とは学

「・・・とは」の哲学

『死ぬ前に読め!』玄秀盛

死ぬ前に読め!―新宿歌舞伎町で10000人を救った生きるための知恵死ぬ前に読め!―新宿歌舞伎町で10000人を救った生きるための知恵
(2007/12)
玄 秀盛

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著者の本を紹介するのは、これで4冊目です。元ヤクザ、元企業経営者であり、比叡山大阿闍梨の弟子でもある、その人生相談は、相談者の心の深くにまで、ズバッと剛速球を投げ込みます。ヤワな相談員とは、モノが違います。器が違います。

この本にも、犯罪スレスレの相談を命を張って解決していく事例がたくさん出てきます。筋金入りの人だけに、解決策も大胆なものばかりです。特に、おもしろかった箇所をまとめてみました。



・弱い者に対しては、とことん強気になるが、本物の男に対しては、何もできない。こういう内弁慶な家庭内ヤクザが最近多い

・夫は、殴っても、妻が無抵抗だったことで、一人の人間を暴力で支配する喜びを知ってしまう。そこからエスカレートしてくる。殴る理由は何でもよくなる。殴りたいから殴る

殴る人間は弱いから、さらに弱い立場の人間に向かう。暴力で上下関係を確立し、支配することを楽しむ。DVに走る男には、母親に溺愛されたマザコンが多い。そんな男が意外と外では優しく親切な男であったりする。会社でもあまり自己主張しない

・気が弱いから、面と向かって自分の妻にも意見が言えない男が、妻や会社、世間に追いつめられて、窮鼠猫を噛むで、手を挙げてしまう結果がDV

・今の自分は過去の自分の集約であって、誰のせいでもない。他人のせいにしている間は何も変わらない。そして、自分で何かしようという意思を持たない人間には、何もしてやることはできない

・本当に強いヤツは、相手に徹底した恐怖を植えつける。殴られた痛みは治るし、鍛えれば痛みに耐えることもできるが、恐怖は事前に学習できないし、一度味わった恐怖は、なかなか忘れることができない。恐怖は心にしっかりと根付くもの

・ケンカに強いのは、力よりも、勢いで相手を圧倒することができるヤツ。腕っぷしじゃなく、言葉だけで、相手に恐怖を植えつけることのできるヤツ。逆に言えば、自分の中に、ちょっとでも恐怖心が起これば、負けということ

・ケンカは、眼と眼が合うことから始まる。眼と眼が合わなければ、滅多なことではケンカにはならない。だから、ケンカに巻き込まれたくなかったら、伏し目に歩けばいい。変なヤツがいたら、眼をそらすこと。話すふりをして、ケータイで電話しながら歩けばいい

・うつ病は、現代病、文明病の病。人間としての生命力が弱っている状態。生きるのに必死な発展途上国の人たちは、うつ病になってたら飢え死にしてしまう

・日本は、どうしても組織が優先されて、個人が抹殺されてしまう。そういう背景から、モノがいくらあふれていても、個人の心が貧しくなってしまう

・家族とは、単なる血のつながり。この血のつながりが、時には災いをもたらす。血のつながりがあるゆえに、妬みや憎しみが生まれることが多い

・今の自分は、未来の自分への通過点に過ぎない。未来の自分が最高の自分になるように、今の自分がどん底であったら上に這い上がっていけばいい

・どんなに周りが意見しても、大騒ぎしても、本人に立ち直る意思がない場合は、立ち直ることなんかできない

・現代は、若者を誘惑する遊び場が揃っている。そこに集まる若者たちを見て、大人たちは眉をひそめる。しかし、それは若者のモラルの問題だけではない。それを作り、助長し、陰で、お金という甘い汁を吸っている大人たちと、それを受け入れている社会の問題

・大人は若者に「夢を持て」と言う。しかし、何もかもが揃っている社会で、何を夢にすればいいのか、どんな夢を持てばいいのか、わからなくなっている

・。子供に夢を持てと説教する前に、親自身が夢を持たなければならない。貧しくても幸せと自信を持って言える親は、現代にいない。今の社会をつくった団塊世代の罪は大きい。趣味でも、旅行でも、何でもいいから、親は、夫婦で、子供の前で夢を語ること

