とは学

「・・・とは」の哲学

『稼ぎたければ、働くな。』山田昭雄

稼ぎたければ、働くな。稼ぎたければ、働くな。
(2012/11/05)
山田昭男

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著者の本を紹介するのは、本書で3冊目になります(参照「山田昭雄・本」)。

上場企業(未来工業)の創業者でもある著者の会社には、全世界から視察が相次いでいます。特に、韓国や中国で、著者の経営手法は高く評価されているようです。

日本では、まだそんなに有名ではありません。独特の経営法が、日本企業にとって、違和感を覚えるのではないでしょうか。このユニークな経営法が載っている本書の一部をまとめてみました。



・未来工業ではホウレンソウは禁止。いちいち上の指示や判断を仰いでいると、自分の頭で考えなくなるから

・現在、未来工業には約800人の社員がいるが、人事部はない。人事部がなくて困ったことは一度もない。社内の人の異動は、部長や課長同士で話し合えばすむし、新人の採用も必要な部署がやればいい。人がほしいのは現場。人事部の人員などムダ

・だいたいタイムレコーダーがあると、ズルズルと時間を延ばして残業代を稼ごうとする輩が必ず出てくる。だから、タイムレコーダーを廃止して、残業を禁止した

・たくさん働けば働くほど儲かる、というのは嘘っぱち。いかにして働かないか。うまくいっていない大多数がやっていることを鏡に反転させることで、そのヒントが見えてくる

・泥棒でも、信じてやれば泥棒はしない。世の経営者の多くは、そこが信じきれないがために、結局は社員に裏切られる

・大事なのは、どうやったら客が喜ぶかを考えること。安ければ売れるだろう、と安易な発想に飛びつくからいけない

・未来工業には営業にノルマがない。ノルマを設けると、どうしてもディーラーのところに行きがちになる。でも、実際の商品のヒントを持っているのは、それを使って仕事をする現場の人間

・営業はなるべく現場に行ったほうがいい。職人に「何でや」と、しつこく聞いていくと、最後にポツリと問題点を言ってくれることがある。この、最後の「ポツリ」が営業の成果、ひいては会社の命運にまで大きく関わってくる

・儲けたかったら、倹約も重要だが、それ以上に浪費が大切。倹約するか、浪費するか、その基準は、それをやって「やる気が出るか」「人が喜ぶかどうか」にある

・江戸の商人が新しい店を出す時は、その店に3年間、米を送り続けた。商売ではそれが普通。つまり、最初の3年間は損をする覚悟をしなければならない

・営業で一番大事なのは、お客をもてなすことではなく、お客と仲良くなること

・虚礼など、どんどん廃止すればいい。喜ばないものにお金を使うのは、ムダ以外の何ものでもない

・今の市場で十分食っていけているものを、なぜわざわざ大変な思いをして、海外に行く必要があるのか

・パートや派遣社員を使って、人件費が劇的に減らせたのなら、会社はもっと儲かってもいいはずなのに、潤う会社が一向に増えない。アメを与えず、ムチだけ残して、正社員と同じように働かせようとするのは土台無理な話

・人を動かしたいなら、命令するな!そのためには部下を「説得しろ」。命令ではなく、説得。説得して納得させる、そこがポイント

・車を持っていない。維持費がバカにならないから。当然ながら、社用車もないし、運転手もいない。社長がどうしても車に乗りたければ、中古の軽自動車で十分

・先着順で採用しても人は育つ。新卒をどう育てるかは、すべて会社の手腕にかかっている。育たないのは、育てられる人間のせいではなく、育てる人間が悪いから

・選んだ人間が期待した以上の成果をあげられなかったとしても、その人が100%の力を出していれば、それだけでも大成功。会社とは、社員それぞれの100%の力が集まって伸びていくもの



年商200億円、40年間赤字ゼロという業績を上げている社長だからこそ、発言に説得力があります。

常識にとらわれないユニークな経営法ですが、儲かっているので正しいと思います。株式会社は、儲かるのは善、儲からないのは悪なのですから。


[ 2014/01/15 07:00 ] 山田昭男・本 | TB(0) | CM(0)

『日本一社員がしあわせな会社のヘンな“きまり”』山田昭男

日本一社員がしあわせな会社のヘンな“きまり”日本一社員がしあわせな会社のヘンな“きまり”
(2011/11)
山田 昭男

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未来工業(電気設備資材メーカー・二部上場)の創業者である著者の本を紹介するのは、「ドケチ道」に次ぎ2冊目です。日本の横並び的な経営管理法を否定しながら、高い利益率を出す会社のオーナーとして有名です。

