とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索

『普通がいいという病』泉谷閑示

「普通がいい」という病 (講談社現代新書)「普通がいい」という病 (講談社現代新書)
(2013/06/28)
泉谷閑示

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本書の冒頭に、「人間は、生来の資質である『角』を持って生まれてくるが、集団の中にいると、いつの間にか、この『角』があるから生きづらいのだ、と思うようになる」といった著者の意見が記されています。

人間は、「角」をシンボルとして活用する人と、「角」を削って隠してしまう人に分かれるもので、「普通がいい」というのは後者の場合です。本書には、興味深い話が多く載っています。それらをまとめてみました。



・「頭」は、「~すべき」「~してはいけない」といった言い方をする。論理的であること、因果関係を考える働きがあるので、必ず理由がくっついているという特徴がある

・「頭」は、過去を分析し、未来をシミュレートするのが得意。過去の「後悔」未来への「不安」が生み出される。逆に、「今・ここ」については苦手で、正しく捉えることはできない

・「心」は、「~したい」「~したくない」「好き」「嫌い」といった言い方をする。理由や意味・意義などは一々くっついてこない。いきなり判断だけを言う

・「心」は、「頭」と違って、「今・ここ」に焦点を当て、シャープに反応する。だから、「前はこうだった」といった過去の情報に基づいた反応はしない。それをするのは記憶やシミュレートを司る「頭」のほう

・理性で、人間の中にある“けもの”的な邪悪さが暴れ出さないように、コントロールすることが大切だと教え込まれてきた。しかし、それは全くあべこべな話。“けもの”的な邪悪さは、実は理性によって作り出されたもの

・人間を一つの国家に例えると、現代人の多くは、「頭」が独裁者として振る舞う専制国家のようになっている。「心」「身体」は、常に「頭」に監視されて、奴隷のように統制されている。そして、「心」や「身体」は、我慢が限界に来ると、何がしかの反乱を起こす

「心」がストライキを起こせば、うつ状態になる。それが許されない場合は、「身体」が不調を訴えるか、「心」が化けて出て、幻覚や妄想が生じる

・「心」「身体」は、「頭」に及びもつかない深い知恵を備えている。それが桁外れに凄い能力であるために、「頭」には、その凄さがわからない

・味覚や嗅覚は、その時の自分に必要なものを「おいしい」という快感で教えてくれ、不要なものを「まずい」と知らせてくれる。しかし、「頭」が関わると、「カラダにいいから」「得だから」「この前おいしかったから」といった考えが混入してくる

・「我」という一人称や「自分の・・・」と所有格を主張するのは、「頭」だけ。「心」「身体」は、元々そんなことに囚われておらず、自然の原理で動いている

・子供の「心」は、あるとき堪忍袋の緒が切れて、「頭」への隷属をやめたいと反逆を開始する。「心」のエネルギーが大きく、感性が発達している子ほど、それは早期に訪れる。この反逆は、不登校、ひきこもり、家庭内暴力、体調不良、自傷行為などを引き起こす

・感情には、「頭」由来の“浅い感情”と「心」由来の“深い感情”がある。「心」由来の深い感情の井戸には、「怒」「哀」「喜」「楽」の感情ボールが順番に入っている。一番上の「怒」のボールが出ないと、二番目、三番目のボールは出てこれない

・「怒りはよくないもの」と教え込まれると、井戸の中に、OLDな怒り(過去に我慢した怒り)が溜め込まれていく。そして、限度を超えた時、蓋が破られ、爆発を起こす

・怒りは文字に書いて出すこと。「心の吐き出しノート」を用意して、モヤモヤ、イライラが生じたとき、必ずこのノートに書き込む

・「頭」由来の“浅い感情”は、その感情を保持できずに、「ヒステリック」の性質で、吐き出される

空海は、お説教じみた禁欲的な教えとは全く逆の考え方。「欲をためる」ことを「遮情」として戒めている。他の宗教は、「欲望」を滅却して初めて「愛」の存在になれるというが、空海は、「欲望」をどんどん「大欲」に膨らませることで、「」が生まれると教えている

・「信じる」というのは、「愛」の一つの表れ。「愛」も「信じる」も、根拠や見返りなしに行われる「心」の働き。根拠を求めるのは、もっぱら「頭」由来の「欲望」



なかなかいい本でした。心や感情の構造を一つ一つ解きほぐされていくようで、心地よくなれました。

心理学の本というよりも、禅の本、宗教の本といった感じの本なのかもしれません。


[ 2014/08/01 07:00 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『100歳、元気、あたりまえ!』吉川敏一

100歳、元気、あたりまえ!100歳、元気、あたりまえ!
(2011/03/04)
吉川敏一

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著者の本を紹介するのは、「不老革命」に次ぎ、2冊目です。アンチエイジング界の第一人者で、国際フリーラジカル学会の会長も歴任されています。

本書には、アンチエイジングに関する医学界の常識が網羅されています。健康に関心が出てきた人には関心のあるところです。その一部をまとめてみました。



・何もしないで、10代のころと同じだけ食べると、20%は、体の中に残ってしまう。中年太りを防ぐためには、食べる量を2割減らすか、2割増しで運動しなければならない

筋肉は血糖の処理工場。筋肉があれば糖尿病にならない。中性脂肪も筋肉細胞に取り込まれて、エネルギーになる。高脂血症の薬を飲むよりも、実は筋肉をつけたほうが早い

・やせるときには、筋肉、骨、脂肪が減っていくが、その中で真っ先に減るのが内臓脂肪。脂肪は予備のエネルギー源。内臓脂肪は、緊急のとき、いち早く使えるように身近に貯蔵されている。お腹まわりの皮下脂肪は、内臓脂肪がなくなってから、ようやく減り始める

・運動しないで、食事だけでダイエットするのはとにかく絶対ダメ。やせているのに、筋肉がなくて、お腹だけが出ている人は、肥満と同じ。健康とか長生きとかは、見た目の体型ではなく、内臓脂肪と筋肉の関係で決まる

・昔は酒に弱かったが、付き合いで飲むうちに慣れてきて、顔は赤くなるが、このごろだいぶ飲めるようになったというタイプが一番危ない。顔が赤くなるのに、毎日のように飲む人は、顔が赤くならない酒に強い人に比べて、「食道がん」になるリスクが6~9倍高い

・アルコールとタバコというのは、とても相性が悪い。酒とタバコの二つが合わさると、がんも、動脈硬化も心筋梗塞も増える。つまり、どっちか一つにしたほうがいい

がんを殺す免疫力には、腸内細菌が深く関わっている。腸は免疫細胞の「基地」になっているので、免疫細胞は、この基地で腸内細菌に鍛えられて、がん細胞に出撃する

・医者は、お年寄りを入院させるときには、できるだけ短い期間で退院してもらう。なぜかと言うと、ボケが進んでしまうから。入院期間が長くなればなるほどボケてくるのは、歴然とした事実

・皮膚は、いろいろな外敵をすぐにブロックしなければならないので、体の免疫力がいち早く反映される場所。だから、免疫力が高ければ高いほど、肌の状態もよくなる

老眼は筋肉の老化現象。目の老化予防に注目なのが「アスタキサンチン」。鮭の身や海老・蟹の甲羅に豊富に含まれる赤い色素。アスタキサンチンは、強力な抗酸化物質で、筋肉をよく動かす働きをする。鮭が長い旅の果てに故郷の川に帰ってこられるのも、そのおかげ

