノルマは、できるだけ大勢の患者を診て、できるだけ検査をオーダーし、できるだけ多くの薬を処方すること。そんな薄利多売の医療業界に身を置いている医師たちは、ルーチン(日常業務)に追われて、疲弊するばかり(岡本裕)

患者の95%は、カゼ、肩こり、腰痛、頭痛、便秘、高血圧、糖尿病、ぜんそく、不眠、アトピー性皮膚炎、心身症、うつ、肥満、高脂血症など、カゼ以外は慢性病。これらの患者に最低限の薬と検査だけ行っていたら、病院内で絶え間ない逆風にさらされた(岡本裕)

・病院経営者にとって、慢性病ほどコストパフォーマンスのいい病気はない。よほど悪化しない限り、命にかかわらないので、医療裁判はなく、さりとて完治する見込みもない。慢性病の患者に、通院の必要性を説けば、「おいしい患者」になる(岡本裕)

自己治癒力を低下させる原因は、心身にかかるストレス、食事や睡眠などのバランスの乱れ、働きすぎなど、その人の生活そのものにある(岡本裕)

・疲れやすい、体が重い、だるい、目覚めが悪い、肩こり、便秘、手足の冷え、食欲がない、頭痛、腰痛、視力の低下、顔色が悪い、眠れないなどの「サイン」が現れた段階で、心身をいたわれば、自己治癒力も回復し、早ければ1週間で体調がよくなる(岡本裕)

・血液には、熱を運ぶという重要な役割がある。血流が悪くなると、熱の運搬が滞るため、低体温になる。体温は、健康を保つために、最も重視しなければならない(安保徹)

・病気の7割は無理を続けた生き方、3割は持てる力を十分に使わない生き方が原因で発症する。前者は、ストレスから逃れ、心身をいたわること。後者は、まず体を動かし、交感神経を刺激することで、治癒を高める(安保徹)

・熱が高くなると、体がだるくて動けなくなり、「病気がどんどん悪化するのでは?」と思いがちになる。寝込むのは、体を省エネモードにして、余剰のエネルギーを修復に向けるための体の反応。だるさにも病気を治す積極的な意味がある(安保徹)

かゆみを解消するには、体の排泄反応を応援してあげること。体操や散歩などで、体を動かし、入浴で体を温めれば、血流がよくなって毒出しが進み、かゆみも治る(安保徹)

・消炎鎮痛剤を日常的に使う人は、慢性的な交感神経緊張状態に陥り、新たな病気に見舞われる。湿布薬を貼り続けると、不眠、便秘、高血圧になることが多い。その他、高血糖、胃もたれ、胸やけ、手足の冷え、頭痛、生理痛、便秘などの不調が起こる(安保徹)

・薬をやめた人ほど元気になる。病気の9割は「命にかかわらない病気」。自助努力で治せる。にもかかわらず、病気が治らないのは、薬に頼り、薬の害を受け続けるせい(岡本裕)



国民医療費は増大していくばかりです。税金泥棒(タックスイーター)にならないためには、むやみに医者にかからないことです。そして、慢性病にさせられないことです。

本書は、日本の医療制度の「常識」に反する内容ですが、どちらが賢明なる行為なのか、よく考えてみる必要があるのではないでしょうか。


[ 2013/07/21 07:00 ] 健康の本 | TB(0) | CM(1)

『大便通・知っているようで知らない大腸・便・腸内細菌』辨野義己

大便通 知っているようで知らない大腸・便・腸内細菌 (幻冬舎新書)大便通 知っているようで知らない大腸・便・腸内細菌 (幻冬舎新書)
(2012/11/30)
辨野 義己

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著者は、今までに、世界各地から6000人分の大便を集め、観察して、腸内細菌を数々発見されてきた研究者です。

まさに、大便のプロ、つまり「大便通」です。世界的に見ても珍しいウンチの大家である著者が、大便についてのウンチクを披露されているのが本書です。興味深い点が多々ありました。それらの一部を紹介させていただきます。



・大便の大部分は水分が占めている。下痢の場合は90%以上が水分だが、普通の健康な大便でも重量の80%は水分。どんなに硬くても、その半分以上は水

・大便の固形成分の3分の1は食べカス、3分の1は腸粘膜のはがれカス、残る3分の1が腸内細菌

・水分を除いた大便1gの中には、6000億個~1兆個もの細菌が含まれている。しかも、すべてが同じ細菌ではない。腸内に棲息する細菌は1000種類以上と考えられている

・口から肛門までつながる消化管は、全長8~9m。胃に入った食べ物は、1食分およそ4時間かけて、小腸(全長6~7m)に送り込まれる

・小腸の役割は消化と吸収だけではない。外部から侵入した異物に真っ先に反応し、免疫活性化の臓器として機能する。そのため小腸の働きが弱まると、風邪をひきやすくなったり、疲労が溜まりやすくなる。どんな動物も、小腸に病気を抱えると、長生きできない

・小腸から大腸に送り込まれる内容物は、1日に約600ml。大腸では、そこから水分とミネラルを吸収し、マグネシウム、カルシウム、鉄などを排泄する。それが大便として排泄されるまでの所要時間は、約12時間~48時間

・大腸を通る内容物には「発酵」か「腐敗」かのどちらかが起きる。どちらも微生物による分解作用だが、人体に有益なものが「発酵」で、有害なものが「腐敗」

・「臭い」がきつくなるのは悪玉菌の特徴の一つ。肉をたくさん食べる人の大便によく見られる。オナラに含まれるガスの成分は、腸内に悪玉菌が少ない場合は、窒素、二酸化炭素、水素、メタンガスが大半を占めている。これらは、臭いはほとんどない

・典型的な大便の色は、黄土色や茶色。これは脂肪の分解・吸収に使われる胆汁による色づけ。肉を食べすぎると、悪玉菌が増殖して腐敗が進み、大便は黒っぽくなる。そんなに肉を食べていないのに、黒色の大便が出たとしたら、腸内での出血を疑ったほうがいい

・大便は、便意をもよおしたときに出すのが一番。ただし、排便を促す直腸の蠕動運動は、1日に1~2回程度しか起きない

・下剤を使っても2週間に1回しか大便が出なかった女性たちに、ヨーグルトを毎日300gずつ食べさせたら、効果てきめんだった。およそ1週間程度で、大便が出るようになった

・大便がたくさん出れば、有害物質もそれだけ体外に排出される。とくに食物繊維は、ほかの食べカスよりも有害物質を効率よく吸着するので、おなかの中を掃除してくれる

・死亡数1位はがんで30%。そのがんの中でも、男性は肺がん、胃がんに次ぎ、大腸がんが第3位。女性は大腸がんが第1位。大腸がんは顕著な増加傾向を見せている

・精神的ストレスによる下痢や便秘に悩んでいる人は、「過敏性腸症候群」の疑いがある。腸内に悪玉菌が多いところに、ストレスが加わり、善玉菌が減って腸内環境が悪化する

・肥満の人は、痩せている人よりも腸内細菌のバクテロイデス類が少なく、ファーミキューテス類が多い。腸内細菌の種類によって、人間が太ったり痩せたりする

・あまり息むことなく、ストーン、ストーンと楽に出ることも「良い大便」の条件。また、便器の底に沈むような便は水分が少なく、あまり健康的でない

・大便をチェックするときの重要なポイントは「色」と「臭い」。色は黄色がかった褐色がベスト。これは腸内にビフィズス菌が多い証拠。悪玉菌が多い大便は、思わず息を止めてしまうような腐敗臭を発し、黒みが強くなる

・「ヨーグルトをトッピングしたサツマイモ」は、理想的な大便を出すのに、もってこいのメニュー。サツマイモは、ヨーグルトに欠けているビタミン類、カリウムや食物繊維を多く含んでいる上に、ナトリウムの抑制作用もあるので、高血圧の予防にも役立つ


本書を読むと、大便は健康のバロメーターになるとともに、簡単にチェックできる、大変便利なツールであることがわかります。

ストレス、風邪、疲労、肥満といったものだけでなく、がんのチェックにも大便の観察が有効なようです。大便通になることが、健康通になる近道なのかもしれません。


[ 2013/03/16 07:03 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『なぜ人は砂漠で溺死するのか?』高木徹也

なぜ人は砂漠で溺死するのか? (メディアファクトリー新書)なぜ人は砂漠で溺死するのか? (メディアファクトリー新書)
(2010/08/25)
高木 徹也

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著者は、5000に及ぶ不審死体を解剖してきた法医学者です。本書は、豊富な実績をもとに、不慮の死の原因を詳しく論じるものです。

私たちの身の回りにある死の危険を回避するためにも、本書に目を通すことは重要だと思います。その貴重な内容の一部を、要約して紹介させていただきます。



・「風呂溺」とは、風呂場における溺死の意味。監察医・検案医として日頃接している突然死のカテゴリーでは、風呂溺が圧倒的に多い。特に、冬場における中高年男性の突然死第1位は間違いなく風呂溺

・満腹かつアルコールの入った状態で、お風呂に浸かると、ふーっと眠くなる至福の瞬間がある。それは、眠気に襲われているのではなく、気絶しかけている。医学用語で、「一過性脳虚血」という症状。意識が遠のくのは、一瞬、死に近づいていると考えたほうがいい

・日本では、風呂溺で年間1万人以上死んでいると推定される。交通事故で死ぬより、風呂場で死ぬ確率のほうが2倍高い。日本は、風呂溺大国

・鼻や口から水が流入して、完全に窒息したら、タイムリミットは5分。無酸素状態が5分以上続くと、脳が回復不能のダメージを負ってしまう

・睡眠薬中毒による風呂溺は、比較的若い人に多い。1錠飲んでも効かなかったので、もう1錠飲んで、寝る前に温まろうと入浴するうちに、いつの間にか薬が効いてくる。仕事が忙しい不眠症傾向の女性などに多いパターン

