とは学

「・・・とは」の哲学

『花ひらく心ひらく道ひらく』坂村真民

花ひらく 心ひらく 道ひらく (講談社プラスアルファ新書)花ひらく 心ひらく 道ひらく (講談社プラスアルファ新書)
(2001/05/21)
坂村 真民

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坂村真民さんの詩を、このブログで何度も紹介してきました。遺された詩は、出版されているものだけでも、まだ数多くあります。

本書には、坂村真民さんの心籠った詩が200ほど収められています。その中から、過去にすでに紹介した詩を除き、新たに気に入った詩を選び、自分なりにまとめてみました。



・「かなしみはいつも」 かなしみは みんな書いてはいけない かなしみは みんな話してはならない かなしみは わたしたちを強くする根 かなしみは わたしたちを支える幹 かなしみは わたしたちを美しくする花 かなしみは いつも枯らしてはならない

・「手を合わせる」 手を合わすれば 憎む心もとけてゆき 離れた心も結ばれる まるいおむすび まるいもち 両手合わせて作ったものは 人の心をまるくする 両手合わせて拝んでゆこう 手を合わすれば 重い心も軽くなり 濁った心も澄んでくる

こちらから」 こちらからあたまをさげる こちらからあいさつをする こちらから手を合わせる こちらから詫びる こちらから声をかける すべてこちらからすれば 争いもなくなごやかにゆく

」 愛とは 呼吸がぴったりと 合うことである

」 大切なのは かつてでもなく これからでもない 一呼吸 一呼吸の 今である

一字一輪」 字は一字でいい 一字にこもる力を知れ 花は一輪でいい 一輪にこもる命を知れ

一番いい人」 何も知らない人が 一番いい 知っても忘れてしまった人が 一番いい 別れたあとがさわやかで 過ぎた時間が 少しも惜しくない人が 一番いい

」 露が 教えてくれるもの まるいものがいい すきとおったものがいい かすかなものがいい じぶんをもとうとしないものがいい

いも」 いもはいつでもいきごんでいる いいものになろうとしている ばかにされてもわらわれても いもはいつも平然としている 見えないところで 自己を作ってゆくものたちの すばらしさよ わたしは目をみひらいて いもを見る

・「」 先生は 変わられましたねと いわれるが わたしは少しも 変わっていない ただ要らないものを 捨てただけだ

・「爪のように」 伸びるのは 爪ばかりではない ほっておけば 欲の皮も 伸びてゆく だから時々 爪のように 切って捨てねばならぬ

・「精一杯」 すべてのものが 精一杯 生きているのだ 蟻も蜜蜂も 精一杯 働いているのだ それが生命を与えられたものの 真の姿だ

・「リンリン」 リンリンと おのれを燃やせ 道の草木も 輝くばかり リンリンと おのれを鳴らせ 空ゆく雲も 湧き立つばかり

・「」 爪を切ったあとの気持ちのよさ 心の爪も ついでに切れたらなあ

・「新生の自分」 しんの変身とは 生きる姿勢を 変えることだ 自分のためばかりに 生きてきた この身を 他の人のために生きる 姿に変えることだ

・「ねがい」 どうにもならない 血を持って生まれ どうにもならない 運命を背負い みんな悲しいんだ みんな苦しいんだ だからお互い もっといたわりあい なぐさめあって 暮らしてゆこう

・「素足になれ」 みんなといってよいほど どこか狂ってきた この人がと思う人が へんな言動をしたりする 地についた生活をしていないからだ 足を地につけずに生きている 人間がふえてきた 人間一日一度は 素足になって 素直になれ

・「つゆのごとくに」 いろいろのことありぬ いろいろのめにあいぬ これからもまた いろいろのことあらん いろいろのめにあわん ころころと ころがしゆかん さらさらと おとしてゆかん いものはの つゆのごとくに

・「うしろを向かないで」 うしろを向かないで 生きてゆこう うしろにはいつも いやな奴がいて 大きな手で 先へ進むのを 引っ張るのだ あの手にかかると 仕事はいやになるし すぐに妥協する 弱い人間になってしまう



本書のあとがきに「私は自分が生きるために詩を書いているので、詩人になるためではない。どうかそのことも知ってもらい、共鳴共感していただいたら、何よりうれしく、ありがたい」という本人が書いた文章が載っています。