・血液の固まらない薬を投与するとき、患者に「食べたらあかん」と指導するのは、「納豆」(ナットウキナーゼという酵素とビタミンKが作用して血が固まりにくくする)と「タマネギ」(ケルセチンという成分が血を固まりにくくする)

・心臓血管外科の医者は、心臓に血管を植えつけるバイパス手術などのリスクの高い心臓手術のとき、タバコを吸う患者に2~3ヵ月、タバコをやめさせてからでないと手術しない。タバコの毒(血管を収縮させ、血液循環を悪化させる)は、2ヵ月以上悪さをする

・食べ物の色素カテロノイドは強力な抗酸化物質。ほうれん草やトウモロコシの「ルティン(黄)」、温州ミカンの「βクリプトキサンチン(黄)」、トマトやスイカの「リコピン(赤)」、トウガラシの「カプサンチン(赤)」、昆布やワカメの「フコキサンチン(茶)」など

・野菜や果物でも、皮ごと食べたほうが体にいい。植物の皮には、紫外線や害虫、寒さや暑さ、そういうものを防ぐバリア機能があって、抗酸化物質がいっぱい集まっている

・トウガラシ、ショウガ、ワサビ、コショウ、サンショなどの香辛料は強力な抗酸化物質。ニンニク、ラッキョウ、ネギなどのイオウ化合物も抗酸化作用が強い食材

・体にいい「食事の習慣」とは「体の欲するままに食べる」こと。感覚にしたがって、自分の体が調子いいような食べ方をしていたらそれでいい

・運動量を示す単位「エクササイズ」は1週間「23以上」が目標。運動の強度を表わす「メッツ」という単位×「時間」が「エクササイズ」になる。歩くのは「3メッツ」。20分歩くと「1エクササイズ」。自転車は「4メッツ」、水泳は「6メッツ」



アンチエイジングは、まだまだ研究半ばの学問だそうです。これからも新たな発見がありそうです。

身も心も健康を保とうとする気持ちこそが、健康を維持する基本のような気がします。本書は、その一助になるのではないでしょうか。


[ 2014/06/27 07:00 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『おいしい患者をやめる本』岡本裕

おいしい患者をやめる本 医療費いらずの健康法 (講談社プラスアルファ文庫)おいしい患者をやめる本 医療費いらずの健康法 (講談社プラスアルファ文庫)
(2011/09/21)
岡本 裕

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岡本裕医師の本を紹介するのは、「9割の病気は自分で治せる」「自己の免疫力で病気を治す本」に次ぎ3冊目です。

現代の日本の医療制度の矛盾や問題点を、本書においても提言しています。世界各国に比べてのおかしな点が素人にもわかりやすく書かれています。その一部をまとめてみました。



・日本の医療は疲弊している。忙しすぎて疲弊している。忙しいと思考が停止してしまう。今の医療現場はウソの病気が蔓延し過ぎて、作動不良に陥っている

・日本の医療技術は確かに高いが、医療全体の水準は決して高くないという評価は、中国の富裕層だけでなく、中国の医師からもよく耳にする話

・多くの医者が「ホントの病気」に携わることを望まないのは、あまりにも待遇が悪いから。めちゃくちゃ忙しすぎるから

・外来患者の10人に9人は、おしなべて来なくてもいい人たち。救急外来の現場も例外ではない。3次救急を専門にしている特殊な施設は除いて、やはり10人に7~9人は来なくてもいい(来ないほうが得をする)患者

・どうでもいい患者も診なくてはいけないこともあり、見かけ上、医者が不足しているように見えているだけ

・医者は「ウソの病気」をたくさん診なければ生活がままならないという、今の「診療報酬制度」の問題がある。つまり、一人の患者をゆっくり診ることが許されないシステムになっている

ありがたい病気とは、「高血圧」「2型糖尿病」「脂質異常症(高脂血症)」「メタボリックシンドローム」「不眠症」。そんなありがたい病気の患者は、今や40歳を過ぎれば、ごまんといる。彼らは元気で、当分の間、めったなことで死にそうにない

・なぜ内臓に脂肪がたまるのか?食べすぎて運動しないから。それ以外に原因はない

ホントの病気とは、「がん」「小児がん」「難病(難治性130疾患)」「アルツハイマー病」「救急疾患(脳出血、クモ膜下出血、脳梗塞、心筋梗塞、重症外傷)」

・おいしい患者は、医者や薬に頼る傾向がある。言い換えれば、医者や薬に依存する度合いが強いということ

・ホントの病気に抵抗する医者とは、ウソの病気をしこたま囲い込んで贅沢に暮らす医者、標準治療しかできない医者、金儲けのために医者になった医者、たまたま偏差値が高くて医者になってしまった医者、製薬会社から裏金をもらっている偉い医者

ホントの病気に抵抗する医療関係者とは、製薬会社、製薬会社にたかる政治家、製薬会社に天下る役人、製薬会社におもねるメディア、自助努力したくないウソの病気の患者

・不定愁訴(身体がだるい、重い、頭が重い、すっきりしない、寝覚めが悪い、食欲がない、眼がかすむ、肩が凝る、腰、膝が痛い、眠れない、便秘が続く、お腹が張る、冷える、顔色がすぐれない、意欲が出ない、気分がすぐれない)は、自己治癒力低下の警告

・健診はやらないよりやったほうがいいが、健診が病気の早期発見というのは誤解。なぜなら、すでに病気は進行しているから。症状が出たり、検査でひっかかったりするまで、手をこまねいているより、自己治癒力を高める努力をしたほうが得策

・厳密に言うと、すでにみんな、がん患者。誰もが、毎日およそ数千個のがん細胞が身体で生まれている。しかし、がん患者の自覚がないのは、自己治癒力のおかげで、日々生まれたがん細胞が、日々壊されているから

不定愁訴が現れることによって、「1日24時間のリズム」が不規則になるという「負のスパイラル」に陥る。40歳からは、1日のリズムを意識しなくてはいけない

浅い呼吸は「低酸素状態になる」「血行不良になる」「低体温になる」。背筋を伸ばして、ゆっくりと大きな深呼吸をする習慣を取り入れる

・現代人は食べすぎ。過食は自己治癒力を著しく低下させる。だから、1週間に1~2日は2食だけにする「プチ断食」がおすすめ

・惰性で薬を飲んではいけない。薬はすべて「毒」。自己治癒力を顕著に低下させる



著者は、医者でありながら、医者や医療業者に反旗を翻しています。しかし、それは反旗ではなく、患者にとって正当な旗のように思います。

患者が正しい知識を持つ以外に、日本の医療制度を適正に戻す方法はないのかもしれません。


[ 2014/05/30 07:00 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『日常の偶然の確率』ティム・グリン=ジョーンズ

「日常の偶然」の確率: あなたが本当の父親じゃない可能性から犯罪の遭遇率まで数字にしてみた「日常の偶然」の確率: あなたが本当の父親じゃない可能性から犯罪の遭遇率まで数字にしてみた
(2013/02/20)
ティム グリン=ジョーンズ