その経営法は、常識を覆すものばかりです。すなわち天才的です。この天才経営者のマネジメント法は、勉強になるだけでなく、勇気をも与えてくれます。その一部を紹介させていただきます。



・第一に差別化すべきは製品。「絶対よそと同じ製品は作らない」「よそと同じものしか作れないのなら、それがどんなに儲かる製品とわかっていても発売しない」

・「残業や営業ノルマの禁止」「定年70歳」「全員正社員」「育児休暇3年」「有給休暇を除いて休日140日」「年間就業時間1640時間」などの差別化は、社員たちが「この会社のためにがんばろう」と思ってくれるためにはどうすればいいか?と考えた結果

・よそと差別化していくためには、常に考える習慣を付けないといけない。新製品のアイデアや仕事の効率化について考え続けないといけない

職人さんが喜ぶ4つの要素「簡単に作業できる」「速く作業できる」「上手に作業できる」「安く作業できる」に「見た目」を加えた部分で勝負をして、うちの製品はファンを作ってきた

・社長になる人間は、まず自分がバカということを認めるところから始めないといけない。自分ではそう思っていないから「社員は管理しないと・・・」という発想になる

・たくさん売りたい、高く売りたい、いいモノを作りたい、安く作りたい、いいモノを買いたい、安く買いたい、と現場で考えるのは社員の仕事。社長の仕事は、彼らにがんばってもらうための「餅」の与え方を考えること。だから、社長が陣頭指揮をしてはいけない

・中小企業では、出せる給料には限度がある。だから、その分、休みを多くしている。休みというのは、お金が要らない。だから、増やすのは簡単

・製造業で一番多いのは8時~17時。差別化しないといけないから、8時30分~16時45分までにして、1日7時間15分にした

・残業は禁止。休みも多いから年間にすると労働時間は1640時間。これについては、政府系機関から「日本一勤務時間が短い会社」と認定された

・言っておくが、残業手当を出さない会社は法律違反だ。そんなことまでして金儲けはしたくない

・うちの800人弱の社員全員は正社員。多くの会社は、コスト意識が足りないのに、パートや派遣社員を雇う。仕事内容は、正社員とほぼ一緒で、給料半分、ボーナス10%、退職金ゼロ。それで「コストが下がった」のなら、人間をコスト扱いしているということ

・金儲けをしたい経営者たちが謳うのが「いいモノを安く」という言葉。しかし、いいモノを安く売っては儲からない。「いいモノを安く」の行き着く先は、過当競争

・「お客さんから『まけろまけろ』と言われて値段をまけたら、それは負け。しかし、そう言われてもまけなければ、会社の勝ち」(花登筺)

・「たくさん買うから安くしろ」と言われても、製造業では、時間単位で作れる数が決まっている。たくさんの注文をくれても、残業になれば、社員に25%増、深夜作業なら50%増の残業代を払わなくてはいけない。すごくコストが上がるのに、安くできるわけがない

・評価を人間がやる限り成果主義は導入しない。だから、ひたすら「年齢とキャリア」で給料を決める

・守衛を正社員で雇ったら、年間に750万円の支出になる。被害額がそれ以上になったら守衛を置く意味があるが、そうはなっていない。泥棒に盗まれる額とコストの算数が大事

・韓国企業が「注目する日本の経営者」の5位に入った。他の人は、松下幸之助、稲盛和夫、孫正義、本田宗一郎、永守重信、山内溥、柳井正など超大企業の経営者で、自分だけが中小企業だった

・うちの工場には、韓国から年間1500人が見学に来る(見学料は1人2000円)が、韓国の企業は勉強熱心


日本で、著者のことがもっと評価されるべきですが、自分を否定された気持ちになるのか、日本の企業経営者や社員は、見て見ぬふりをしているように思います。

隠れた異彩の経営者であることは確かなようです。さらに、著者の本を読んでみようと思っています。


[ 2013/08/28 07:00 ] 山田昭男・本 | TB(0) | CM(0)

『ドケチ道―会社を元気にする「生きたお金」の使い方』山田昭男

ドケチ道 ―会社を元気にする「生きたお金」の使い方ドケチ道 ―会社を元気にする「生きたお金」の使い方
(2010/09/28)
山田 昭男

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著者は、岐阜県に本社を構える未来工業株式会社(電気設備資材メーカー・二部上場)のオーナーです。労働時間が日本一短い会社として有名です。