・ああしたい、こうしたい、あれがほしい。これは単なる我欲。夢はもっと崇高なもの



新宿歌舞伎町の駆け込み寺である「救護センター」に相談に来た人たちの実例が、本書に載っています。

そこには、複雑な家庭の問題、お金の問題などが、存在していますが、著者の力量で、それらを見事に解決していくさまが見てとれます。平和に育った人、お金の苦労をしないで育った人に、是非見てほしい書です。


[ 2014/07/16 07:00 ] 玄秀盛・本 | TB(0) | CM(0)

『ヒト・モノ・カネ 男(ワル)の処世術』玄秀盛

ヒト・モノ・カネ 男(ワル)の処世術―世の中の裏と表を知り尽くした男が指南!ヒト・モノ・カネ 男(ワル)の処世術―世の中の裏と表を知り尽くした男が指南!
(2006/06)
玄 秀盛

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玄秀盛さんの本を紹介するのは、「生きろ」「あなたにYell」に次ぎ、3冊目です。この本は、著者が有名になり始めたときの書です。

著者の原点とも言うべき考え方や思想がよく表われています。本書の中で、なるほどと思えた箇所が数多くありました。「本の一部」ですが、紹介させていただきます。



・欲望と誘惑に身を任せていたら、お金はいくらあっても足りない。ごく普通の人間にとって、「金は天下のまわりもの」ではない。金は天から降ってこないし、湧いてもこない。だから、「欲望と誘惑の我慢貯金」が必要になってくる

・会社というのは、自分の内から欲望や情熱がほとばしり、人の何十倍も熱があるものが興すもの。ただ単に金があるから社長をやるものではないし、気楽に借金して興すものでもない

・情熱がふつふつと煮えたぎらないと、欲望と誘惑に押し負けてしまう。そういう意味からすると、「我慢貯金」は「情熱貯金」とも言い換えられる

・欲望と誘惑で生まれるものは快楽。快楽を貪り出したら、怠惰な自分ができてくる。そのツケはどこかで払わなければならない

・人間はお金よりも地位、立場で動く。社長と呼ばれることに喜びを感じる。だけど悲しいかな、「にわか社長」は遊びを覚えると、いっぺんに足元をすくわれる

人に投資するというのは、ある意味、自分のライバルをつくるようなもの。だから、まず徹底的に人を見る必要がある。雇って囲い込むのは、「この一点を突いたら、この男は崩れる」という弱点を発見してから

・金儲けというが、金を見ずに、人を見たほうがいい。金を運んでくるのは人だから。金は忠実で裏切らない。裏切るのはあくまで人間である

・地位を自力でつかみ取ったやつは、さすがに強欲で、部下に対して警戒心も強いし、上司に対しては徹底的にへつらう

・男というのは、たとえ大物と言われる人でも、みんな発展途上人で、金を儲けるだけに終始している。金を活かしきっておらず、死蔵しているから心は貧しく、顔の相も悪い。強欲な人間が斜めからギロッと睨むのを思い浮かべるとわかりやすい

・名刺ファイルの分類はシンプルかつゲンキンなもの。儲けさせてくれた奴は○、儲からなかった奴は×、どちらとも言えない奴は△。自分にとって得になる人間かどうかを分類し、顔を見て名前を聞いたら瞬時にどちら側の人間か思い出せるように頭に叩き込んだ

・人間おかしなもので、儲けたことはよく覚えているのに、損したことは意外と忘れがちなもの。ところが、損をさせた側は覚えていて、また餌を持ってきてくれる。それが大きい。金で引っ張れなくても、人脈で引っ張れる

・座敷に上がるとき、靴をちゃんと揃えるか。酒を飲み、酔うと人格が出てくる奴も多い。さらにカラオケに行くと、自分を誇示する歌、いいところを見せようとする歌を選曲する奴はだいたい自己中心的な人間。自分が完璧でこそ相手が見られる

・女性の場合、財布に性格が現れる傾向がある。ブランド物にこだわるのもそれだが、もう一つ、何でもかんでもレシートやクーポン券の類を詰め込んでパンパンに膨らませている女性は、整理ができないタイプ