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本書には、人生で遭遇しそうな出来事の確率が記されています。「おやっ!」と思うものから、「なるほど!」と思うまで、豊富な事例が満載です。

その中から、自分の人生に起こりうるかもしれない確率の箇所をまとめてみました。



・オランダ男性の平均身長は183cmだが、100年前には、男性の4分の1が157cmより低かった。これほど急激に身長が伸びた背景には、食生活の大幅な改善がある

・世界の宗教は、「キリスト教3人に1人」「イスラム教4人に1人」「ヒンズー教8人に1人」「中国の民俗宗教17人に1人」「仏教17人に1人」「民俗宗教25人に1人」「新興宗教50人に1人」「シク教277人に1人」「ユダヤ教455人に1人」「精霊信仰524人に1人」

・毎年、地球上で175人に1人が高所から落下して治療を受け、そのうち1%以上が命を落としている

・アメリカの漁師の500人に1人が、毎年仕事中に亡くなっている

小型飛行機の操縦は、常に危険な職業の上位。毎年1750人に1人のパイロットが仕事中に死亡している

屋根の工事に従事する人は、年間で2900人に1人が仕事中に亡くなっている

・オリンピックに参加した選手は、世界の人口の60万分の1.オリンピックに参加して、金メダルをとる確率は2200万分の1の確率

危険なスポーツの死亡率。ハンググライダーは11.6万回飛んで1人。スキューバダイビングは20万回潜って1人。ロッククライミングは32万回登って1人。スキーは155.7万回行って1人

・世界に100万ドル以上の資産を持つ人が700人に1人

・IQ(知能指数)130以上の天才は50人に1人。IQ160(アインシュタインのレベル)を持つ人は3万人に1人。IQ172以上の人は世界で7000人、100万人に1人の確率

・オーストラリアで犯罪の被害者になるのは、1年に3人に1人。スコットランドで暴行を受けるのは、1年に60人に1人。南アフリカで殺されるのは、1年に3000人に1人

殺人事件の被害者になりやすい国。南アフリカ1500人に1人、エルサルバドル1600人に1人、コロンビア1900人に1人、コートジボアール2000人に1人、グアテマラ2400人に1人

・人口比で警察官の割合が高い国。イタリア180人に1人、ドイツ345人に1人、南アフリカ360人に1人、アメリカ455人に1人、オーストラリア500人に1人、イギリス500人に1人、日本555人に1人、カナダ560人に1人、インド1000人に1人

死刑の多い国。イラン21万人に1人、サウジアラビア27万人に1人、中国77万人に1人、パキスタン469万人に1人、アメリカ816万人に1人

肥満大国(BMI値30以上の割合)。サモア94%、キリバス82%、アメリカ67%、ドイツ67%、エジプト66%、ボスニア・ヘルツェゴビナ63%、ニュージーランド63%、イスラエル62%、クロアチア61%、イギリス61%

・アメリカ人の175人に1人が年に美容整形手術を受けている。420人に1人が豊胸手術を受けている

生物に襲われて命を落とす確率。蚊100分の1、ヘビ1500分の1、ハチ5万分の1、サソリ20万分の1、虎20万分の1、象30万分の1、ライオン30万分の1、カバ65万分の1、クラゲ100万分の1、牛100万分の1、ワニ116万分の1、犬500万分の1

・1人のアメリカ人が死ぬ確率。心臓病5分の1、交通事故100分の1、自殺121分の1、銃殺325分の1、溺死9000分の1、飛行機の墜落2万分の1、洪水3万分の1、地震13万分の1、隕石の衝突50万分の1、落ちたココナツに当たる65万分の1

宇宙人に誘拐された経験があると答えたアメリカ人は、何と500人に1人。エクソシストが300人前後いるイタリアで、悪魔祓いを求める人は1万人に1人以下



死ぬ確率など、あまり想像したくないものですが、注意喚起のため、安心のため、本書の確率を読んでおいても損はないように思います。

死ぬ確率の高いところには、できるだけ、「危うきに近寄らず」かもしれません。


[ 2014/05/23 07:00 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『外でも粗食・「外食」を「害食」にしないための方法』幕内秀夫

外でも粗食外でも粗食
(2011/07/26)
幕内 秀夫

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幕内秀夫さんの著書を紹介するのは、「1食100円「病気にならない」食事」に次ぎ、2冊目です。健康のため、食事に気をつけようとしても、外食の回数が多いと、やる気を失せてしまうものです。

本書には、外食でも、健康的な食事を維持する方法が書かれています。外食の多い方には朗報です。その具体的方法について、まとめてみました。



自然界のものならば、食べる量にも限界があるが、こと精製食品でおいしく味付けされたものにいたっては、お腹が空いていなくても食べられてしまう。こうして、歯止めが利かなくなり、生活習慣病やメタボ、婦人科系疾患の増加につながっていく

・歯止めが利かなくなるという点で、精製食品はアルコールと同じ

・人間と動物との最大の違いは、「母乳」が甘いということ。これは、母乳に含まれる「乳糖」が甘いから。乳糖は炭水化物の一種。つまり、人間は、生まれながらにして、炭水化物を欲し、主成分にして生きる動物

・「明日も行きたい」と思う店は、体にもいい店

・早食いになると、濃厚な味の食べ物をどんどん欲するようになる。あわただしい店を選んではいけない

・換気扇が汚いということは、フライパン料理が多いということ。つまり、揚げ物や炒め物など、油だらけの店。換気扇の汚れた店には入ってはいけない

・外食メニューを選ぶときは、精製食品、中でもマヨケソ(マヨネーズ、ケチャップ、ソース)をいかにして避けるかが重要

・野菜の「煮物」、「和え物」、「お浸し」の多い店を選ぶこと。これらの料理が多い店は、間違いなくおいしい。店の質を見極めるリトマス試験紙になる

・「何を食べるか」より「何を食べないか」から考える。メニューの選び方としては、「砂糖、油、うま味調味料、マヨケソをいかに避けるか」が重要になる

・健康志向の人は、寿司屋では、アジやサンマ、サバ、イワシ、コハダなど青身の魚を食べたらいい。避けたいのは、ハマチやヒラメ、タイなど、養殖が多い白身魚

・そば・うどん屋は、総合的に見ても、良い外食。ところが、悲しいことに、女性は「野菜が少ない」という理由で避ける。たしかに、野菜は少ないが、それ以上に、体に摂り入れたくないものが少ないから、健康によい

・工場製品は、長期輸送、長期保存を可能にするため、防腐剤などの添加物を使用する場合が多い

・コーヒーは神経系に効く薬物の一種。強力な興奮剤であり、軽度の常習性がある。その作用は、タバコやアルコールと同じ。また、チョコレート(ココア)も、神経系に効く薬物

・アルコールをそれほど飲まず、タバコを吸わない人は、甘いお菓子を好む人が多い。スイーツもアルコールやタバコと同様、とても依存性が高いもの

・ファーストフードは「外食」が「害食」になった典型。「精製穀物」「油」「砂糖」「うま味調味料」と、4種類の精製食品が含まれる。さらに悪いことに、ジュースや清涼飲料水など、砂糖をたっぷり含んだ飲料がセットでついてくる