大動脈解離で突然死した人の遺体には湿布薬が貼られていることが多い。貼られている場所は、左の肩甲骨のあたりで、背中の中心線より少し左側。そこに上下2枚貼ってある。家にある湿布薬を「背中が痛いから貼ってくれ」と、奥さんに貼ってもらうケースが多い

・心臓には知覚神経が通っていないから、心臓がボロボロになっても、心臓自体に痛みを感じない。しかし、「放散痛」といって、別の部位に痛みとして現れる。心筋梗塞の際の放散痛は、主に左肩や左上腕部に現れる。体のほうで、「心臓が危ない」と、シグナルを送る

・遺体の腰の部分に湿布薬が横向きに貼られていたら、膵炎の可能性がある。膵炎を発症している状態は、膵臓と密接な関連がある肝臓にも、重大な異変があることが疑われる

・心筋梗塞の放散痛がもっとも出やすいのは、みぞおちの部分。自覚症状は「おなかが痛い」「気持ちが悪い」「吐き気がする」など。心臓は横隔膜の上に乗った状態で、横隔膜は腹膜に接している。そのため、敏感な腹膜が、心臓付近の障害をおなかの痛みと感じる

ポックリ病で死亡するのは、決まって、日頃から多忙な人。証券会社や広告会社の営業マン、新聞記者、刑事、病院勤務の医師や看護師など、仕事の時間が不規則で、しかも非常なストレスにさらされながら働いている人が多い

・青年突然死症候群には、脂肪肝を持っている死亡者が比較的多い。しかも、この脂肪肝は、なぜか「非アルコール性脂肪肝」が多く、「メタボ」が関係している

・山では、人の体温を奪う。気温が10℃でも、毎秒10mの風速の「対流」があれば、体感温度は0℃まで下がる。また、冷たい石や岩に体が接する「伝導」で、体温も奪われていく

・細菌やウイルスに感染したときには、体を発熱させてしまったほうが、体内に侵入した異物を殺せる。ただし、脳は守らなければならない。頭だけはギンギンに冷やすこと

・死後損壊の一種として、動物や虫に死体が食われることを「蚕食」という。山林に遺棄された死体は、動物によく食われる。屋内でも、ネズミや虫に食われることがある

・どんなに喉が渇いても、海水を飲むと死を招く。海水を飲むと、赤血球が壊れ、赤血球のカスが腎臓に溜まり、目詰まりを起こし、腎不全の状態になる。どうしても、水分補給したいなら、おしっこを飲むほうがずっと安全。

・自宅以外のもの珍しい場所でコトに及ぶと、男性はどうしても、必要以上に興奮する。そして、歳も顧みずにハッスルし、自らの肉体を酷使してしまうのが腹上死のパターン

・「性交渉の相手は、どんなに若くても、年齢差二回り(24歳)以内に留めておくべき」という、法医学者が書いた論文もある

・性行為中や自慰行為中に男性が急死する場合、どの事例にも共通するのは、死ぬのは決まって射精した後。興奮が高まっていく途中で死亡した例はない。射精するまで死ねないのか、射精後に気が抜けて死んでしまうのか、いずれにしても、男性は悲しい生き物



不審死体という事例から、さまざまなことの原因が見えてくることがわかります。死体が、われわれの日常生活に、警告を発してくれているのかもしれません。

日頃の健康維持対策として、体の予防策として、本書の知識は役に立つのではないでしょうか。


[ 2013/01/19 07:02 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『こころの免疫学』藤田紘一郎

こころの免疫学 (新潮選書)こころの免疫学 (新潮選書)
(2011/08)
藤田 紘一郎

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藤田紘一郎東京医科歯科大名誉教授の本を紹介するのは、「不老の免疫学」「腸健康法」に次いで、3冊目です。役職や肩書はお堅いですが、カイチュウ博士として、本の執筆も数多くあり、たくさんのファンがいらっしゃる方です。

今回紹介する本は、腸と心の関係を真面目に研究されているものです。腸と心の関係は、知らなかったことの連続で、参考になることが多々ありました。それらの中から一部を紹介させていただきます。



・この10年間で2倍以上増えた疾患は、アトピーや喘息などの「アレルギー疾患」と、うつなどの「こころの病」。これらの病気は、50年前の日本にはほとんど見られなかった。現代日本人の免疫力低下が急激に低下したことが原因と考えられる

・イタリアには公立の精神病院に通う患者は一人もいない。また、アメリカ、イギリス、フランスなどの先進国では、精神科の病床が急激に減少している。しかし、日本では増え続けている。これは、「こころの病」が精神科任せにされていることを象徴するもの

「セロトニンなど脳内で幸せを感じる物質の前駆体の95%は腸で作られている」(コロンビア大学マイケル・D・ガーション教授)。つまり、笑いやうれしさを感じることが少なくなったのは、腸内細菌の減少が関係していると言える

・私たちの免疫力のおよそ70%は腸内細菌が握っている。免疫力を高めるには、穀類、豆類、野菜類などの植物性食品、特に腸内細菌が住みやすい環境を作り、そのエサとなる食物繊維を多く摂ることが必要

・「糞尿は水に浮かぶのがよい。食物繊維が多ければ、ガスが発生するから浮かぶ。そして、数分後に沈む」(辻啓介・兵庫県立大学名誉教授)。糞尿の比重は、食物繊維を多く摂っている場合、1.045から1.067。この比重なら水に沈むが、実際はガスが発生して最初は浮く

・「メキシコ人はなぜハゲないし、死なないのか」の著者明川哲也さんは、世界各国のたんぱく摂取量における豆類の比率と自殺率を比較している。その結果、食物繊維を多く摂るメキシコの自殺率が低く、食物繊維の摂取量の低い「便秘国家」が自殺大国だとわかった

・中国科学院の金教授は、農場の豚に乳酸菌を混ぜたエサを与える研究を始めた。その結果、2~3週間後、豚のさまざまな病気が治りはじめ、おとなしく、人になつくようになり、豚舎の臭いも減った。乳酸菌を与えた豚とそうでない豚と、驚くほどの違いが現れてきた

・ドーパミンは「幸せを記憶する物質」。逆にドーパミンが足りないと、悪いことばかり思い出すようになる。セロトニンやドーパミンを脳内に増やすには、たんぱく質と腸内細菌が必要。そして、ストレスを受けないようにすることも大切

・うつ患者は脳内セロトニン量が少ない。血液中のセロトニン値が低い人は、コレステロール値も低い。これは、コレステロールが少ないと、うつ病になりやすいことを示している

・「こころの病」で苦しんでいる人たちは、食材の好みが偏っている特徴がある。たとえば、一日にコーヒーを何十杯も飲む人、白米やパンなど糖質が大好きな人、砂糖の摂取量が異常に多い人など。若い女性患者には、ダイエットに取り組んだ経験のある人も多い

・精神障害がある場合、ともすれば「生きるという苦労を忌避した状況」になりがち。治療の基本は、「病気をよくする」というよりも、むしろ「苦労できるようにする」という、世間で考えられている逆の方法をとるとよい

・可愛がってもらえない子供は発育が遅れ、身長や体重が増加しない。これは、「優しさ」という感性の情報が欠如することによって、こころのプログラムが円滑に作動しなくなり、成長ホルモンの分泌や食べ物の消化や吸収がうまくいかなくなることを意味する

・人類が「よかれ」と思って作り上げてきた文明社会は、実はストレスに満ち溢れるもの。過酷なストレスが「優しさ」を奪い去り、私たちの神経系・内分泌系・免疫系による個体制御システムを破綻に追い込んだ。その結果、私たちの免疫力は低下してしまった

・現代日本人の食物摂取量は、戦前の半分以下。アメリカ人の野菜摂取量は年々増加しているのに、日本人は低下し続けている。日本人の糞便の量は戦前の40%近くまで減った。野菜や食物繊維は、腸内細菌が大好きな餌、そして、糞便の半分は腸内細菌

・日本人の腸内細菌は餌不足のために、急激に減少した。その結果、セロトニンやドーパミンという「幸せ物質」が脳に届かなくなり、うつ病などの「こころの病」が増えた

・免疫の70%は腸内細菌が作り、残り30%にこころが関係している



私も、強いストレスを感じたとき、腸が緩み、下痢気味になることがあります。したがって、ストレスと腸の関係はあると分かっていましたが、逆に、この本によれば、腸の状態が悪いと、ストレスが生じることもあるようです。

本書を読み、「心」と「腸」の密接な関係を知り、腸をもっと大切にケアすることで、こころの病もケアすることができるのではないでしょうか。


[ 2012/12/01 07:02 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『心の部屋の片付けかた』ルーシー・ダンジガー、キャサリン・バーンドーフ

心の部屋の片付けかた心の部屋の片付けかた
(2011/10/04)
ルーシー・ダンジガー、キャサリン・バーンドーフ 他

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著者は、アメリカで600万部の発行部数を誇る女性誌の編集長です。雑誌に送られてくる女性の悩みの数々を、どうしたら解決できるのか、精神科医に相談しながら、まとめ上げたのが本書です。

本書の特徴は、悩みの項目を家の部屋にたとえて、9部屋を巡ることで、解決していこうとしていることです。参考になった点が数多くありました。その一部を要約して、紹介させていただきます。



・幸せをまんまと奪っていくのは、ついイラッとくるようなちっぽけな出来事である場合が多い。体重の悩み、友達とのいざこざ、家族との口論、お金の悩み、母親や兄弟、恋人、上司とのごたごたが、後ろめたさや後悔や渇望、不安を生み出している

・ポジティブな気分でいることは、体型を維持すること、無駄遣いしないこと、健康的な食事をすることと同じで、訓練である

・「自分の幸福のオーナーは自分だけだ」と自覚すること。あなたはかわいそうな被害者ではないし、ことの成り行きの産物でもない。責任者である

・心を部屋にたとえることは、目を開かせてくれる。まず、各部屋にふさわしい感情や行動を書き込んでいくこと

1.「ベッドルーム」(愛、欲望、性生活を探求する場所)
2.「バスルーム」(健康、幸福、体型、老化といった問題に対処する場所)
3.「ファミリールーム」(家族、親族など近しい人たちと接する場所)