自分を詩人と思っていなかったからこそ、このような詩が書けたのではないでしょうか。納得しました。


[ 2014/07/18 07:00 ] 坂村真民・本 | TB(0) | CM(0)

『千年のまなざし』坂村真民

千年のまなざし―未来を開いてゆく愛と平和のために千年のまなざし―未来を開いてゆく愛と平和のために
(1999/01)
坂村 真民

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年末に、NHKのラジオ深夜便に、坂村真民さんの娘さんが出演されていました。坂村真民さんは、毎朝、「念ずれば花ひらく」の石碑に手をかざし、詩のインスピレーションが湧いてくることを祈り願っていたそうです。

一行、一節の短い文に秘められた作者の大きな思いを感じることが詩の醍醐味なのだと思います。

坂村真民さんの本」を紹介するのは、これで5冊目になります。本書は、既存の詩集に入っていないものを収めたものです。その一文をまとめてみました。



・「一心」 限りある命だから 蝉もこおろぎも 一心に鳴いているのだ 花たちも あんなに 一心に 咲いているのだ わたしも 一心に 生きねばならぬ

・「」 孤が 人間を磨く 人間を 本ものにする 孤雲 孤鳥 孤木 孤は わが終生の友

・「歴史は神である」 虐げられた人たち 賤しめられた人たち 苦しめられた人たち そういう人たちに いつかは必ず光が射してくる それが歴史である だから歴史は神である ・・・

・「大念願」 殺さず 争わず 互いにいつくしみ すべて平等に 差別せず 生きる これが 大宇宙の 大念願なのだ ・・・

・「よい夢を持とう」 国籍のない 鳥たちは 無限の夢を持ち 太古から 空を舞い 海を越え 群れをなして 飛んでゆく ・・・ それに比べて 人間たちの 何というみじめな夢か 金や名誉や地位のため 二度とない人生を 支離滅裂なものにし ・・・

・「愛のまなざし」 宇宙を分類したら 真善美となる そしてその調和が 愛のまなざしである

・「回帰」 魚が帰ってゆくように 鳥が帰ってゆくように 星が帰ってゆくように わたしも生の初めに帰ってゆこう 長い間流れ流れて 行方を知らぬ流木のような生活から 古い血が動き出し 生まれた家の柱が呼ぶ ・・・

・「成就」 自分の人格の成就 自分の念願の成就 世界平和の成就 この成就こそ 目に見えるもの 見えないもの 生きとし生けるもの 祈りであり 願いである ・・・

・「凛凛」 リンリンと天地冴え リンリンと霊気満ち リンリンと心機燃え リンリンと梅花咲く ・・・ 凛凛は わたしの好きな 座右の銘 仏島四国の一隅で リンリンの気を吸飲し リンリンと生きてゆこう 鈴よリンリンと鳴れ

・「流れ」 流れ雲 流水 流れてゆくのが 一白水星生まれの わたしの運命 流転の教えが わたしの信仰 つゆくさのつゆとなり ころころころがり 霧となり雨となり またもとの流れとなる ・・・

・「湧き水」 春の湧き水のように 湧き出てくる詩の泉が まだわたしの体の中にはある これがある限り わたしは詩を作り続けてゆける ・・・

・「こおろぎ」 ・・・ わたしはこおろぎの声を 聞いていると 地球のある限り 歌い続ける 深い切ない 愛を感じる あまりにも純粋にして 一途なゆえに わたしはわたしの願いを この小さいこおろぎに 託しておきたい気がする ・・・

・「今」 咲くも無心 散るも無心 花は嘆かず 今を生きる 花の下に立つと いつもそう思う ・・・

・「呼応」 花ひらく時蝶きたり 蝶きたる時花ひらく と良寛さんはうたう まことにまことに 森羅万象が この詩のように 呼応のなかに生きてゆく その喜びを知るまで 生きながらえたありがたさよ ・・・

「嘆くなら」 嘆くなら ただ一つ 愛の足りなさに嘆け 金がないとか 思うようにならぬとか どこそこが痛むとか そんなことよりもっと大事な 愛の足りなさに嘆け ・・・

・「愛」 愛は すべてを 結ぶ 帯である



本書だけでなく、他の詩集も併せて読めば、坂村真民さんの世界が、より味わえるように思います。

自分と自然と世の中を見つめ、問い続けた、坂村真民さんの詩の世界に「回帰」し、「呼応」するのも悪くはないと思うのですが・・・


[ 2014/01/06 07:00 ] 坂村真民・本 | TB(0) | CM(0)