・健康になるための「外食術」とは、「定食屋は家庭料理に近いメニューを選ぶ」「寿司屋は女性こそ利用すべき」「ファミレスは和食メニューに絞る」「居酒屋はひとりで行くべき」「弁当屋は油攻めに注意すべき」「コンビニではおにぎり、スーパーでは惣菜を選ぶべき」

・乳酸菌や食物繊維をたっぷり摂り入れたからといって、基本食である米を食べなければ、意味はない。野菜などで食物繊維を摂る人よりも、ごはんをしっかり食べる人のほうが便秘は少ない

・飲食店が、どんどん日常食から離れ、快楽を提供する場になりつつある。注意しないと、毎日が正月やクリスマス、忘年会のようになってしまう



外食は、月に1~2回なら、いいですが、外食が日常茶飯事なら、摂るメニューに注意しないと、健康な体を蝕んでいく恐れがあります。

そうならないためにも、本書に目を通しておく必要があるのではないでしょうか。


[ 2014/02/28 07:52 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『あなたのがんリスクを確実に減らす本』寺本研一

あなたの“がんリスク”を確実に減らす本 (らくらく本)あなたの“がんリスク”を確実に減らす本 (らくらく本)
(2013/08/22)
寺本 研一

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著者は、臨床医として、がんに関するさまざまな局面に立ち会ってきた方です。本書には、部位別の「がんにかかる可能性」「がん予防」「がんリスク減少法」が載っています。

がんにかからない体をつくるために、参考になります。その一部をまとめてみました。



膵がんは罹患率が低い「かかりにくいがん」だが、いざかかってしまうと、死亡率が高い「死にやすいがん」。つまり非常に怖いがん

・がんにかかる理由は大きく分けて4つある。「1.生活習慣(食事、肥満、煙草、飲酒、運動不足など)」「2.感染症」「3.環境因子(職業など)」「4.遺伝的要因(体質)」

・全部位のがんに対する男性の罹患率は、75歳までで28%、生涯で見ると54%に倍増する。女性は75歳までが20%、生涯になると41%。がんと言えば、働き盛りの40代、50代のイメージがあるが、実際には75歳以上の高齢者がたくさんかかっている

5年後死亡率が50%以上のがんは、「膵がん」「胆道がん」「肝臓がん」「肺がん」「食道がん」の順。がん患者割合10%以上のがんは、「乳がん」「胃がん」「大腸がん」「肺がん」「前立腺がん」の順。「死亡率の高いがん」と「かかりやすいがん」には特に注意が必要

胃がんにかかりやすい人「中高年の男性」「煙草は20歳のころから1日1箱」「塩分の高い肴で日本酒」「医者から胃粘膜が委縮していると言われた」「胃カメラの検査で、胃にピロリ菌がいると言われた」。だが、ピロリ菌に感染していなければ、とりあえず安心

大腸がんにかかりやすい人「腹回りが大きい」「酒好き」「肉、ハムが好き」「野菜嫌い」「運動不足」「定期健診で、メタボリック症候群または予備群と言われた」「大腸カメラ検査でポリープが見つかった」。だが、ポリープがなければ、とりあえず安心

肺がんにかかりやすい人「30年以上毎日の喫煙」「1日30本以上の喫煙量」「建設業や運業の仕事の関係で過去にアスベストを吸った」「咳が出るので医者に行ったら、肺気腫の傾向があると言われた」。だが、早期発見できれば、とりあえず安心

食道がんにかかりやすい人「中高年の男性」「フラッシャー(酒を飲むと顔が赤くなる)」大酒飲みで濃い酒が好き」「喫煙家」「熱い飲み物が好き」。だが、フラッシャー・飲酒・喫煙の3つがなければ、とりあえず安心

肝臓がんにかかりやすい人「太っていて高血圧」「ALT(GPT)の数値が高め」「酒は飲まないのにエコー検査で脂肪肝と言われた」「B型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルスに感染」。だが、B型・C型肝炎ウイルス感染がなく、ALTが30以下なら、とりあえず安心

膵がんにかかりやすい人「酒好き」「検診でメタボリック症候群と言われた」「軽い糖尿病で薬を飲んでいて、最近ヘモグロビンA1cの値が上がった」「親兄弟が膵がんで亡くなった」

乳がんにかかりやすい人「中高年女性」「初潮が早かった」「出産経験なし」「閉経が遅かった」「閉経後に太った」「母親が乳がんにかかった」

子宮頸がんにかかりやすい人「既婚中年女性」「早い年齢の性交渉」「18歳くらいで第一子出産後、続けて2人以上の子を出産」「結婚前のクラミジア感染」「最近、性交渉時にわずかな出血」。だが、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染がなければ、とりあえず安心

前立腺がんにかかりやすい人「高齢の男性」「家族や親戚に前立腺がんにかかった人がいる」

胆道がんにかかりやすい人「中年以後の女性」「太り気味」「以前から胆石があり、症状が出ないので放置していたが、最近痛みを感じる」

・がんリスクを確実に減らす方法は、「血液検査で、胃にピロリ菌がいたら除去する」「血液検査で、B型・C型肝炎ウイルス感染のチェック」

がんリスクを減らす食習慣は、「果物と野菜を毎日400g以上摂取、アリウム野菜と大豆製品の摂取」「緑茶を1日5杯以上(女性)」「赤身肉や加工肉を週500g以下に」「塩分は1日に男性9g、女性7.5g未満」「カビの生えた食品を摂らない」「高カロリー食品を控える」

がんリスクを減らす生活習慣は、「1日にビールはグラス2杯、女性は1杯まで」「禁煙」「やや早歩きの散歩を毎日30分以上」「BMI値を男性21~27、女性は19~25に」「糖尿病にならない」「充分な睡眠」



がんを一括りにせず、部位別の対策と対処法が書かれているので、注意もできますし、安心もできます。

高年齢になると、確実に何らかのがんと付き合っていかなければなりません。高年齢の健康な人におすすめの本でないでしょうか。


[ 2014/02/07 07:00 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『50歳を超えても30代に見える生き方・「人生100年計画」の行程表』南雲吉則

50歳を超えても30代に見える生き方 「人生100年計画」の行程表 (講談社プラスアルファ新書)50歳を超えても30代に見える生き方 「人生100年計画」の行程表 (講談社プラスアルファ新書)
(2011/10/21)
南雲 吉則

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「50歳を超えても30代に見える」には、20歳近く若返る必要があります。その具体的手法が本書に記されています。著者自身も、服装、髪型、体型なども若々しく、写真では「美魔男?」のように感じます。

医者の不養生ではないようなので、信頼できそうです。著者の見解の幾つかをまとめてみました。



肥満は6歳寿命が縮む。タバコを吸っている人も6歳。さらに、独身の男性は8歳、独身の女性は4歳。ほかにも夜更かしなどで睡眠が不規則な人は4年、暴飲暴食をしている人も4年縮む

・「都市型貧乏の人」(袋菓子やコンビニ弁当などで毎日を過ごしている人)は、10年寿命縮む

・森毅京大元教授の唱えた「二乗の仮説」(1の2乗、2の2乗、3の2乗、4の2乗・・・と、数字を2乗しながら並べていくと、個々の数字が体の節目)は、不思議なくらい人生の節目と重なってくる