4.「地下室」(子供時代の思い出が詰まった場所)
5.「リビング」(仲間や隣人など、社会的なつながりを持つ場所)
6.「キッチン」(心の栄養や感情面でのサポート、家事の分担を話し合う場所)

7.「子供部屋」(子育てにまつわる場所)
8.「仕事部屋」(仕事やお金や経済的な安定を考える場所)
9.「屋根裏部屋」(ご先祖様の期待や願いを考える場所)

・心の家の建て方は、他にもたくさんある。部屋の数や用途が違っていても、自分にしっくりくる家であればいい。人生に役立つ心の家を描くこと

・10番目の部屋は、考えごとをしたり、瞑想したり、ボーっとしたり、好きなことをしたり、一人の時間を楽しむ場所。この10番目の部屋には、定期的に通うべき。人には、思いにふけることができる「心の空間」が必要

・「幸せになるには、九つの部屋をすべて片付けなくては」と思う必要はない。どの部屋もすっきり片付いているなんて人はどこにもいない。きれいな部屋は、一つだけでも十分

・ガンから生還した女性の大半が口にするのは、死に直面して学び取った厳しい教訓も、時と共に薄れていくということ。治癒した暁には、もとの性格や行動パターンに戻っていく。これは、幸福の設定値が元に戻るということであり、人が生きるためのメカニズム

不幸せな女は、常に幸せでなくてはと思い、幸せな女は、不幸せな時だってあると思う

・バックミラーを見ながら運転していたら、必ずぶつかってしまう。前に進むなら、過ぎた風景ではなく、目の前の道路に集中すること。バックミラーはちらりと見て参考にすればいい

・心のリビングルームで大事なことは、つながり合い、進化し、耳を傾け合うことであって、張り合うことではない。誰かをうらやんだり、自分と比べたり、自分を与えすぎる場所ではない

・心の仕事部屋では、どんな仕事をしているにしろ、目的を理解すること。お金を稼いで家に持って帰ることでもいい。目的がわかれば、ツキのない時期にも、退屈な作業にも、出世の階段を巡る対立にも耐えられる。目的が見つかれば、毎日がもっと有意義になる

・心のバスルームでは、自分の内側も外側も大切にすること。自分をありのままに受け容れるゆとりが生まれたら、美しさは内面からにじみ出てくる。鏡は便利なものだけど、本当のあなたを映していない。安っぽい一枚のガラスにすぎないと心に留めておくこと

・心のキッチンでは、「これがなぜ、私にとって大切なのか」と自問すれば、ありきたりの用事に意味を見出せる。散らかった部屋から目をそらした方がいい日もある。ぬくもりは清潔に勝る。部屋は、そこにいて、楽しむことであって、完璧に片付けることではない



心の中に用途別の部屋を設け、その部屋を訪ねてみることは、自問自答、気づき、反省するのに最適です。参考になりました。

すべての心の部屋を完璧にしようと意気込むと、息切れしてしまいます。ゴミ溜めのような納戸や押し入れもあっていいと思います。また、開かずの部屋をつくってもいいと思います。

自分なりに工夫して、心の部屋をつくっていくことが大事なのではないでしょうか。


[ 2012/10/11 07:01 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『太陽を浴びれば医者はいらない』宇都宮光明

太陽を浴びれば、医者はいらない太陽を浴びれば、医者はいらない
(2010/09/25)
宇都宮 光明

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最近、紫外線を浴びると皮膚ガンになるといって、日光浴を悪者のように言う風潮があります。私が小さかった頃は、陽に当たると健康にいいと教えられていました。ある意味、太陽光線が「風評被害」にあっているように思います。

なぜ、急に変わったのか?UVカットは本当にすべきなのか、疑問に思っていました。その疑問を解決してくれたのが、この本です。

著者は、医学博士で、光線療法研究所の所長をされている方です。太陽光線を浴びることが健康にいいことを実証されています。

太陽と人間の関係を問い直すのに、参考になった箇所が随分ありました。「本の一部」ですが、紹介させていただきます。



・古代ローマ遺跡の「カラカラ浴場」は、いわば「日光浴場」。一度に大勢の人たちが集まって日光浴した、巨大な社交場であった

・皮膚ガンで亡くなった例は、日本ではほとんどないのに、日焼けすると、メラニン形成細胞のDNAに傷がついてシミになり、それがひどくなると皮膚ガンになるというのが常識になっている

・生き物が生きていく上で必要なものは、「水」「酸素」「太陽光線」。これら生命の三大要素がバランスよく揃っている国が日本

・紫外線は肌から吸収されてビタミンDを生成する。赤外線は人間の体の奥にまで入り込んで熱を発生させ、体を温める作用を起こす。若い人たちを中心に低体温が問題になっているが、それは太陽をあまり浴びない生活が関係している

・紫外線をたくさん浴びれば浴びるほど、皮膚ガンになる可能性が高くなるとしたら、沖縄に住んでいる方が、他の都道府県の方とくらべて、皮膚ガンの発症率が高くないといけないが、そんなデータはどこにもない

・紫外線を浴びて皮膚ガンになるケースは、圧倒的に白人に多い。なぜなら、北欧など紫外線量の少ない地域に住む白人は、メラニン色素を産出しないため

ビタミンDは、食品から摂取することが極めて難しい。ビタミンDは紫外線を浴びた皮膚で生成される。そのビタミンDは、カルシウム代謝に大きな働きをしている。ビタミンDが不足すると、骨がもろくなってしまう危険性がある

・家の外に出て、活発に行動している女性は、更年期障害で苦しめられる比率が、かなり低くなっている。太陽光線には、内分泌系の乱れを整える効果がある

・日照時間が少ない地域ほど自殺者の数が多い。うつ病と光には重大な関連がある。「うつ病の日内変動」とは、午前中には憂鬱感がひどいのに、午後になると軽くなってくるというもの。また、春になるとうつ病が自然と治る「季節うつ病」の患者も増えている

・日光を十分に浴びていれば、まったく運動していなくても筋肉は衰えないという研究結果がある。野外で肉体労働をしている方に肥満体型が少ないのも、そういった要因がある

・スギがたくさん生えている地域の人は、ダイレクトに大量の花粉を浴びる。山間部こそ花粉症が爆発的に流行し、症状も重くなるはずなのに、遠くから飛来した花粉をキャッチする都会人のほうが花粉症がひどい。花粉の飛散を怖がって、部屋にこもるのは逆効果

・ビタミンDの存在が発見される前から「夏に海水浴しておけば、冬に風邪をひかない」という言い伝えは有名だった。脂溶性のビタミンDは数ヶ月間、体脂肪組織に蓄えられる。まさに、真夏の海水浴で蓄積した分が、真冬のインフルエンザ流行期に活躍してくれる

・日照時間が短い北海道や東北で、大腸ガンの発生率が高く、四国、九州、沖縄と南下するに従って発生率が下がる。アメリカでも、大腸ガン、乳ガンの罹病率が北部で高く、南部で低い。日照時間の違いが大きく関係するとカリフォルニア大学で発表された

・「1日あたり10分から15分、肌の40%以上を日光にあてることで適切なビタミンDレベルが達成できる」「ビタミンDが欠乏状態になるとカルシウムが不足し、それが大腸ガンにな罹病する原因となる」(カリフォルニア大学・ガーラント博士)

・少なくとも、週に1回、天気がいい日を選んで、30分以上、屋外で日光浴すれば、骨粗鬆症などは防げる



太陽光線は、万人に無償で、われわれに恵みを与えてくれています。この太陽光線をわれわれの体に、無駄なく有効利用することほど、理に適ったことはないと思います。

本書を読み、自然治癒力アップ、免疫力アップに、太陽の素晴らしさを再認識すべきだと思いました。
[ 2012/06/02 07:09 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『ミトコンドリア不老術』日置正人

ミトコンドリア不老術ミトコンドリア不老術
(2009/12)
日置 正人

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ミトコンドリアは、太古の昔(われわれの祖先の単細胞時代)、われわれの細胞内に住みつき、今日に至っています。

酸素を用いた呼吸で、大きなエネルギーを作り出すのが、ミトコンドリアの役目です。しかも、副作用である活性酸素もコントロールすることができるすぐれものです。

ミトコンドリアをうまく働かせることができれば、健康回復、維持、増進が可能と、近年さまざまの研究機関で発表されてきています。

本書は、それらの結果を踏まえ、ミトコンドリアと人間の付き合い方に言及したものです。ミトコンドリアの数々の効用について、「本の一部」ですが、紹介させていただきます。


・心臓が休むと、血流が止まり、栄養素や酸素が行き渡らなくなって、からだ全体に支障が出る。そのために、心臓は日夜、不眠不休で活動し続ける。心臓が休まないのは、ミトコンドリアが大きく関係しているから

心臓の筋肉は、乳酸を生みださないだけでなく、そのエネルギー生産率の高さで、活性酸素の害をフォローしている。アンチエイジングで目指すのは、まさに、この心臓の筋肉

・今、しんどいと感じている人は、どこかの細胞が確実にエネルギー不足に陥っている。その積み重ねが老化につながっていく

・わたしたちの体は、「解糖」(すぐにエネルギーを得ることができる)と「呼吸」(ミトコンドリアで行われ、大きなエネルギーを得ることができる)の2種類の方法で、エネルギーを作り出している

・酸素のおかげで、私たちは莫大なエネルギーを獲得することができ、動き回ることが可能になっている。そして、それは、ミトコンドリアという小器官のおかげ

酸素が足りないと、ピルビン酸がエネルギー物質になれず、乳酸になる。そして、疲労物質として、筋肉に動くのを止めるように号令を出す

・がんのような目に見える疾患は、細胞核内のDNAの異常によって起こる。そして、DNA異常を引き起こす最大の原因が、ミトコンドリアで漏出する酸素フリーラジカル

・究極のアンチエイジングとは、ミトコンドリアに仕事をさせて、エネルギーを豊富に生み出し、老化の進行に歯止めをかけること

・エネルギーを作ることは、ミトコンドリアでの有酸素活動を活発化すること。決して、食べることによるエネルギー原料を蓄えることではない

回遊魚渡り鳥のように優れた有酸素活動をする強靭な筋力を、私たち人間も授かっている。それは、心臓の筋肉。つまり、心筋だけは、回遊魚や渡り鳥のように、休むことなく、一生動き続けることができる