『坂村真民一日一言』

坂村真民一日一言坂村真民一日一言
(2006/12/22)
坂村 真民

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坂村真民さんの著書を紹介するのは、「念ずれば花ひらく」「宇宙のまなざし」に次ぎ、3冊目です。以前紹介した2冊は、詩集でしたが、本書は、坂村さんの文章も含まれています。

坂村さんの世界は、慰められ、癒されるだけでなく、人を励まし、勇気づけ、しかも、生き方まで指南してくれるものです。その世界が凝縮されているのが、本書です。その一部を要約して紹介させていただきます。



・国家にもしばられない、金力にもしばられない、権力にもしばられない、愛にもしばられない、憎にもしばられない、地位名誉にもしばられない、そういう人間でありたい

・競走馬だけが決して馬ではない。働く馬のように、しっかりとした足どりで、この一年を過ごしていきたい

・自分をよりよい者にする努力が大事だ

・一道を行く者は孤独だ。だが、前から呼んで下さる方があり、後ろから押して下さる方がある

・本を百万巻読んでも、本物になれない。本は頭を肥やすが、足は少しも肥やしはしない。足からきた悟りが、本物である

・おごるな、たかぶるな、みくだすな

・およそ迫力のないものぐらいつまらないものはない。迫力、迫力、そして新しい迫力

・若い時は大いにエゴを獲得しなければならない。若くしてエゴを持たない人は、立身も出世もせず、また良い作品を生み出すこともできない。エゴはまったく肥料のようなもの。うんと摂取して、自分を豊富なものにしなくてはならない

・こちらから頭を下げる、こちらから挨拶をする、こちらから手を合わせる、こちらから詫びる、こちらから声をかける。すべてこちらからすれば、争いもなく、和やかにいく

・大事なことは、心に花を咲かせること。小さい花でもいい。自分の花を咲かせて、仏さまの前に持っていくこと

・宗教とは脱皮解脱のこと。かつての彼と今の彼とは、別人のようになっている。そして、それによって面(顔)も一変してくる。私は、そういう人を何人か知っている

・すべて、とどまるとくさる。このおそろしさを知ろう。つねに前進、つねに一歩

・移ろいやすきを花と言い、常にいますを仏と言い、悲しきを人と言う

少食であれ。これは健康のもと。少欲であれ。これは幸福のもと

・私が願うのはユニテ(一致)。どんなに違ったものでも、どこかで一致するものがある。それを見出し、お互い手を握り合おう

・天才でない者は、成熟を待たねばならぬ

・自分の道をまっしぐらに行こうとする以上、どこかで絆を断たねばならない。それができない以上、本物になれない

・天才でない者は、捨ての一手で生きるほかはない。雑事を捨てろ、雑念を捨てろ

最高の人というのは、この世の生を、精いっぱい、力いっぱい、命いっぱい、生きた人

・不死身というのは、人が寝る時に寝ず、人が休む時に休まず、人が遊ぶ時に遊ばないこと。これは天才でない者がやる、ただ一つの生き方だ

・悲しみは、みんな書いてはならない。悲しみは、みんな話してはならない。悲しみは、私達を強くする根。悲しみは、私達を支えている幹。悲しみは、私達を美しくする花。悲しみは、いつも枯らしてはならない。悲しみは、いつも噛みしめていなくてはならない

・こつこつ、こつこつ、書いていこう。こつこつ、こつこつ、歩いていこう。こつこつ、こつこつ、掘っていこう

・よい本を読め。よい本によって己を作れ。心に美しい火を燃やし、人生は尊かったと叫ばしめよ



坂村真民さんの詩や文章は、心の拠り所となる応援歌、いや応援団のようなものかもしれません。

自分の応援団員を持つことは、人生にとって、きっとプラスになるのではないでしょうか。


[ 2013/01/28 07:00 ] 坂村真民・本 | TB(0) | CM(0)

『詩集・二度とない人生だから』坂村真民

詩集 二度とない人生だから詩集 二度とない人生だから
(1999/05)
坂村 真民

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坂村真民さんの詩集を紹介するのは、「念ずれば花ひらく」「宇宙のまなざし」に次いで、3冊目です。

坂村真民さんは、公平の眼と平等の心を有する詩人です。励ましもしてくれ、慰めもしてくれます。本書にも、その信条が随所に表れています。その一部を、紹介させていただきます。