・「2乗の法則」でわかる人生の分岐点とは、1歳まで(乳時期)、4歳まで(幼児期)、9歳まで(小児期)、16歳まで(思春期)、25歳まで(青年期)、36歳まで(若年期)、49歳まで(中年前期)、64歳まで(中年後期)、81歳まで(老年期)、100歳まで(長寿期)

・不摂生をすれば上皮が荒れる。これが「炎症」と呼ばれる症状で、「発赤」「疼痛」「発熱」「腫脹」「機能障害」という五徴(5つの徴候)が現れる

ガンは不摂生の結果、体を救おうとして現れたもの。だから、ガンになった後も、生活習慣を変えなければ、どんどん大きくなって浸潤・転移をするのは当たり前

・病気の50%が生活習慣に、25%が遺伝や免疫に、残りの25%が生活環境に関係していると言われている

・動物の肉の脂肪分やバター、ラードが室温で固まってしまうということは、血管の中でも固まる可能性があるということ。動物の脂が「飽和脂肪酸」と呼ばれるのに対し、植物油や魚の脂は、室温では固まらないサラサラとした油なので「不飽和脂肪酸」と呼ばれる

・ガンに効くサプリメントはない。効くのは野菜や果物の皮だけ

・心=精神年齢、美=美容年齢、体=肉体年齢。アンチエイジングの世界では、この三つの柱が指標になる

・肉体年齢は、血管年齢、年齢、内蔵年齢、筋肉年齢、関節の柔軟性の総和として現れてくる

・男性は閉経がないから、生涯にわたって「男」であることを維持していく必要がある。生殖能力を失わないことが若さの源

・毎日の食事の中で意識しなければならないのは、「丸ごと食べる」ということだけ。「丸ごと食べる」というのは、「完全栄養を摂る」こと。魚は骨ごと、腹ごと、頭ごと。穀物は全粒で。野菜は葉ごと、皮ごと、根っこごと、食べる

・延命遺伝子を働かせるためには、「腹八分目」でも多過ぎ。できれば「腹六分目」を目指すこと

・お酒は水銀やタバコと同じように「蓄積毒」。実は、一生の間で飲める酒の量は決まっている。男性は500キロ、女性は250キロ。日本酒4合(720mlアルコール度14%ならアルコール量100g)を毎日飲めば、13.7年で生涯飲酒量に到達する

・イギリス・ケンブリッジ大学の研究調査によると、「毎日30分程度の適度な運動」「野菜と果物を300g(こぶし5つ分)摂取」「飲酒の適度な抑制」「禁煙」をすれば、寿命が14年も長くなるという結果が得られた

・激しい運動は体にいいどころか「早死に」の原因。もちろん、ダイエットの効果もない

ふくらはぎこそが「第二の心臓」。歩くことによって、ふくらはぎの筋肉が収縮して、末梢に滞っていた血液を心臓へと送り返す。歩くことだけで、心臓に負担をかけずに、内臓脂肪が燃焼する



著者の言う若返り法は、いたってシンプルで簡単なものです。例えば、スポーツジムで運動することよりも、スポーツジムへの行き帰りを歩くことのほうが大事だとか。何でも丸ごと食べると、バランスのいい食事が自然と摂れるといったものです。

健康のことを考えれば、若く見えることに越したことはありません。今すぐ簡単に実践できそうに思えてきました。


[ 2014/01/03 07:00 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『100年続く老舗寝具店の店主が教える・最高の眠り方』大郷卓也

100年続く老舗寝具店の店主が教える 最高の眠り方100年続く老舗寝具店の店主が教える 最高の眠り方
(2013/02/21)
大郷 卓也

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著者は、老舗寝具店の店主で、睡眠の科学を追究されています。寝具の良し悪しだけにとどまらず、睡眠環境、睡眠時間、体温、呼吸、姿勢、ストレス、いびき、酒、水分と睡眠の関係など医学的な見地にも立たれています。

長い人生において、ぐっすり眠る術を身につけた人は、半分、成功を手中にしたのも同然かもしれません。この本には、ぐっすり眠るヒントが満載です。参考になる点が多々ありました。それらの一部を要約して、紹介させていただきます。



起きているときの姿勢が、そのまま寝姿勢につながり、起きているときの呼吸方法は、引き続き眠っているときにも継承される

・睡眠時間については気にする人が多いが、睡眠の質の善し悪しについて意識する人はあまり多くない。本当に大切なのは、どれだけ眠ったかではなく、どんなふうに眠ったか

・睡眠の質を上げるには、「寝姿勢」「呼吸」「寝具」「適度な運動」の4つを改善する必要がある

眠りに関する悩みワースト5は、第1位「肩が痛い」、第2位「夜中に目が覚める」、第3位「寝付きが悪い」、第4位「腰が痛い」、第5位「疲れがとれない」

・手足などの部分冷えに悩んでいる人は、たいてい不眠に悩まされていたり、眠りの質が低くて、慢性的な疲れを感じている。冷えと不眠の間に相関関係がある

・女性の睡眠の質は、出産・子育てによって著しく低下する。その理由は、妊娠から出産、幼児期までの習慣から生まれる、眠るときの横向きの寝姿勢にある

・健康な体のためには、正しく整った呼吸をする習慣が大切。睡眠時の呼吸は、無意識に行われるものだが、大切なのは、意識して鼻呼吸すること。口で呼吸をすると、口の中が渇き、朝起きたとき、喉がヒリヒリしたり、声が出にくくなったりする

・骨や筋肉の成長を助ける成長ホルモンは、眠っている間に分泌される。成長ホルモンが最も多く分泌される時間帯が、午後10時から午前2時までの間

・人は眠りにつくとき、0.5度ほど体温を上げてから、少しずつ下げていく。そのときに眠りに落ちる。これは、日中酷使した体を冷やして休めるため、体内の熱を体表に出す生理現象

・「太陽の光」「適度な運動」「規則正しい生活」の三つをきちんと取り込んでいれば、セロトニンが機能し、良い眠りを手に入れることができる

・体や心の不調は、実は全部つながっていて、その源流をたどれば必ずストレスに行き着く。そのストレスをたどれば睡眠障害につながる

・女性が長年横向き寝を続けていると、鎖骨が体の重みに引っ張られ、弓なりに湾曲してきてしまう。寝る姿勢はあくまでも仰向けが理想

・敷布団は「筋肉と同じくらいの柔らかさ」のものがベスト。これは、体と布団の間のすき間に、手がスッと入らないくらいのへこみ具合

・寝ていて寒さを感じる原因は、掛布団ではなく敷布団にある。敷布団が暖かい空気を含むことができない状態になっている。敷布団はふっくらとしたものがよい

・頭ばっかり使って、肉体がそれに伴う疲れ方をしていないときには、眠りについた直後から、夢ばかり見ることになる。目覚めもすっきりせずに、おかしな夢を見たという気持ちだけが残る