・すべての筋肉が心臓の筋肉のようになれば、疲れを知らない、若さであふれた体になる

・筋肉には、速筋(瞬発力)と遅筋(持続力)がある。有酸素運動をする遅筋は肥大した筋肉にはならない。背骨とその周囲の筋肉は、有酸素運動が得意な筋肉

・アンチエイジングにいい運動はヨガ。ヨガはポーズ呼吸法から成り立っている。ヨガの姿勢ポーズを維持する持続力は有酸素運動。ヨガの瞑想は、呼吸を整え、体の隅々にエネルギーを行き届かせるので、体温も上昇し、免疫力もアップする

CoQ10α-リポ酸L-カルニチンの三つを組み合わせたサプリメントなら、一連のミトコンドリアでのエネルギー生産反応に働きかけることができる

・ミトコンドリア活性には、カロリー制限がいい。しかし、カロリー総摂取量を低くすると、食べ物のカサが少ないため、便秘になりやすい。食物繊維が多く低カロリーのこんにゃく、キノコ、海藻類がその状況を改善する。発酵食品も腸内細菌のエサになるのでいい

・デザイナーズフードピラミッド(米国立がん研究所のがん予防に効果的食品)はミトコンドリアを鍛える。(ニンニク、大豆、人参、生姜、キャベツ等)(玉葱、茶、玄米、柑橘、トマト、ナス、ピーマン、ブロッコリー等)(胡瓜、あさつき、じゃがいも、ベリー等)

腹筋運動は、姿勢を整え、深層筋を鍛え、有酸素活動を活発にする。スクワットの他に片足立ちなど、姿勢を維持し、バランス感覚をとる運動も有酸素運動につながる



われわれの生きるエネルギーは、食べること(解糖によるエネルギー)と、呼吸すること(ミトコンドリアによるエネルギー)の二つから作られているというのが、本書のポイントです。

エネルギーは、食べることでしか得られないと思っている人が多いのではないでしょうか。

食べるのは、腹七分目にして、後は、ミトコンドリアに仕事をしてもらうことが、健康回復、維持、増進の秘訣なのかもしれません。
[ 2012/03/31 07:00 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『放射性セシウムが人体に与える医学的生物学的影響』ユーリ・バンダジェフスキー

放射性セシウムが人体に与える 医学的生物学的影響: チェルノブイリ・原発事故被曝の病理データ放射性セシウムが人体に与える 医学的生物学的影響: チェルノブイリ・原発事故被曝の病理データ
(2011/12/13)
ユーリ・バンダジェフスキー

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真善美の「真」を求めるのが学者、「善」を求めるのが宗教家、「美」を求めるのが芸術家だとすれば、「金」を求めるのは商人です。

今の世の中には、学者の仮面を被った商人が多くて困りものです(ちなみに、ひねくれ者の私は、商人の仮面を被った学者を目指しています)。ところで、この本の著者、ユーリ・I・バンダジェフスキー氏は、純粋に「真」を求める学者です。

チェルノブイリ事故被害者の内部被ばくを10年間、国からの援助や資金を受けずに、執拗に調査(病理解剖、臓器別放射線測定、汚染地域住民の健康調査など)し続けた、ベラルーシのゴメリ医科大学元学長です。

その姿勢が、ベラルーシ政府当局に嫌われ、1999年に不当に逮捕され、国際人権保護団体(アムネスティ)らの訴えにより、刑期途中の2005年に釈放された筋金入りの「学者」です。現在、ベラルーシを国外追放となり、ウクライナの病院に勤務されています。

放射能汚染に関する情報で、真実は何かを知りたくて、この本を読みました。その多くの真実を「本の一部」ですが、紹介させていただきます。


・放射性セシウムが土壌に浸透すると、植物にすぐに吸収され、食物と一緒に人間や動物の体内に入り込む。農産物の中でも、牛乳、キノコ類、ベリー類(液果類)、野生動物の肉のセシウム濃度は著しく高い

・高度汚染地域の住民調査では、年長の子ほど体内セシウム濃度が倍ほど高い。その理由は、セシウム137の半減期間が、年少の子より長いから。年少の子には、現行の食品規制に適合した食料を支給されているから

・男性は、女性よりはるかに多く、放射性セシウムが蓄積する。このことは、動物実験の結果やゴメリ州住民の体内放射能測定で確かめられている

・放射性セシウムの濃度は、妊娠中の母体でかなり高くなるが、胎盤が生理的防御壁になって、放射性セシウムが胎児へ移行することを防ぐ。しかし、その後、母乳を与えることで、放射性セシウムが子供の体内に取り込まれ、次第に蓄積していく

・放射性セシウムは、おもに腎臓から体外に排出される。体内に入ったセシウム137の80%までが1カ月以内に排出される。ただし、人体からセシウム137が半減するまでには、おおよそ70日かかる

・汚染地域に住む子供たち(生後14日~14歳まで)を対象に心電図検査を行った結果、心電図異常が高頻度(56~98%)に認められた。主に、心筋内伝導障害起因の不完全右脚ブロック、心筋の酸化還元反応混乱、心房内洞結節伝導系の自律機能障害による心電図異常

・汚染地域に住む子供たちの血圧を分析したところ、セシウム137の体内蓄積量が増すと血圧の高い子供の数が増えるという相関関係が認められた(汚染地域に住む子供の42%に高血圧の症状)

・チェルノブイリ事故後、突然死したゴメリ州の患者の部検標本を検査したところ、99%の症例で、心筋異常が存在することが明らかになった。特に注目すべきは、びまん性心筋細胞の異常である

・視覚器官は、外部からの放射線にも、内部被曝にも非常に敏感。汚染地域の村に住む子供の視覚器官を調査したところ約94%の子供の視覚器官に何らかの病理学的変化があった。特に体内セシウム137の量と白内障の罹患率の間には、正比例関係が明瞭に認められた

・セシウム137は、ネフロン構造の尿細管糸球体の血管系に悪影響を与える。なによりも、糸球体が構造的、機能的に破壊され、典型的な組織学的所見を呈する

・セシウム137が常に体内に取り込まれていると、甲状腺は十分に修復できず、細胞分化が阻害され、免疫反応の亢進に伴って、自己抗体と免疫適格細胞が甲状腺を傷つけ、自己免疫性甲状腺炎や甲状腺がんを発症する

・1995年のベラルーシでは、1976年に比べて、悪性新生物の発生率が腎臓で男性は4倍、女性は2.8倍、甲状腺は男性で3.4倍、女性で5.6倍になった。ゴメリ州は、腎臓がんの症例数は男性で5倍、女性で3.8倍、甲状腺がんの症例は男性で5倍、女性で10倍になった

・まず考慮すべきは、重要な臓器に対するセシウム137がもたらす毒性であって、他の放射性元素による障害ではない

・セシウム137は、まず心筋に取り込まれ、深刻な組織病変と代謝変化を引き起こす。公式の医学では、この事実を完全に無視している


放射能汚染による人体への影響は、何を信じていいのか、よくわからないのが現状です。広島、長崎の事例を出されても、事故の形態や規模も違うため、参考程度にしかならないように感じていました。

やはり、参考になるのは、チェルノブイリ原発事故です。その正確なデータ、症例を知ることが大事だと思っています。

それらの情報が、マスコミを通して、なかなか入ってこない状況下においては、ユーリ・I・バンダジェフスキー氏の著書は、信じられる確かな情報の一つではないでしょうか。

[ 2012/02/25 07:05 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『お茶の効用―茶・茶道の開祖=栄西著「喫茶養成記」より』井出二三子

お茶の効用―茶・茶道の開祖=栄西著『喫茶養成記』より 茶は養生の仙薬なりお茶の効用―茶・茶道の開祖=栄西著『喫茶養成記』より 茶は養生の仙薬なり
(2011/06)
井出 二三子

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考えてみれば、お茶は日本最古の健康食品かもしれません。お茶それ自体で、栄養がとれるわけでも、味つけができるわけでもないのに、古くから愛用され続けています。

お茶とは一体何なのか、それを丁寧に調べ上げたのが、この書です。お茶の歴史お茶の効能などを、さまざまな文献やデータから明らかにされています。

お茶の不思議さを実感できた箇所が数多くありました。「本の一部」ですが、紹介させていただきます。



・鎌倉時代の臨済宗の僧、栄西禅師は、宋より持ち帰った茶の種子を植え、1217年に明恵上人に贈られた後、宇治に分植された。栄西禅師は、「喫茶養生記」という健康書を世に残し、日本人のお茶を飲む習慣や、茶道のきっかけもつくった

・栄西禅師が、肥前の脊振山に茶の木を植えた1168年以降、禅寺寺院を中心に抹茶が普及し始める。以来、禅林において「茶禅一味」となり、抹茶は切っても切れないつながりをもって現代に到っている

・お茶は、食生活で不足しがちなビタミンA、C、Bやミネラル類の貴重な補給源。また、解毒作用を持つタンニンが、体の中に入って毒を消し、かつ胃腸の働きをよくする。お茶に含まれるカフェインには強心作用や利尿作用があり、フッ素には虫歯予防にもなる

・心身の状態をいつもよくするには、体を弱アルカリ性に保たなければならない。お茶に含まれるカルシウム、ナトリウム、マグネシウムなどのアルカリ性のミネラルは、体内に入ると、酸性物質を中性物質に変える