・「わたしの詩」 わたしの詩は、生きるために苦しみ、生きるために泣き、生きるためにさげすまれ、はずかしめられても、なお生きようとする、そういう人たちにささげる、わたしの願いのかたまりであり、湧き水である

・「本もの」 本を百万巻読んでも、本ものになれない。本は頭を肥やすが、足は少しも肥やしはしない。足からきた悟りが本ものである

・「幸せの帽子」 すべての人が幸せを求めている。しかし幸せというものは、そうやすやすと、やってくるものではない。時には不幸という帽子をかぶってやってくる。だからみんな逃げてしまうが、実はそれが幸せの正体だったりするのだ・・・・・

・「名刀のように」 出会いの一瞬で、すべては決まる。だから、その時のために、心を磨いておくのだ。名刀のように

・「冬生まれの真民よ」 冬生まれのしんみんよ。冬のものを食え。冬のものを愛せよ。冬のものと親しめ。冬はお前にいろいろのことを教えてくれるだろう。沈黙、脱落、勇猛、不屈、孤独、克己、そうした冬の性格を身につけてくれるだろう・・・・・

・「光を吸おう」 光を吸おう、光を吸おう。足の裏から、光が出るまで、光を吸おう

・「ウンスン」 かなしいときは、石でも声を出し、うれしいときは、馬でも笑う。ウンともスンとも言わない人間は、ほんとうに生きてない証拠だ

・「天啓」 ふかきを、きわめ、あさきに、あそべ

・「四訓」 川は流れていなくてはならぬ。頭は冷えていなくてはならぬ。目は澄んでいなくてはならぬ。心は燃えていなくてはならぬ

・「花無心」 濁りなき身に、濁りなきものの寄り来る。濁りなき心に、濁りなきものの映り来る。濁りなきものを恋い、路傍の花に向かう。花無心にして、蝶来り。蝶無心にして、花開くとや

・「六魚庵哀歌」 ・・・父ちゃんおそかったね。父ちゃん何してたのと、かわるがわる尋ねる子らよ。慰めてくれるのはお前たちだけ。お前たちだけのために何もかも我慢して、明日もまた働こう。ああどんなに非難されようとも、どんなに鞭うたれようとも・・・

・「手応え」 万年の石には万年の手応えがあり、千年の木には千年の手応えがある。近づけば近づくほど、あのコツーンとくる名作の手応え、何とも言えぬ喜び。氷山のように押してくる、野獣のように迫ってくる、あの摩訶不思議な力。あれをつかまねばならぬ

・「この生き方を」 鳥はできるだけ高く飛ばねばならない・・・そしてそのためにはできるだけ、少なく食をとらなければならない。播かず、刈らず、倉に収めず、明日の日の糧を求めず、すべてを天にまかせて、彼等はその日その日を生きているのだ・・・

・「目をひらくためには」 目をひらくためには、目をとじねばならぬ

・「捨ての一手」 天才でない者は、捨ての一手で生きるほかはない。雑事を捨てろ、雑事を捨てろ

・「ねがい」 どうにもならない血をもって生まれ、どうにもならない運命を背負い、みんな悲しいんだ。みんな苦しいんだ。だからお互い、もっといたわりあい、なぐさめあって、暮らしてゆこう。小さい蟻たちさえ、あんなに力を合わせて生きているんだ

・「こおろぎ讃」 愚かなゆえに、こおろぎのように、一つのうたを、うたいつづけてゆこう。それよりほかに、自分を救う道はない

・「おのずから」 花おのずからにして咲き、道おのずからにして開く

・「あとからくる者のために」 あとからくる者のために、苦労をするのだ、我慢をするのだ。田を耕し、種を用意しておくのだ・・・あとからくる者のために、山を川を海をきれいにしておくのだ。あとからくる者のために、みなそれぞれの力を傾けるのだ・・・



坂村真民さんの詩は、頭からフワっと出た言葉ではなく、体からジワ~っと浸み出した言葉であり、心からギューっと絞り出した言葉です。

熟成されて、年輪を重ねた者だけが表現できる世界です。これらの詩に込められた言葉を咀嚼することで、二度とない人生をしっかり生きていけるのではないでしょうか。


[ 2013/01/07 07:02 ] 坂村真民・本 | TB(0) | CM(0)

『詩集・宇宙のまなざし』坂村真民

詩集 宇宙のまなざし詩集 宇宙のまなざし
(2000/03)
坂村 真民

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坂村真民さんの詩集を紹介するのは、「念ずれば花ひらく」に次ぎ、二冊目です。