・不眠で悩む人の体は、一様に背骨のわきの筋肉が硬くなっている

・眠れない人に質問すると、高確率で「湯船に入らない」と言う。シャワーで済ませる人が多い

ぐっすり眠るためには、「仰向け寝」「鼻呼吸」「適正な寝具」「安眠のための適度な運動」睡眠時の4つの習慣が必要

枕の高さは、「1~2cm」(一般女性)「3~4cm」(一般男性)「5~7cm」(高めの枕に慣れている人、体格のいい人)がおすすめ。でも、敷布団の硬さで枕の最適な高さも変わる。敷布団との組み合わせが重要



何がいい睡眠かは、個人差があるように思います。自分に合った睡眠を見つけ、ぐっすり眠ることができれば、人生は3分の1充実したことになります。

本書は、自分に合った快適な睡眠を試行錯誤しながら、見つけ出していくのに最適な書ではないでしょうか。


[ 2013/11/03 07:00 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『「自己の免疫力」で病気を治す本』安保徹、岡本裕

「自分の免疫力」で病気を治す本「自分の免疫力」で病気を治す本
(2011/05/14)
安保 徹、岡本 裕 他

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岡本医師の本を紹介するのは、「9割の病気は自分で治せる」に次ぎ、2冊目です。本書は、安保教授との共著です。今回のテーマは「医師と薬に頼らない」方法です。

医薬業界にとって知られたくないことを、医療の現場にいるお二人が、あえて禁断を犯して発言されています。本書は、金まみれの医療に患者が巻き込まれないための書です。興味深い点が多々ありました。それらの一部を要約して、紹介させていただきます。



・ストレスによって生じる「低体温・低酸素・高血糖」が「エネルギー生成系」(解糖系とミトコンドリア系の二本立て)に影響して、発ガンさせる(安保徹)

・酸素を使い、37℃以上でないと働けないミトコンドリアにとって「低体温」「低酸素」は過酷な環境。この状況が続けば、ミトコンドリアの働きが停止し、エネルギー不足に陥る。具体的症状として、疲労感や倦怠感が出てきて、動きたくないという感じになる(安保徹)

・ガンは特別な病気ではない。不健康な状態がずっと続いたときに糖尿病や高血圧などの慢性病が待っていて、その延長線上にガンがある(岡本裕)

深呼吸する食べすぎない体を温めるといった原則さえ守れば、あとは、ケース・バイ・ケースで、ガンが治った人の話を参考にし、自分が信じたものをやればいい(岡本裕)

・定期的に通っている老人ホームでも、薬を飲んでない人は元気。飲んでいる人は、どこか体調が悪い。じっくり話して、不必要な薬はどんどんやめてもらう(岡本裕)

医療費破綻を回避するには、慢性病治療薬を保険の点数から外せばいい。高血圧、糖尿病、高脂血症、メタボリックシンドローム、カゼ、腰痛の薬を自費にすること(岡本裕)

・炎症は組織修復に欠かせない治癒反応。ステロイド剤の長期使用で、ミトコンドリアのエネルギー生成を抑えてしまうと、炎症を起こせなくなり、やがて寿命を縮める(安保徹)

・医師に課せられた暗黙のノルマは、できるだけ大勢の患者を診て、できるだけ検査をオーダーし、できるだけ多くの薬を処方すること。そんな薄利多売の医療業界に身を置いている医師たちは、ルーチン(日常業務)に追われて、疲弊するばかり(岡本裕)

患者の95%は、カゼ、肩こり、腰痛、頭痛、便秘、高血圧、糖尿病、ぜんそく、不眠、アトピー性皮膚炎、心身症、うつ、肥満、高脂血症など、カゼ以外は慢性病。これらの患者に最低限の薬と検査だけ行っていたら、病院内で絶え間ない逆風にさらされた(岡本裕)

・病院経営者にとって、慢性病ほどコストパフォーマンスのいい病気はない。よほど悪化しない限り、命にかかわらないので、医療裁判はなく、さりとて完治する見込みもない。慢性病の患者に、通院の必要性を説けば、「おいしい患者」になる(岡本裕)

自己治癒力を低下させる原因は、心身にかかるストレス、食事や睡眠などのバランスの乱れ、働きすぎなど、その人の生活そのものにある(岡本裕)

・疲れやすい、体が重い、だるい、目覚めが悪い、肩こり、便秘、手足の冷え、食欲がない、頭痛、腰痛、視力の低下、顔色が悪い、眠れないなどの「サイン」が現れた段階で、心身をいたわれば、自己治癒力も回復し、早ければ1週間で体調がよくなる(岡本裕)

・血液には、熱を運ぶという重要な役割がある。血流が悪くなると、熱の運搬が滞るため、低体温になる。体温は、健康を保つために、最も重視しなければならない(安保徹)

・病気の7割は無理を続けた生き方、3割は持てる力を十分に使わない生き方が原因で発症する。前者は、ストレスから逃れ、心身をいたわること。後者は、まず体を動かし、交感神経を刺激することで、治癒を高める(安保徹)

・熱が高くなると、体がだるくて動けなくなり、「病気がどんどん悪化するのでは?」と思いがちになる。寝込むのは、体を省エネモードにして、余剰のエネルギーを修復に向けるための体の反応。だるさにも病気を治す積極的な意味がある(安保徹)

かゆみを解消するには、体の排泄反応を応援してあげること。体操や散歩などで、体を動かし、入浴で体を温めれば、血流がよくなって毒出しが進み、かゆみも治る(安保徹)

・消炎鎮痛剤を日常的に使う人は、慢性的な交感神経緊張状態に陥り、新たな病気に見舞われる。湿布薬を貼り続けると、不眠、便秘、高血圧になることが多い。その他、高血糖、胃もたれ、胸やけ、手足の冷え、頭痛、生理痛、便秘などの不調が起こる(安保徹)

・薬をやめた人ほど元気になる。病気の9割は「命にかかわらない病気」。自助努力で治せる。にもかかわらず、病気が治らないのは、薬に頼り、薬の害を受け続けるせい(岡本裕)



国民医療費は増大していくばかりです。税金泥棒(タックスイーター)にならないためには、むやみに医者にかからないことです。そして、慢性病にさせられないことです。

本書は、日本の医療制度の「常識」に反する内容ですが、どちらが賢明なる行為なのか、よく考えてみる必要があるのではないでしょうか。


[ 2013/07/21 07:00 ] 健康の本 | TB(0) | CM(1)

『大便通・知っているようで知らない大腸・便・腸内細菌』辨野義己

大便通 知っているようで知らない大腸・便・腸内細菌 (幻冬舎新書)大便通 知っているようで知らない大腸・便・腸内細菌 (幻冬舎新書)
(2012/11/30)
辨野 義己

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著者は、今までに、世界各地から6000人分の大便を集め、観察して、腸内細菌を数々発見されてきた研究者です。

まさに、大便のプロ、つまり「大便通」です。世界的に見ても珍しいウンチの大家である著者が、大便についてのウンチクを披露されているのが本書です。興味深い点が多々ありました。それらの一部を紹介させていただきます。



・大便の大部分は水分が占めている。下痢の場合は90%以上が水分だが、普通の健康な大便でも重量の80%は水分。どんなに硬くても、その半分以上は水

・大便の固形成分の3分の1は食べカス、3分の1は腸粘膜のはがれカス、残る3分の1が腸内細菌

・水分を除いた大便1gの中には、6000億個~1兆個もの細菌が含まれている。しかも、すべてが同じ細菌ではない。腸内に棲息する細菌は1000種類以上と考えられている