・茶葉が、他の一般植物と異なるのは、コーヒーなど数種類しかないカフェインを含むこと。タンニンが多量にあること。さらに、ミネラルとしてのマンガンが多いこと

お茶の苦味は、主にカフェインによるもの。茶樹の根や種にはほとんど含まれていないが、発芽すると同時にカフェインができ始める。発芽から初めて摘む第一葉、その次の第二葉に最も多く含まれる

タンニンは、水銀、カドミウムなどの重金属や有毒植物の有毒成分であるアルカノイドなど、毒物と反応する。アルカノイドと結合すると、水に溶けにくい沈殿化合物をつくる。その結果、体内で吸収されにくくなり、体外へ排出される

・ビタミンCは古くなるほど減っていく。4年間貯蔵した緑茶や紅茶には、ほとんど含まれない。お茶を入れたときも、ビタミンCは、第一煎で80%が、第二煎では10%が出てしまう

・お茶は胃液の分泌を高める働きがある。胃潰瘍は、胃液中にあるペプシンというたんぱく質消化酵素が、自分の胃壁のたんぱく質を消化してできる。だから、潰瘍のある人が、濃いお茶を飲むと、胃液の分泌が高まり、潰瘍を悪化させる危険性がある

・抹茶は、たばこのタールに含まれている発ガン物質を不溶性の化合物にして、胃から吸収されるのを防ぐ

・静岡の三銘茶産地(川根、安倍、天竜)で、脳卒中の死亡率を調べたところ、低くなっている(全国平均の7~8割)

・疲れを早く回復させるには、少しでも早く、体内にたまった疲労物質を排泄すること。お茶をどんどん飲むと、血行がよくなり、疲労物質が腎臓から尿となって、体外へ排泄される

・ウーロン茶には、抜群の消化力と脂肪分解作用、脂肪除去作用がある。それは、ウーロン茶がアルカリ性ミネラルを豊富に含んだ、アルカリ度の高い、タンニン作用の強いお茶だから

・静岡県の中でも、お茶の生産地では、胃ガンによる死亡率が極めて低い。全国平均の半分以下。ところによっては、3分の1というところもある

・風邪のひき始めのときや、のどが痛い、イガラっぽいなどの症状が出たとき、水でうがいをするよりも緑茶でうがいをすると効果的。緑茶中のタンニンが喉の炎症を抑えると同時に、タンニンの持つ収縮作用が、炎症を起こしている喉を和らげ、スッキリさせる



お茶以外に、毎日飲み続けて(食べ続けて)も飽きない食品は少ないように思います。日本人は、お茶の効能に頼り切っているのかもしれません。

お茶は、トップ・オブ・健康食品として、今後とも、日本の食生活に欠かせないものとして、日本人の長寿に貢献していくのではないでしょうか。

[ 2012/02/11 07:05 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『自然免疫力を高める!~生命の底力がわかる新しい健康論~』長濱陽二

自然免疫力を高める! ~生命の底力がわかる新しい健康論~ (ぐっと身近に人がわかる)自然免疫力を高める! ~生命の底力がわかる新しい健康論~ (ぐっと身近に人がわかる)
(2010/09/03)
長濱 陽二

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免疫力が大事だとは聞かされていますが、免疫とは具体的にどういうことを指すのか?意外に知らないことばかりです。

免疫を簡単に説明することは、難しいのですが、本書は、イラストを多用して、何とか素人でもわかるような解説がなされています。

免疫について、理解できた箇所が多々ありました。「本の一部」ですが、紹介させていただきます。



・免疫とは、「1.病原菌やウイルスを撃退する働き」を思い浮かべるが、生物には「2.細胞内を大掃除する細胞内解毒」や「3.細胞自身が自然死するアポトーシス」などの仕組みも備わっている。これらも含めて、広義の自然免疫の一部と見なす

・体内では、単細胞生物の子孫であるマクロファージが働いてくれている。マクロファージは、「体内に侵入してきたバクテリアを食べる(食細胞)」「リンパ球に病原菌の情報を伝える(免疫司令官)」「体内の老廃物を掃除する(血液・リンパ球の解毒)」の特長がある

・ガン化などで変性した細胞は、自ら死を選ぶことで、他の細胞を守ろうとする。これが自然免疫の働きの一つで、アポトーシスと呼ばれている

・自然免疫には四つの防御線がある。「1.自然免疫による抗菌抗ウイルス物質を使った防御線」「2.マクロファージや好中球などの食細胞による防御線」「3.オートファジーによる菌体分解を利用した防御線」「4.アポトーシスを利用した最後の防御線」

・マクロファージは侵入バクテリアをエンドソーム消化袋で包み込み、リソソーム分解酵素群で細菌を分解する「オートファジー」の働きがある。このオートファジーには、細胞内の老廃物、働きの悪いミトコンドリア、老朽化した細胞内器官を分解する機能もある

・自然免疫のすごさは周囲の細胞と協力して、ウイルスの侵入者を撃退する点。ただし、不規則な生活で、鼻腔粘液の分泌が落ちたり、気道が冷えたりしていると、侵入を防ぎきれず、ウイルスは短時間でどんどん増殖していく

・病原菌(バクテリア)はウイルスよりもずっと大きく、細胞を生命の基本単位にしている。逆にウイルスは核のみで、他の細胞に寄生してエネルギーを得ている。夏場にかかりやすい細菌感染は、腸から侵入する病原菌(バクテリア)の仕業

・私たちの体には、病原菌の侵入を阻むのに、「1.唾液の攻撃」「2.喉の奥(リンパ組織)の攻撃」「3.胃酸の攻撃」「4.腸壁(粘液層酸)の攻撃」「5.腸壁(自然免疫)の攻撃」の5つの関門が用意されている

・風邪の原因は、「1.過労・ストレス・精神的ショックによるフリーラジカル(悪玉活性酸素)の発生」「2.体の冷え、栄養摂取の偏りによる細胞内解毒力の低下」「加齢による自然免疫力の低下」の3つがある

・酸化したコレステロールの蓄積は、マクロファージに多大な負担をかけ、免疫力の低下を招く。過度のストレス脂肪過多の食事は要注意

・ガン細胞のアポトーシス能力回復の成分を含んだ食品は、ぶどうの皮・イタドリ(レスベラトール)、雲南紅豆杉、玉ねぎの皮(ケルセチン)、いちご・大豆(エピガロカテキンガロールなどのポリフェノール類)など。早期ガンの段階では、これらの摂取が有効

・腸内に悪玉菌が優位の環境はTreg(免疫寛容の働きに関わる)の働きを低下させ、リンパ球の暴走を引き起こす。食事の改善やストレスケアによって、腸内環境を常に整えておくことが、健康の秘訣

・自然免疫を活性化させる食べ物は、少し酸っぱめの漬物、梅干、日本茶、キャベツ、納豆、スカンポ、みかん、紫のぶどう

・自然免疫力を高める食べ方「1.空腹を感じてから(オートファジー活性)」「2.野菜、果物、海藻をたっぷり(抗酸化作用)」「3.発酵食品を多めに(自然免疫活性)」「4.鱗の小魚を多めに(コラーゲン補給)」「5.ビタミンCを積極的に(マクロファージ活性」

・もっと元気になりたい人は「1.微量ミネラル・亜鉛の補給(細胞内解毒力アップ)」「2.体を温める食材摂取(ミトコンドリア活性)」「3.腸マッサージの習慣(腸管免疫アップとリンパ活性)」「4.リズミカルなウォーキング(腸管免疫アップ)」がいい



この本を読み、かなり高度な内容なのに、自然免疫力のメカニズムが、わかるようになりました。また、自然免疫力の高め方も、ほぼわかるようになりました。

現代の最新医療の根幹をなす自然免疫力のことが手軽に学べて、正確な知識が身に付く本ではないかと思います。
[ 2012/01/07 07:00 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『昭和30~40年代生まれはなぜ自殺に向かうのか』小田切陽一

昭和30~40年代生まれはなぜ自殺に向かうのか (講談社プラスアルファ新書)昭和30~40年代生まれはなぜ自殺に向かうのか (講談社プラスアルファ新書)
(2011/09/21)
小田切 陽一

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この年代に該当する人には、ショッキングなタイトルです。著者は、大学教授で医学博士の小田切陽一氏です。

タイトルは、少し煽っている感じは否めませんが、中身はいたって真面目な「自殺の研究本」です。日本人の自殺を多面的な視点で、その要因を探られています。

年間3万人以上亡くなり、余命年齢で考えた死亡率で考えると、自殺は、ガンとほぼ同じ程度の社会的損失です。その割には、自殺を真面目に研究した本は、一般には少なかったように思います。

本書を読んで、納得できた箇所が数多くありました。「本の一部」ですが、紹介させていただきます。



・一生涯のうち、約50人に1人が自殺で亡くなる。自殺は、交通事故の5倍以上のリスク

・一般的には、自殺既遂者の約10倍の未遂者がいると言われる。自殺未遂を含めれば、一生涯のうち、5人に1人が自殺を試みる計算となる

・「死にたい」と本気で考えた人を「自殺念慮者」と呼ぶ。内閣府の調査結果によれば、この自殺念慮者の割合は19%。女性の割合は22%と高い

・人口当たり損失寿命を表わす指標「YPLL率」は、早死の指標。自殺の損失寿命は、がんに次いで多く、男性のYPLL率は636年(人口10万人当たり636年の寿命が1年で失われた)で、がんの損失寿命に匹敵

YPLL率「男性」1位がん704年、2位自殺636年、3位心疾患344年、4位不慮の事故327年、5位脳血管疾患198年。「女性」1位がん581年、2位自殺240年、3位不慮の事故113年、4位心疾患107年、5位脳血管疾患92年

・損失寿命は、死亡年齢が若いほど大きくなる。自殺や交通事故による死亡が多い若い世代では、寿命の損失量が大きくなる。若い命が奪われるということは、次世代の働き手を失うこと。社会経済的観点からも早死への対策が重要

世界各国の自殺率(10万人当たり人数)で、自殺率が高い国は、1位ベラルーシ35人、2位リトアニア30人、3位ロシア30人と旧ソビエトの国々が上位に位置し、以下、カザフスタン、ハンガリーと続き、日本は24人で第6位