仏教の教えのように、じっくり、ゆっくり効いてくるのが、坂村さんの詩ではないでしょうか。本書は、無限に拡がっていく坂村さんの世界が感じられます。

数多くい詩の中で、心にじっくり響いてくる詩を、紹介させていただきます。



・「凛」 砂漠や高山を踏破してきた人の顔は、窯を出た焼き物のように、凛としている。人間こんな顔にならない限り、本ものとは言えない

・「きのこのように」 あたたかい御飯があり、あたたかい風呂があり、あたたかい布団があり、貧しいけれど、親子五人が、きのこのようにかたまって生きる。この家族を神よお守り下さい

・「時間をかけて」 あせるな、いそぐな、ぐらぐらするな。馬鹿にされようと、笑われようと、自分の道をまっすぐゆこう。時間をかけて、みがいていこう

・「一つ」 一つの光をみつめて行くのだ。一つの道をたずねて歩くのだ。一つの事をつづけて進むのだ。他を求めようとせず、ただ一つを目指し、それを深め極めるのだ

・「存在」 ザコはザコなり、大海を泳ぎ、われはわれなり、大地を歩く

・「大木の幹」 大木の幹にさわってみると、大木の悲しみが伝わってくる。孤独というものは、猛獣にすらあるのだ。万年の石よ、沈黙の鬱屈よ、風に泣け、月に吼えろ

・「天を仰いで」 心が小さくなった時は、天を仰いで、大きく息をしよう。大宇宙の無限の力を吸飲摂取しよう

・「嘆くなら」 嘆くなら、ただ一つ、愛の足りなさに嘆け。金がないとか、思うようにならぬとか、どこそこが痛むとか、そんなことよりももっと大事な愛の足りなさに嘆け・・・・・

・「誠実」 誠実であれ、誠実であれ。誠実をなくした時、火は消え、その人も消え、一切の芸も消える・・・・・

・「一念」 念は一念でいい。二度とない人生を懸命に生きてゆく、そういう詩を作り、みなさんに読んでいただく、その一念でいい

・「目」 今一番、目の澄んでいるのは、明治大正昭和を生き抜いてきたおばあさんたちだ。こういう澄んだ深い目は、もう日本から消え去るだろう。悲しみに耐え、磨かれた目は、深海の真珠のように美しい

・「どうしたら救われるか」 どうしたら救われるか。木に聞いてみた。木は答えてくれた。気を充実させることだと。こんどは石に聞いてみた。意志を強くすることだと言う。つぎには、鳥たちに聞いてみた。鳥たちは異口同音にすべてを任せることだと・・・・・

・「手を洗え」 手を洗え、手を洗え。核を作る人間どもよ。手を洗え、神の造り給うた地球を破壊しようとする傲慢の手を洗え

・「川」 川はいい。川のどこがいいか、それはいろんな処に降った雨が、ひとつに集まり、海へ向かって、流れてゆくのがいい。人間もそのように、みんなが幸せを求めて、生きてゆくんだと教えてくれるところがいい

・「野の花」 明るくて、朗らかで、いつもにこにこしている野の花。神から授かった、そのままの装いで、今も咲いている野の花。素直で、遠慮深くて、つつましい野の花。・・・・・ああ慕わしいのは、野の花、野の人、野の心

・「苦」 苦がその人を鍛えあげる、磨きあげる、本ものにする

・「茶と詩」 心悲しむ人のために、心荒んだ人のために、心からおいしく飲んでもらう一服のお茶を進ぜられるようになりたい。・・・・・心苦しむ人のために、心傷ついた人のために、心からうれしく読んでもらう一篇の詩を作り得るようになりたい。・・・・・

・「一途」 尊いもの、一途なる歩み。光るもの、一途なる姿

・「ねがい」 風の行方を問うなかれ。散りゆく花を追うなかれ。すべては、さらさら流れゆく。川のごとくあらんかな

・「晩年」 人間晩年が大事だ。晩年の美如何が、その人を決定する



坂村真民さんのことが、天からの代弁者のように思いました。報われなくても、善いことを真面目に行っている人たちへの応援歌かもしれません。

どんな時も、応援してくれる存在は、ありがたいものです。本書を読めば、進んでいる道は間違っていないと強く語ってくれそうな気がします。


[ 2012/08/14 07:01 ] 坂村真民・本 | TB(0) | CM(0)