・口から肛門までつながる消化管は、全長8~9m。胃に入った食べ物は、1食分およそ4時間かけて、小腸(全長6~7m)に送り込まれる

・小腸の役割は消化と吸収だけではない。外部から侵入した異物に真っ先に反応し、免疫活性化の臓器として機能する。そのため小腸の働きが弱まると、風邪をひきやすくなったり、疲労が溜まりやすくなる。どんな動物も、小腸に病気を抱えると、長生きできない

・小腸から大腸に送り込まれる内容物は、1日に約600ml。大腸では、そこから水分とミネラルを吸収し、マグネシウム、カルシウム、鉄などを排泄する。それが大便として排泄されるまでの所要時間は、約12時間~48時間

・大腸を通る内容物には「発酵」か「腐敗」かのどちらかが起きる。どちらも微生物による分解作用だが、人体に有益なものが「発酵」で、有害なものが「腐敗」

・「臭い」がきつくなるのは悪玉菌の特徴の一つ。肉をたくさん食べる人の大便によく見られる。オナラに含まれるガスの成分は、腸内に悪玉菌が少ない場合は、窒素、二酸化炭素、水素、メタンガスが大半を占めている。これらは、臭いはほとんどない

・典型的な大便の色は、黄土色や茶色。これは脂肪の分解・吸収に使われる胆汁による色づけ。肉を食べすぎると、悪玉菌が増殖して腐敗が進み、大便は黒っぽくなる。そんなに肉を食べていないのに、黒色の大便が出たとしたら、腸内での出血を疑ったほうがいい

・大便は、便意をもよおしたときに出すのが一番。ただし、排便を促す直腸の蠕動運動は、1日に1~2回程度しか起きない

・下剤を使っても2週間に1回しか大便が出なかった女性たちに、ヨーグルトを毎日300gずつ食べさせたら、効果てきめんだった。およそ1週間程度で、大便が出るようになった

・大便がたくさん出れば、有害物質もそれだけ体外に排出される。とくに食物繊維は、ほかの食べカスよりも有害物質を効率よく吸着するので、おなかの中を掃除してくれる

・死亡数1位はがんで30%。そのがんの中でも、男性は肺がん、胃がんに次ぎ、大腸がんが第3位。女性は大腸がんが第1位。大腸がんは顕著な増加傾向を見せている

・精神的ストレスによる下痢や便秘に悩んでいる人は、「過敏性腸症候群」の疑いがある。腸内に悪玉菌が多いところに、ストレスが加わり、善玉菌が減って腸内環境が悪化する

・肥満の人は、痩せている人よりも腸内細菌のバクテロイデス類が少なく、ファーミキューテス類が多い。腸内細菌の種類によって、人間が太ったり痩せたりする

・あまり息むことなく、ストーン、ストーンと楽に出ることも「良い大便」の条件。また、便器の底に沈むような便は水分が少なく、あまり健康的でない

・大便をチェックするときの重要なポイントは「色」と「臭い」。色は黄色がかった褐色がベスト。これは腸内にビフィズス菌が多い証拠。悪玉菌が多い大便は、思わず息を止めてしまうような腐敗臭を発し、黒みが強くなる

・「ヨーグルトをトッピングしたサツマイモ」は、理想的な大便を出すのに、もってこいのメニュー。サツマイモは、ヨーグルトに欠けているビタミン類、カリウムや食物繊維を多く含んでいる上に、ナトリウムの抑制作用もあるので、高血圧の予防にも役立つ


本書を読むと、大便は健康のバロメーターになるとともに、簡単にチェックできる、大変便利なツールであることがわかります。

ストレス、風邪、疲労、肥満といったものだけでなく、がんのチェックにも大便の観察が有効なようです。大便通になることが、健康通になる近道なのかもしれません。


[ 2013/03/16 07:03 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『なぜ人は砂漠で溺死するのか?』高木徹也

なぜ人は砂漠で溺死するのか? (メディアファクトリー新書)なぜ人は砂漠で溺死するのか? (メディアファクトリー新書)
(2010/08/25)
高木 徹也

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著者は、5000に及ぶ不審死体を解剖してきた法医学者です。本書は、豊富な実績をもとに、不慮の死の原因を詳しく論じるものです。

私たちの身の回りにある死の危険を回避するためにも、本書に目を通すことは重要だと思います。その貴重な内容の一部を、要約して紹介させていただきます。



・「風呂溺」とは、風呂場における溺死の意味。監察医・検案医として日頃接している突然死のカテゴリーでは、風呂溺が圧倒的に多い。特に、冬場における中高年男性の突然死第1位は間違いなく風呂溺

・満腹かつアルコールの入った状態で、お風呂に浸かると、ふーっと眠くなる至福の瞬間がある。それは、眠気に襲われているのではなく、気絶しかけている。医学用語で、「一過性脳虚血」という症状。意識が遠のくのは、一瞬、死に近づいていると考えたほうがいい

・日本では、風呂溺で年間1万人以上死んでいると推定される。交通事故で死ぬより、風呂場で死ぬ確率のほうが2倍高い。日本は、風呂溺大国

・鼻や口から水が流入して、完全に窒息したら、タイムリミットは5分。無酸素状態が5分以上続くと、脳が回復不能のダメージを負ってしまう

・睡眠薬中毒による風呂溺は、比較的若い人に多い。1錠飲んでも効かなかったので、もう1錠飲んで、寝る前に温まろうと入浴するうちに、いつの間にか薬が効いてくる。仕事が忙しい不眠症傾向の女性などに多いパターン

大動脈解離で突然死した人の遺体には湿布薬が貼られていることが多い。貼られている場所は、左の肩甲骨のあたりで、背中の中心線より少し左側。そこに上下2枚貼ってある。家にある湿布薬を「背中が痛いから貼ってくれ」と、奥さんに貼ってもらうケースが多い

・心臓には知覚神経が通っていないから、心臓がボロボロになっても、心臓自体に痛みを感じない。しかし、「放散痛」といって、別の部位に痛みとして現れる。心筋梗塞の際の放散痛は、主に左肩や左上腕部に現れる。体のほうで、「心臓が危ない」と、シグナルを送る

・遺体の腰の部分に湿布薬が横向きに貼られていたら、膵炎の可能性がある。膵炎を発症している状態は、膵臓と密接な関連がある肝臓にも、重大な異変があることが疑われる

・心筋梗塞の放散痛がもっとも出やすいのは、みぞおちの部分。自覚症状は「おなかが痛い」「気持ちが悪い」「吐き気がする」など。心臓は横隔膜の上に乗った状態で、横隔膜は腹膜に接している。そのため、敏感な腹膜が、心臓付近の障害をおなかの痛みと感じる

ポックリ病で死亡するのは、決まって、日頃から多忙な人。証券会社や広告会社の営業マン、新聞記者、刑事、病院勤務の医師や看護師など、仕事の時間が不規則で、しかも非常なストレスにさらされながら働いている人が多い