自殺率が低い国は、主要先進国では、イタリア6人、イギリス6人、アメリカ11人、カナダ11人、ドイツ12人など

・戦後の第一自殺流行期は1958年前後。第二自殺流行期は1986年。第三自殺流行期は1998年~現在。1998年は前年比で自殺者が35%増え、一挙に3万人台へ急増。大手金融機関の倒産があった年

自殺の原因・動機は、1位「健康問題48%」2位「経済・生活問題22%」3位「家庭問題13%」4位「勤務問題8%」5位「男女問題3%」。健康問題で多かったのが、中年期のうつ病

・現在の第三自殺流行期の背景には、失業、生活苦、借金、多重債務といった経済問題、雇用問題が重くのしかかっている。自殺リスクの高い世代が、かつて多かった「1935~40年生まれ」世代から、「1955年以降生まれ」世代にシフトしている

・日本のうつ病の生涯有病率は、約7%。15人に1人が生涯のうちにうつ病にかかる計算

・未婚率上昇、家庭崩壊離婚などによる中年男性の一人暮らしが増加。社会的孤立が、中年男性の高い自殺率の背景にある

・遺書が残されているケースは、自殺全体の約3割に過ぎない。遺書を残すのは、女性、単身者が多い。遺書を残さないのは、身体疾患、精神疾患、精神科への通院歴者が多い

・自殺の複合原因の高い危険因子として、「うつ病」が最多。夫婦や親子間の「家庭の不和」、多重債務、連帯保証債務、住宅ローンなどの「負債」がそれに続き、さらに「身体疾患」「生活苦」「職場の人間関係」という要因が続く

・自殺の一歩手前にある危機要因の高い順は、「うつ病」「将来生活の不安」「生活苦」「就職失敗」「多重債務」「夫婦間不和」「離婚の悩み」「親子間不和」「職場での降格」「事業の倒産」



「早死」の二大要因である「自殺」「交通事故」のうち、交通事故死は、官民一体となって、その原因を探り、対策を講じ、大幅に減らすことに成功しました。

ところが、自殺者は、1998年からずっと3万人を超えて高止まりの状態です。

一説によると、「円高と自殺者数」が明らかな相関関係を示すとのことで、経済と人間心理が絡み合ってくると問題が複雑になります。

原因を特定するのは難しいですが、一つずつ、小さな原因でも突き止め、対策を講じていく必要があるのではないでしょうか。自殺について深く考えさせられる書でした。
[ 2011/12/15 07:33 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『不老革命! 老化の元凶「フリーラジカル」と戦う法』吉川敏一

不老革命! 老化の元凶「フリーラジカル」と戦う法不老革命! 老化の元凶「フリーラジカル」と戦う法
(2005/05/12)
吉川 敏一

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著者は京都府立医科大学の学長で、国際フリーラジカル学会の会長を日本人で務められていた方です。

フリーラジカルとは、医学では、「傷ついた細胞」を意味します。

「抗酸化物質」を体に摂り込むことで、フリーラジカルを消し去り、老化の進行を止めようとするのが、この本の主旨です。

約6年前に出版された本ですが、不老医学の最先端を走る国際学会で発表されたことをもとに書かれていますので、今読んでも、テーマと内容に斬新さを感じます。

この本を読み、「不老」について、なるほどと思えた箇所が数多くありました。「本の一部」ですが、紹介させていただきます。



・体の中で、フリーラジカルが大量に生み出されて、常に体を酸化させている。これが老化の元凶。老化とは、生体機能全般の退行性変化。シミ・シワ、足腰の筋肉の鈍い動き、物忘れ、臓器の弱い働きなど

・人は呼吸によって取り入れられた酸素を使って、食物から摂った栄養分をエネルギーに変換する作業が行われる。エネルギーが生み出されるときに、すべての酸素を消費しきれずに、約2~3%残ってしまう。フリーラジカルはそこから生み出される

・年齢を重ねるほどに抗酸化物質を補うことが必要。とくに抗酸化酵素が減り始める40歳前後からは、それまで以上に補わなければならない

・「虚血」(血液が細胞に流れない状態)と「再灌流」(再びその細胞に血液が流れ出す状態)を繰り返す状態が起こったときに、フリーラジカルを放出する

・紫外線はフリーラジカルの発生源。目の病気である「白内障」や皮膚の老化現象である「シミ・シワ」をもたらす

起きている時間が長い人ほど、体の中にフリーラジカルが増えてしまう。フリーラジカルがミトコンドリアから漏れ出る可能性が高まるため、細胞が傷つけられる危険性も高まる。つまり、「睡眠不足」の人ほど老化が早まる

・「食べ過ぎ」も、ミトコンドリアで使われる酵素の量が増える原因となり、フリーラジカルを大量に生み出す

・激しい運動を行うと、体の中に大量のフリーラジカルが生み出される。これも細胞を傷つける原因の一つ。飛び回るハエよりも、じっとしているハエのほうが長生きするように、運動は老化を早める行為

・尿酸は、フリーラジカルを消し去るよい作用をしており、尿酸値が高い動物ほど寿命が長い。しかし、痛風の原因でもあり、プリン体を多く含む食べ物を過剰に摂ると、体の中にたまっていくので注意が必要

老化を防ぐ生活習慣は、「食べ過ぎない」「よく眠る」「たばこをやめる」「アルコールを控える」「紫外線を避ける」「脱ストレス」「環境汚染物質を避ける」「色の濃い野菜や果物を毎日食べる」

・軽いストレスは「能率の向上」や「意欲の維持」をもたらすが、要はストレスをためこまないこと。ストレスが蓄積していると感じてきたら、「睡眠」や「休養」によって断ち切り、ストレスへの抵抗力を高めておくことが大切

・「たばこをやめる」ことは、説明するまでもないが、40歳で禁煙すると、10歳寿命が伸びる

・老化を食い止めるには、筋肉をつけることも大切。筋肉をつけることで、生活習慣病のもとである「肥満」を予防することができる。筋肉の量は40歳ころから1年で1%ずつ減っていき、真っ先に太股の筋肉が落ちる

・骨を丈夫にするには、カルシウムと一緒に、ビタミンD(魚類や卵黄)とマグネシウム(ひじきや納豆)とビタミンC(レモン)とビタミンK(納豆)を摂取しなければならない。また、骨に負荷をかけることも重要。骨に体重がかかる運動を心がけること

・女性ホルモンは抗酸化作用をもっている。一般的に女性が男性よりも長生きなのは、女性の方が抗酸化作用が強いためと考えられる。女性ホルモンに似た働きを持つビタミンEのサプリメントを飲んでいると、男性でも乳房がふくよかになってくる


健康で長生きするには、何が必要なのかがしっかり書かれています。前半は、少し専門的な用語も多いですが、後半はすらすら読めます。

この本を読めば、40歳前後で、健康に関心を持つのと持たないのとで、寿命が大きく変わっていくのは明白であることがわかります。40歳を過ぎた方に、おすすめの書です。
[ 2011/12/02 05:44 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『4時間半熟睡法』遠藤拓郎

4時間半熟睡法4時間半熟睡法
(2009/06/19)
遠藤 拓郎

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若いころは、休日に寝だめすれば、4時間半の睡眠で十分でしたが、最近は、6時間眠らないと、何だか身体がしっくりこないように感じます。

睡眠時間を毎日4時間半にしても、健康的な生活ができるならば、活動的な人生が送れるように思います。

この本には、4時間半睡眠の正しい方法が科学的に書かれています。「本の一部」ですが、紹介させていただきます。



睡眠の基本サイクルは90分。だから、90分の倍数で寝るとスッキリ目覚めることができるし、効率の良い睡眠をとることができる

・睡眠には、夢を見る「レム睡眠」(心のメンテナンスの役割。寝入りに短く、朝方に長くなる)と、夢をほとんど見ない「ノンレム睡眠」(体や脳の休憩、身体の成長などの役割。寝てから3時間の間に多く出る)の2種類がある

・フロリダ大学のウェッブ教授の実験によると、3時間以下の睡眠を続けていくと、視覚関連の仕事(運転、パソコン作業など)でミスがかなり増えることが明らかになった

・毎日6時間の睡眠を確保しさえすれば、眠気もなく、パフォーマンスが落ちない

・平日の5日間は、「4時間半の睡眠」で乗り切る。土曜、日曜のどちらかで「7時間半の睡眠」をとって体を回復させ、どちらかで「6時間の睡眠」をとるのが、「4時間半熟睡法

・体温が高いところから低いところに急に落ちると、人間は眠くなる。眠りに入る時、体温が1℃くらい急激に下がる

・人間は、手足がラジエーターの役割を果たすことで、体温を急激に下げ、眠りに入ることができる

・眠り始めの3時間でいかに快適な睡眠をとるかが成長ホルモン分泌の鍵になる。成長ホルモンは、「健康な体」や「美肌」を作る

・夜中の3時くらいから、コルチゾールが活躍する。蓄えられた脂肪やグリコーゲンをエネルギーに変えることによって、心臓や肝臓を動かし、生命を維持することができる。つまり、人間は寝ながらにしてダイエットをしている

・「寝る前に食べると太る」とよく言われるが、それは、食事をすることによって、コルチゾールが脂肪を分解してエネルギーに変える「寝ている間に行われる活動」がうまくいかなくなるから

・コルチゾールの分泌を考えると、起床時間も大切になる。午前5時半から午前8時半の3時間が、起床時間のゴールデンタイム

・「睡眠がいい人にとっては寝だめは無効」「睡眠が悪い人にとっては寝だめは有効」

眠くなるホルモン「メラトニン」と体温は、相互に影響を与えながら、人間を眠らせたり、起こしたりしている。メラトニンは、一般的に夜9時くらいから出始めて、夜11時くらいに眠気を感じるレベルになる

・人間は25時間の時計を持って、地球の24時間の生活に対応している。この1時間の差を埋めているのが「朝の太陽の光」。朝日を浴びた瞬間に、人間の体内時計は25時間から24時間に修正される