社員本位のユニークな経営は、今の日本の会社に警笛を鳴らすものです。そして、付加価値の高い経営法は非常に勉強になります。その一部を紹介させていただきます。


・未来工業は、ドケチで有名だが、休みが日本一多い会社(有給休暇を除き年間140日)。社員の年間総労働時間は1640時間。残業禁止仕事の持ち帰り禁止。タイムカードなし

経常利益率の低い会社の経営者に限って、安い賃金で、長時間働かせようとする

・1965年創業以来、赤字ゼロ。1985年から売上高も200億円を越え、2010年の経常利益率は15%。休みが多い割に、利益率の高い会社として知られる

・就業時間内に仕事を終わらせるのも、電気代の節約も、すべての社員に「常に考える」クセをつけさせるのが目的

・社員は、常に考えているから、社長に何の相談もない。未来工業は「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」も禁止

・社内の蛍光灯は、引きひもスイッチが下がっている。自分の席を離れるときは、必ず蛍光灯を消すように義務づけられている。引きひもの先に管理すべき社員の名札が結ばれているのは、当事者意識を植え付けるための仕掛け

・エレベーターの「閉」ボタンを押すのは厳禁(電力消費が損)、ドアノブ取り外し(回す時間が損)、コピー機が330人いる本社に1台(コピー機の台数と仕事効率・業績向上との関係はない)など、普段見過ごしている小さなムダをなくすのが「ドケチの道」

・ドケチとは、社員にコスト意識を植え付ける最良の教育。社員をドケチにすることが、社長の仕事。それぞれの業務の中で、どういう形でドケチを実践するのかは、社員の仕事

・大手問屋と取引しない。理由は簡単、販売手数料が15%と法外に高いから。売上200億円の会社に、200人の営業職がいて、全国に30ヵ所の営業拠点があっても、そんなに経費はかからない。自社営業と中小問屋への卸だけで、身の丈にあった商売はできる

・会社のムダを本気でなくしたいのなら、社内をこまめに歩いて回り、社員の仕事ぶりを見ながら、「何かを見たら、必ず損か得かと常に考える」「社員の動きを徹底的に観察する」

・常識や慣習は疑ってみるべき。未来工業は、年間140日の休日、7時間15分という日本一短い労働時間。大手ハンバーガーチェーンのような名ばかり管理職も、派遣社員もパートもいない。全員が正社員

・残業禁止、タイムカードなし、自宅に持ち帰って仕事をすることも絶対禁止。こうなると、社員たちは逆の意味で大変。各自が目一杯仕事の効率を引き上げないと(常に考えるを実践しないと)、仕事が回らなくなる恐れが出てくる

・出張費は渡し切り方式(宿泊費は1泊1万円、差額を小遣いにしても構わない。新幹線料金を夜間バスにしてもいい)自分の得になるから社員は必死で考える

・社長の仕事は、社員たちの不満だと思われることを、少しずつ消していくこと

・未来工業のプロ社員育成法は「3ナイ」主義。「教育しない」「管理しない」「強制しない」これは、裏返せば、自分で考え、動き、その結果を自ら検証できること

・トップに対する「勝手な気づかい」が知らないうちに積み重なり、いつの間にか「思考停止」に陥り、「トップの前例」を繰り返す。前例主義という幽霊と組織の因縁を断つこと

・「他社と同じものはつくらない」「常に考える」の合言葉は、会社の生き残りをかけたもの

・命令も管理も禁止。上司は部下を説得した上で、社員を見守る。管理されるのを嫌がった人間でも、自分が管理職になると、間違いなく管理したがる人間になる。人を信じる性善説と、信じられない性悪説は、ひとりの人間の表と裏にすぎない

・「教えていただいて、すぐにつくり直しました」。誰だって、自分の意見でよりよい製品ができたらうれしい。お客さんが喜ぶものに改善していけば、製品づくりに終わりがない

・数字上の「合理化」は、会社を蝕むことはあっても、会社を強くすることは断じてない。それは、会社が、やる気を起こしたり、失ったりする人間の集合体だから


「こんな会社に就職したかった」と、つくづく思います。

日本人は、管理をしたがります。管理とは、部下を信用していない裏返しです。また、日本人は、一生懸命遅くまで働き、それを上司にアピールします。それは、上司が業績で部下を判断していないことを意味します。

このようなバカな上司がいるのは、バカなトップがいるからです。この悪循環が断ち切れなくて、日本の会社は苦しんでいるように思います。

バカなトップ、バカな上司を一掃して、このような賢い会社の制度を、若い社員たちが見習い始めたら、日本の会社に明るい未来が見えてくるのではないでしょうか。
[ 2012/03/28 07:00 ] 山田昭男・本 | TB(0) | CM(0)