・青年突然死症候群には、脂肪肝を持っている死亡者が比較的多い。しかも、この脂肪肝は、なぜか「非アルコール性脂肪肝」が多く、「メタボ」が関係している

・山では、人の体温を奪う。気温が10℃でも、毎秒10mの風速の「対流」があれば、体感温度は0℃まで下がる。また、冷たい石や岩に体が接する「伝導」で、体温も奪われていく

・細菌やウイルスに感染したときには、体を発熱させてしまったほうが、体内に侵入した異物を殺せる。ただし、脳は守らなければならない。頭だけはギンギンに冷やすこと

・死後損壊の一種として、動物や虫に死体が食われることを「蚕食」という。山林に遺棄された死体は、動物によく食われる。屋内でも、ネズミや虫に食われることがある

・どんなに喉が渇いても、海水を飲むと死を招く。海水を飲むと、赤血球が壊れ、赤血球のカスが腎臓に溜まり、目詰まりを起こし、腎不全の状態になる。どうしても、水分補給したいなら、おしっこを飲むほうがずっと安全。

・自宅以外のもの珍しい場所でコトに及ぶと、男性はどうしても、必要以上に興奮する。そして、歳も顧みずにハッスルし、自らの肉体を酷使してしまうのが腹上死のパターン

・「性交渉の相手は、どんなに若くても、年齢差二回り(24歳)以内に留めておくべき」という、法医学者が書いた論文もある

・性行為中や自慰行為中に男性が急死する場合、どの事例にも共通するのは、死ぬのは決まって射精した後。興奮が高まっていく途中で死亡した例はない。射精するまで死ねないのか、射精後に気が抜けて死んでしまうのか、いずれにしても、男性は悲しい生き物



不審死体という事例から、さまざまなことの原因が見えてくることがわかります。死体が、われわれの日常生活に、警告を発してくれているのかもしれません。

日頃の健康維持対策として、体の予防策として、本書の知識は役に立つのではないでしょうか。


[ 2013/01/19 07:02 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)

『こころの免疫学』藤田紘一郎

こころの免疫学 (新潮選書)こころの免疫学 (新潮選書)
(2011/08)
藤田 紘一郎

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藤田紘一郎東京医科歯科大名誉教授の本を紹介するのは、「不老の免疫学」「腸健康法」に次いで、3冊目です。役職や肩書はお堅いですが、カイチュウ博士として、本の執筆も数多くあり、たくさんのファンがいらっしゃる方です。

今回紹介する本は、腸と心の関係を真面目に研究されているものです。腸と心の関係は、知らなかったことの連続で、参考になることが多々ありました。それらの中から一部を紹介させていただきます。



・この10年間で2倍以上増えた疾患は、アトピーや喘息などの「アレルギー疾患」と、うつなどの「こころの病」。これらの病気は、50年前の日本にはほとんど見られなかった。現代日本人の免疫力低下が急激に低下したことが原因と考えられる

・イタリアには公立の精神病院に通う患者は一人もいない。また、アメリカ、イギリス、フランスなどの先進国では、精神科の病床が急激に減少している。しかし、日本では増え続けている。これは、「こころの病」が精神科任せにされていることを象徴するもの

「セロトニンなど脳内で幸せを感じる物質の前駆体の95%は腸で作られている」(コロンビア大学マイケル・D・ガーション教授)。つまり、笑いやうれしさを感じることが少なくなったのは、腸内細菌の減少が関係していると言える

・私たちの免疫力のおよそ70%は腸内細菌が握っている。免疫力を高めるには、穀類、豆類、野菜類などの植物性食品、特に腸内細菌が住みやすい環境を作り、そのエサとなる食物繊維を多く摂ることが必要

・「糞尿は水に浮かぶのがよい。食物繊維が多ければ、ガスが発生するから浮かぶ。そして、数分後に沈む」(辻啓介・兵庫県立大学名誉教授)。糞尿の比重は、食物繊維を多く摂っている場合、1.045から1.067。この比重なら水に沈むが、実際はガスが発生して最初は浮く

・「メキシコ人はなぜハゲないし、死なないのか」の著者明川哲也さんは、世界各国のたんぱく摂取量における豆類の比率と自殺率を比較している。その結果、食物繊維を多く摂るメキシコの自殺率が低く、食物繊維の摂取量の低い「便秘国家」が自殺大国だとわかった

・中国科学院の金教授は、農場の豚に乳酸菌を混ぜたエサを与える研究を始めた。その結果、2~3週間後、豚のさまざまな病気が治りはじめ、おとなしく、人になつくようになり、豚舎の臭いも減った。乳酸菌を与えた豚とそうでない豚と、驚くほどの違いが現れてきた

・ドーパミンは「幸せを記憶する物質」。逆にドーパミンが足りないと、悪いことばかり思い出すようになる。セロトニンやドーパミンを脳内に増やすには、たんぱく質と腸内細菌が必要。そして、ストレスを受けないようにすることも大切

・うつ患者は脳内セロトニン量が少ない。血液中のセロトニン値が低い人は、コレステロール値も低い。これは、コレステロールが少ないと、うつ病になりやすいことを示している

・「こころの病」で苦しんでいる人たちは、食材の好みが偏っている特徴がある。たとえば、一日にコーヒーを何十杯も飲む人、白米やパンなど糖質が大好きな人、砂糖の摂取量が異常に多い人など。若い女性患者には、ダイエットに取り組んだ経験のある人も多い

・精神障害がある場合、ともすれば「生きるという苦労を忌避した状況」になりがち。治療の基本は、「病気をよくする」というよりも、むしろ「苦労できるようにする」という、世間で考えられている逆の方法をとるとよい

・可愛がってもらえない子供は発育が遅れ、身長や体重が増加しない。これは、「優しさ」という感性の情報が欠如することによって、こころのプログラムが円滑に作動しなくなり、成長ホルモンの分泌や食べ物の消化や吸収がうまくいかなくなることを意味する

・人類が「よかれ」と思って作り上げてきた文明社会は、実はストレスに満ち溢れるもの。過酷なストレスが「優しさ」を奪い去り、私たちの神経系・内分泌系・免疫系による個体制御システムを破綻に追い込んだ。その結果、私たちの免疫力は低下してしまった

・現代日本人の食物摂取量は、戦前の半分以下。アメリカ人の野菜摂取量は年々増加しているのに、日本人は低下し続けている。日本人の糞便の量は戦前の40%近くまで減った。野菜や食物繊維は、腸内細菌が大好きな餌、そして、糞便の半分は腸内細菌

・日本人の腸内細菌は餌不足のために、急激に減少した。その結果、セロトニンやドーパミンという「幸せ物質」が脳に届かなくなり、うつ病などの「こころの病」が増えた

・免疫の70%は腸内細菌が作り、残り30%にこころが関係している



私も、強いストレスを感じたとき、腸が緩み、下痢気味になることがあります。したがって、ストレスと腸の関係はあると分かっていましたが、逆に、この本によれば、腸の状態が悪いと、ストレスが生じることもあるようです。

本書を読み、「心」と「腸」の密接な関係を知り、腸をもっと大切にケアすることで、こころの病もケアすることができるのではないでしょうか。


[ 2012/12/01 07:02 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)