・睡眠には「コアタイム」がある。このコアタイムは午前0時から午前6時。この時間に寝ているのが効果的。ベストなのは、午前1時に寝て午前5時半に起きるなど、この時間にスッポリ当てはめてしまうこと

・湿気が多いと、皮膚の汗がいつまでたっても乾かないため、手足の温度が下がらず、効率的に体温を下げることができなくなる。夏場の眠りには、部屋をドライに保つことが不可欠

・寝る前に、人為的に体温を上げていれば、脳から「体温を下げなさい」という指令が出て、スムーズに眠りに入ることができる。「食事」「運動」「入浴」は体温を上げるために、とても有効。夕食には、鍋などの温かいものや唐辛子の入ったものを食べるとよい

寝るタイミングを逸してしまった時に有効なのが、シャワーを浴びることと、温かいものを飲むこと

効果的な仮眠は15分が目安。目をつぶっているよりも、15分間でも寝てしまった方が、疲労感が回復し、眠気が解消される

夜勤明けの睡眠は、午前9時までに床に入り、12時に起きるのが理想的。それでも眠い場合は15分の仮眠をとること



部分的には、今までよく聞いたことが多いと思います。それでも、体系的に、睡眠の科学を学ぶと、睡眠とは何かがよくわかり、効率的な睡眠法を理解することができます。

人生において、睡眠時間を少しでも有効に削ることができたなら、活動時間が大幅に増えます。

効率的に仕事をすることが苦手な人は、睡眠時間だけでも、効率的に減らすことを考えてはいかがでしょうか。とにもかくにも、時間が足りないと考えている人には、本当に役立つ書なのかもしれません。


[ 2011/11/11 08:03 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『ボケない100歳2309人がやっていること』白澤卓ニ

ボケない100歳 2309人がやっていること (アスコムBOOKS)ボケない100歳 2309人がやっていること (アスコムBOOKS)
(2011/06/27)
白澤卓ニ

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著者の白澤卓二教授は、東京都老人総合研究所で17年間、長寿を司る遺伝子やアルツハイマーの研究をされた方です。簡潔に言えば、「どうしたらボケないで元気に100歳まで生きられるか」を研究されています。

白澤教授は、100歳以上老人のさまざまなデータを持っておられます。そのデータから、100歳以上老人の性格、行動などを浮き彫りにされています。

この本を読めば、長寿を全うする人の特徴を知ることができ、自分の健康に役立てることができます。勉強になった箇所が20ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・広島、長崎に原爆が投下されたとき、「味噌を毎日食べる人には、被曝による健康被害(だるくなる、目が見えない、体の節々が痛むなど)が出にくい」という症例が、数多く報告された。天然醸造味噌には天然酵母や乳酸菌が生き続けているので、栄養価も効力も高い

・1日スプーン1杯オリーブオイルをとり続けているクレタ島に住む人々は、皮膚も血管も若く、心臓疾患が少ないことで有名。ガン、脳卒中、脳梗塞、心臓病、アレルギー、アトピーが世界一少なく、島の人々の年間医療費はアメリカ人の10分の1

・フィンランドの1万人を対象にした25年調査では、「りんごをよく食べる人は肺がんリスクが58%も低下」。オランダの25年調査では、「りんごやナシを1日70g以上食べる人は、肺の慢性病にかかるリスクが4割近く少ない」ことが報告されている

・日本の100歳を超えて元気な人(認知症でない1907人)の好物は、「1位、果物19%」「2位、魚12%」「3位、甘いもの11%」「4位、刺身10%」「5位、寿司6%」。元気な百寿者は、約6割がほとんど毎日果物を食べている。ほとんど食べない人は3%

・果物や野菜ジュースを週3回以上飲む人は、1回も飲まない人より、アルツハイマー病の発症率が7割少ない

・テレビで行った元気な100歳100人調査での食の特徴では、「朝食」ごはん派71人パン派29人。三食必ず食べる94人。家族と食べている94人。お酒を飲む23人。

・秋田県の高齢者調査では、乳製品を習慣的にとる人は、とらない人に比べて、寝たきりなどの介護状態になりにくいという結果が出ている

カカオ70%以上ダークチョコレートを、1日の総摂取カロリーを増やさずに毎日100g15日間摂ると、体重やコレステロール値は変わらないのに、血圧、空腹時血糖値、血中インスリン濃度すべてが下がる。ダークチョコレートは高血圧、糖尿病を改善する

・レスベラトールは赤ブドウ、ラッカセイなどの「皮」に豊富に含まれているので、「ボケ封じ」には、薄皮ごと食べるのが正解

・イギリスの10年がかり調査によると、「1.喫煙しない」「2.酒の摂取は1週間14杯以下にする」「3.果物や野菜を毎日、こぶし大で5つ分食べる」「4.1日30分の軽い運動をする」習慣をすべて持つ人は、全く持っていない人に比べて14年長生きする

・血糖値の高い人の食べ方のコツは、糖分の低い順に食べること。まず野菜、次に肉や魚などのたんぱく質、最後にご飯やパン。この順番が正解

・ゴマには多彩なポリフェノールが含まれ、セサミンに強い抗酸化作用があり、肝機能の向上や脂肪酸の分解、老廃物の回収などに働く。豊富なビタミンEも、抗酸化作用をパワーアップする

・魚はみんな長寿食。イワシ、サバ、サンマは脳の守り神。人間の脳細胞にある不飽和脂肪酸、DHAが含まれる。サケは、老化予防パワーが大きい。サーモンピンクの色素アスタキサンチンには、ポリフェノールやリコピンを超える史上最強の抗酸化作用が認められる

・厚生労働省が行った男女約9万人の追跡調査の結果では、1日5杯以上のコーヒーを飲む人は、ほとんど飲まない人に比べ、肝臓がんの発症率が4分の1になる。コーヒーのクロロゲン酸の薬効が注目されている

元気な百寿者1907人調査では、男性は、平均身長155cm、体重は49kg。女性は、142cm、39kg。小柄で、やや痩せ型の人が多い。身長150cm体重56kg以上、160cm64kg以上、170cm72.5kg以上の人は、わずか5%程度

・百寿者調査を見ると、仕事を辞めた年齢は70代が最も多く、100歳になっても、できる範囲で仕事を続けている人が多い。昔から坊さんや芸術家が長生きなのは、定年がなく、高齢になっても仕事を続けられることが大きい

・人生後半の生きがいは、「お出かけ」できるものを見つけておくこと。外に出て、道を歩くだけでも、脳と五感への刺激が飛躍的に増え、骨粗しょう症からくる寝たきりも防げる

・スウェーデンの研究では、ひとり暮らしで、友人や家族の訪問が週に1回未満の人たちの痴呆の年間発症率は1000人中160人。家族と同居で、友人や子供が週に1回以上訪ねてくる人の痴呆発症率は1000人中、わずか20人だった

・生涯を通じて激しいスポーツを続けるスポーツマンは、一般の人に比べて寿命がかなり短い。大学卒業生で体育系学部の人は、他学部の人より、寿命が6年短かった

・足の筋肉は、身体全体の筋肉の7割を占めている。ふくらはぎは、下りてくる血液を押し上げるポンプとしても働くので、ここを鍛えると、筋肉の衰えと血流の両方を改善できる


百寿者は、健康の成功者です。その成功者がしていること、してきたことから素直に学ぶのが、健康で長生きする秘訣であることは間違いありません。

そういう意味で、百寿者調査を行っている著者の本から、得られるものは非常に多いのではないでしょうか。


[ 2011/10/21 07:12 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『「長寿食」世界探検記』家森幸男

「長寿食」世界探検記 (ちくま文庫)「長寿食」世界探検記 (ちくま文庫)
(2007/11)
家森 幸男

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家森教授の本を紹介するのは、「脳と心で楽しむ食生活」に次ぎ、2冊目です。著者は、世界の民族の健康を、食との関係で、古くから現地調査してきた方です。

この本が出版されてから、10年以上経っていますが、現在、健康で話題になっていることの多くが、既に数多く記載されています。そういう意味では、健康本の古典的名著なのかもしれません。

この本を読み、健康知識に役立つと思えた箇所が、20ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・日本食(魚を世界一食べている)と地中海食(野菜・果物を日本人の1.5倍以上とっている)を足して二で割るような食事をすれば、量・質ともに世界最高の長寿食になる

・男性と同じように働くスウェーデンの女性は男性よりも三年くらいしか長生きしていなかった。検診の結果、スウェーデンの女性は、男性以上に高血圧が多かった。家庭を持ち、赤ちゃんができれば仕事をやめることが多い日本の女性は、健康にとってはよいこと

・魚介類とワカメなどの海藻には、海のミネラルが豊富。隠岐の人々の白血球の中の銅の量は、イギリス人(心臓死が多い)の3倍。心筋梗塞患者の6倍。隠岐では、心筋梗塞による死亡がほとんどない

・ヨーグルトには、カルシウムも蛋白質も多く、これでお腹を膨らませれば、脳卒中も骨粗鬆症も予防でき、寝たきりや痴呆も減る

・アフリカの農耕地帯では、中心部に近いほど、高血圧や肥満が多かった。その理由は電気。電気が通ると、まず村の雑貨店に電灯がひかれ、塩をはじめ、コーラ、ビール、砂糖などが並べられる。そのとたん、肥満や高血圧などの生活習慣病が多発してくる

草食の牛が、太い骨を持っているのは、牧草の中でも、カルシウムの多い牧草を食べるから。カルシウムの吸収がよければ、丈夫な骨ができる。また、牛は、マメ科の植物(イソフラボンを摂取できる)も食べており、骨からカルシウムが抜け出るのを抑えている

・歩くことが大切。それも、若いときなら、なるべく重い荷物を持って歩くこと。重力がかかると、骨にカルシウムが沈着する。逆に、重力がなくなれば、宇宙旅行と同じで、カルシウムが急に激減する