『詩集・念ずれば花ひらく』坂村真民

詩集 念ずれば花ひらく詩集 念ずれば花ひらく
(1998/10)
坂村 真民

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本書は詩集です。著者の坂村真民さんは、6年前に97歳で亡くなられました。一遍上人を愛した仏教詩人でした。

人間の心に内省をもたらす詩ばかりです。近年、その愛好者が増え続けています。その代表作である「念ずれば花ひらく」の一部を、ご紹介させていただきます。



・「タンポポ魂」 踏みにじられても、食いちぎられても、死にもしない、枯れもしない。その根強さ。そして常に、太陽に向かって咲く、その明るさ。わたしはそれをわたしの魂とする

・「念ずれば花ひらく」 念ずれば花ひらく。苦しいとき、母がいつも口にしていた、このことばを、わたしもいつのころからか、となえるようになった。そうしてそのたび、わたしの花がふしぎと、ひとつひとつひらいていった

・「鳥は飛ばねばならぬ」 鳥は飛ばねばならぬ。人は生きねばならぬ。怒濤の海を飛びゆく鳥のように、混沌の世を生きねばならぬ。・・・・・

・「すべては光る」 光る、光る、すべては光る。光らないものは、ひとつとしてない。みずから、光らないものは、他から、光を受けて、光る

・「尊いのは足の裏である」 尊いのは、頭でなく、手でなく、足の裏である。・・・・・頭から光が出る、まだまだだめ。額から光が出る、まだまだいかん。足の裏から光が出る。そのような方こそ、本当に偉い人である

・「」 花には散ったあとの悲しみはない。ただ一途に咲いた喜びだけが残るのだ

・「こちらから」 こちらからあたまをさげる。こちらからあいさつをする。こちらから手を合わせる。こちらから詫びる。こちらから声をかける。すべてこちらからすれば、争いもなく、なごやかにゆく。・・・・・

・「からっぽ」 頭をからっぽにする。胃をからっぽにする。心をからっぽにする。そうすると、はいってくるすべてのものが、新鮮で、生き生きしている

・「吹き抜けて行け」 吹き抜けて行け、吹き抜けて行け。善も、悪も、憎悪も、怨恨も。空っ風のように、わたしの体を。吹き抜けて行け、吹き抜けて行け

・「」 悲しい時は、風と共に走れ。嬉しい時は、花と共に舞え

・「大事なこと」 真の人間になろうとするためには、着ることより、脱ぐことの方が大事だ。知ることより、忘れることの方が大事だ。取得することより、捨離することの方が大事だ

・「闇と苦」 闇があるから、光がある。苦があるから、楽がある。闇を生かせ、苦を生かせ

・「悟り」 悟りとは、自分の花を咲かせることだ。どんな小さい花でもいい。誰のものでもない、独自の花を咲かせることだ

・「本当の愛」 本当の愛は、タンポポの根のように強く、タンポポの花のように美しい。そして、タンポポの種のように四方に、幸せの輪を広げていく

・「念根」 念は根である。祈りの根がしっかりと、大地に深く広がり、力を持っておれば、花はおのずと、大きく開き、念は必ず成就する。これは天地宇宙の原理であり、摂理である。お互い、念の根を、しっかりしたものにしてゆこう

・「一字一輪」 字は一字でいい。一字にこもる力を知れ。花は一輪でいい。一輪にこもる命を知れ

・「つねに」 つねに、流れているから、川は生きているのだ。止まるな、滞るな。つねに、動いておれ。頭も、足も

・「信仰」 泥が光る。罪が輝く。それがしんの信仰だ

・「なやめるS子に」 だまされてよくなり、悪くなってしまっては駄目。いじめられてよくなり、いじけてしまっては駄目。ふまれておきあがり、倒れてしまっては駄目。いつも心は燃えていよう、消えてしまっては駄目。いつも瞳は澄んでいよう、濁ってしまっては駄目



本書は、不安、悩み、苦しみを抱えている人たちを癒し、生きる力を与える詩集です。

そして、努力、辛抱、真面目さ、正直さの大切さを、誰にもわかるやさしい言葉で表現した詩集です。

老若男女を問わず、辛くなったとき、哀しくなったときに、手にしたくなるのではないでしょうか。
[ 2012/06/09 07:00 ] 坂村真民・本 | TB(-) | CM(0)