活性酸素が多く発生するのは、脳に血液が十分行き届かなくなった後に、再び血液が流れて、酸素が供給されたとき

・中国の広州で、50~54歳の人たちの検診をしたとき、皆、裸足でやってきた。この年齢の人たちは、平均からすると、5人に1人が高血圧。しかし、裸足の人たちは、皆、正常血圧であった。塩味文化のアジアにおいて、高血圧のない集団はここが初めてだった

・昆虫は、小さな体の中に、成長や活力のもとをすべて備えている。カルシウム、カリウム、マグネシウムも多いし、鶏などの内臓にも含まれるタウリンなどが豊富。これらは、すべて、血圧を下げてくれる栄養素

・今のユダヤの人々は、聖書の時代の食事をしていない。世界中からイスラエルに戻った人々は、世界各地の食文化の洗礼を受け、魚も食べなくなり、心筋梗塞が増え、日本人の4~5倍になっている。旧約聖書の先祖のような伝統食の保全が急務

・中国の貴州省は、隣の雲南省とともに、お茶の発祥地で、毎日多量にお茶を飲む。歯が黒いのは、虫歯のせいではなく、お茶のシブ。すなわちカテキンによるもの。カテキンは、歯を強くするだけでなく、動脈硬化の予防にもよく、痴呆の予防にも役立つ

・エビ、カニ、イカなどにある、硫黄を含んだアミノ酸は、血圧を上げる交感神経を抑え、コレステロールを胆汁として排出するのを助ける

・赤ワインには、ポリフェノールのみならず、植物エストロゲンの種が入っている。これは、目下アメリカで大ブームのレスペラトール

日本の漁村で長寿なところは、魚だけでなく、野菜も食べているところ。長寿の隠岐にしても、裏山で山菜を採り、庭先の畑で野菜を作って、魚と一緒に煮込み、食物繊維やカリウムを摂っている

・プルーンは、生命の実とも言われる果実。動脈硬化の犯人と言われる活性酸素の働きを抑える抗酸化物質を多く含んでいる。長寿地域のグルジアでは、生で食べるだけでなく、乾燥させて、保存食にもしている

・沖縄の長寿は、減塩と豚肉からの蛋白質摂取、その上、豆腐を食べる。魚と野菜や海藻なども食べている。これら沖縄の伝統食こそが、これからの健康の扉を開く鍵

・沖縄や隠岐の人が、総じて長生きなのは、ワカメなどの海藻類の日常的な摂取。食塩をとり、血圧が上がっても、食物繊維をとっていれば、脳卒中はもちろん、大腸ガンにもなりにくい

・心筋梗塞の死亡率は、男性1人に対し、女性0.35人。女性ホルモンは、血管を拡げる一酸化窒素の生産を促進する。大豆のイソフラボンは、一酸化窒素を産生させ、心筋梗塞を少なくする



家森教授の本を読むと、食生活に注意を払うことの重要性を、改めて感じます。

体を鍛えることやストレスをためないことも、健康には大事ですが、より以上に、食生活を見直すことが大事なように思います。

老後を楽しむためには、お金と健康が、必須条件です。つまり、お金をかけずに健康でいる方法を探求することが、老後に向けての大きな知恵になるのかもしれません。
[ 2011/09/19 07:45 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『カイチュウ博士と発酵仮面の「腸」健康法』藤田紘一郎、小泉武夫

カイチュウ博士と発酵仮面の「腸」健康法カイチュウ博士と発酵仮面の「腸」健康法
(2010/05/14)
藤田 紘一郎、小泉 武夫 他

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藤田紘一郎先生は、以前、このブログで、「不老の免疫学」を採り上げました。腸および寄生虫が専門の医者です。小泉武夫先生は、発酵学者として、世界中のあらゆる食べ物を味見している有名な方です。

この本は、二人がコラボして、健康的な食事とは何かを言い合う内容です。博学の二人の食と健康の知識に圧倒されます。

面白く読めた箇所が25ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・原始人のフンの化石から、ゴキブリの羽が出てくる。ゴキブリは、蛋白質がほとんどで、カルシウムもビタミンもある。いろんな活性酵素がある。昆虫は本当によい。中国では、ゴキブリを養殖して、売っている

・動物で一番おいしいところは、いつも動かしている部分。そういうところには、旨味のアミノ酸が集中している。ヘビは、全身が筋肉で、いつも動かしているからうまい

ぬか味噌1gの中に、乳酸菌が2億個いる。人間には、猛毒のフグのテトロドトキシンも、乳酸菌にとっては、単なる食べ物。最終的には、水と炭酸ガスとアンモニアに分解して無毒にする

・種馬でも、仕切りのある畜舎に入れると、すぐ交配できなくなる。放牧すると元気になってくる。食べ物一つとっても、野性の、そこに生きているものを食べなければいけない

・人間の免疫を決定するのは腸内細菌だから、ウンチを調べれば免疫がわかる。人間の免疫の70%ぐらいは腸がつくるというくらい、腸は大切な臓器

・戦前、日本人は1日平均300gのウンチをしていたのに、現代人は150gがやっと。その民族が強いかどうか、ウンコの健康状態で判断できる。今、一番すごいのは中国。奥地に行くと、ほれぼれするようなウンコがある

・我々を守ってくれる腸内細菌が活躍するためには、悪いものが適当にいて、そいつを常にやっつけるような攻撃態勢をもっていないとダメ。平和すぎ(きれいすぎ)てはダメ。働かせておかないと、腸内細菌は活動を止めてしまう

・乳酸菌は、潰瘍性大腸炎などの病気にいい。乳酸菌や納豆菌のように、吸着力の強い菌を多くとると、他の菌が来ても、腸に定着させない

・ちょっとした病原菌にもやられてしまう人は、腸内細菌が少ない。腸内細菌が少ないということは、ウンチが小さいということ。ウンチの状態がよくない人は、病気になりやすいということ

・この50年間で、日本人の肉の消費量が3倍、油の消費量が4倍になったのに、和食の植物に多く含まれるミネラルの摂取が4分の1になった。4分の1になると、アドレナリンの異常分泌の症状が出てくる。つまり、興奮しやすくなって、暴力をふるいやすくなる

・「5 A DAY運動」で、アメリカの野菜消費量が増え、日本と逆転したのが、1995年。その95年に、日本人とアメリカ人のがん発生率が逆転した

・今は、脳科学がもてはやされて、「脳が一番」の風潮だが、腸が先。脳は腸から進化したもの。脳のない生き物は、腸が脳の働きをする。人でも、一番神経細胞が多いのが腸。腸は敏感

・O-157が騒ぎになったとき、下痢を繰り返していたのは、ものすごく神経質な子だった。全員が一戸建てに住み、母親も神経質な人だった

・抗生物質ばかり飲んでいる人は、腸内細菌がいなくなるから、腸が弱くなり、下痢して、いろいろな病気になる。同様に、防腐剤とか着色料なども飲んでいるとおかしくなる

・世界の大豆発酵食品で抗酸化物質のベスト3は、味噌と糸引き納豆とテンペ(煮た大豆をクモノスカビで発酵させたもの)。学会でも、この三つの発酵食品は、非常に抗酸化物質が強いため、がんの予防になるとされている

・モンゴルには、獣医は大勢いない。ヒツジの赤ちゃんが下痢したとき、発酵した草の漬け物を食わせて治す。北海道にあったサイロも、土の中に草を埋めて、空気から遠ざけて、乳酸菌を発酵をさせるもの

・女性が愛用している香水には、インドールスカトールを入れるが、これはウンコの中にも含まれている成分

・においをかがせると、体のどこが反応するかというと、まず心臓に行く。心臓発作を起こした人に、亜硝酸エステルのにおいをかがせると、心臓がまた動き始める

・喉頭がんになった人で、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)の値の高い人は再発していないが、低い人は50%以上再発している。そのNK細胞の数値を上げる方法の一つが、イメージトレーニング。イメージさせる方法には、従来の音楽よりもにおいの方が効果的

・野菜だけ食べて、肉やコレステロールは食べないというのはおかしい。だいたい、一番早く死んでいるのは、コレステロールの少ない人。自殺者も、コレステロール値が正常以下の人が一番多い。やせ型が一番死亡率が高く、一番長生きするのは小太り

・スルメはアルギニンというスタミナアミノ酸と強壮効果のあるタウリンやベタインの固まり。結婚式に結納に出るのは、「だんなさんが食べてがんばってください」ということ

・海産物には亜鉛が多く含まれる。亜鉛は精子をつくるミネラル。だから、男性は亜鉛がないとダメ

・免疫力を高める、がん予防の食物のトップがニンニク。ニンニクは強力な抗酸化力を持っているし、腸内細菌のエサになる。ニンニクのアホエンという成分は、たしかに免疫力を高める

・日本のどこの水道水にも塩素が入っている。細胞や細菌を殺す塩素を飲んでいると、腸内細菌は全部死んでしまう。ヨーロッパでは、ペットボトルの水は煮沸していない、塩素の入れていないものを売っている。ボルヴィックやエビアンなども湧き水そのまま

雪解け水には、活性作用がある。雪解け水を与えると、鶏は卵を多く産み、ヒヨコは早く成長する。牛は乳を多く出し、米の成長もよくなる。雪の多いところの米はおいしい

・世界の長生きのところの水は、カルシウムやマグネシウムが多い硬度の高い水、つまり硬水を飲んでいる。体液が酸性になると、血液や汗や精液も酸性になり、病気になりやすい。アルカリ性のカルシウムの多い水を飲むと効果がある

・ニンニク、ネギ、ニラ、カラシナなどのピリッとするものとか、キノコのβグルカンなどをとらなければ老化するし、記憶力も低下する



高級低級、上品下品を問わず、二人の食と健康の知識が炸裂して、学術的なのに、面白い内容になっています。

今の食生活を見直すためには、二人の知識を参考にしてみるのもよいかもしれません。面白くてためになる本とは、まさに、この本のことを言うのだと思います。
[ 2011/08/19 07:31 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)