・恥をかくことで相手の心を開き、懐に飛び込む。そういうコミュニケーションのとり方もあるということ

・お金を持っている人間を引き寄せ、彼らが溜め込んで錆びさせているお金を、世のため人のために吐き出さそうという気にさせる。そうすれば、お金は循環して輝きを取り戻す



アウトローな生き方を真摯に行ってきた人間ならではの裏話が満載です。お金を卑しいものと見ずに、単なる欲望の権化だと見れば、お金を客観的に見ることができます。

豊かさも貧しさも、甘いも酸いも、聖と俗も、清も濁も混在する「生身の臭い」が玄秀盛さんの魅力です。こういう処世術が書ける人は少ないように思います。


[ 2011/12/17 12:17 ] 玄秀盛・本 | TB(0) | CM(0)

『あなたにYell』玄秀盛

あなたにYellあなたにYell
(2008/11/01)
玄 秀盛

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玄秀盛さんの本を紹介するのは、「生きろ」に次ぎ、2冊目です。新宿歌舞伎町で1万人を超える人たちの人生相談に乗って来られただけあって、人に元気を与えるツボを心得られています。

この本は、悩み多き人に、勇気と元気を与える書です。目線が相談者の側にあり、実践的な内容です。

この本を読み、ためになった箇所が20ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・最後の最後で、夢がある人間は強い。人生には運不運がある。でも、その時に夢があるかどうか。夢があれば、いつどんな時でも前向きに生きていくことができる。自分の夢のために、強い判断ができる

・人の気持ちを受け入れたり、人の考えを聞くということは、自分の心という花瓶に新しい花を生けるということ。過去の枯れた枝、しおれた花をいつまでも心に残したままにしないこと

・反発するのは、自分に余裕がないということ。だから、とにかく相手を否定して負かそうとしている。それは、弱い自分のエゴでしかない

・自分の弱さが欲から始まっていることを知って、受け入れたらいい。そこが出発点。何かを欲しがる気持ちがなくなれば、すぐに心が軽くなる

・優しさはもらうものではなくて、一方的に与えるものと、そのまま覚えてしまえばいい

・最近、自分との約束をしたか?それを守れたか?結果はどうだったか?それを日々繰り返しチェックすること。自分との約束をごまかすようになったら、何も進まない

・自分からどんどん恥をかくこと。叱られることもどんどんすべき。恥をかくことは進歩に変わる。恥もかききれば度胸に見える。先輩や実力者にかわいがられるし、さらなる力につながる

・どこまでも、その人の領域に入っていくこと。こっちの領域で話そうとしたら、その時点で終了

・相手の魅力にひかれて、その魅力を吸収して、自分の身につける。そうやって、身についた力が、その人の新しい魅力になる

・人間は一生のうち、逢うべき人に必ず逢える。しかも一瞬早過ぎず、一瞬遅過ぎることもないときに

・人間の直感に間違いはない。ただし、それには、自分の中に不純なものがないのが前提

・目標があるのなら、必ず期限を持つこと。そして、その数字にこだわりぬく。自分で決めた自分の数字にこだわれなくなったら、どこにもたどりつけない

情熱と欲望の違いは、たどり着こうとしているゴールがきちんとあるかどうか。欲望そのものがゴールになってしまっては、どこにも行き着きはしない

・何度も同じミスはしない。結局はそこ。してしまったミスにしっかりと始末をつけることが大事

・自分のパワーをためこんで、土台を高くしようとがんばれば、運なんか、頼みもしないうちに向こうから、ニッコリ笑顔で近づいてくる。運は人を見る

・一番効果の上がりそうな一点をよく見極めること。そして、攻めどころを決めたら、そこだけを攻め抜く。派手な大振りよりも、一寸法師の一撃

・もし間違った電車に乗ったら、誰でもその電車を降りて乗り換えるもの。そのまま乗り続けていても正しい目的地に着かないってわかったら、一回降りて、ひとまず終わりにする。そして、改札の外でもう一度切符を買えばいい

・まずは、相手の息を吐かせること。すべて吐かせて、それを受けたら向こうは息を吸いたくなる。そのときに、ちょこっとこっちの息を吐けばいい



この本の中には、いい例え話が数多くあります。みんなにわかってもらおうとすれば、例え話が有効です。

それに、著者の過去の挫折体験や辛く苦しい体験が加わっているので、共感できるのだと思います。

また、著者の文章は、一見、浅く感じてしまうのですが、じっくり読むと、深く心に響いてきます。

このような文章とよく似た文を書く人は、名僧か名経営者の晩年に多いように思います。

つまり、不特定の人と多く接してきて、人の悩みを多く聞き、その改善策を一緒に悩んできた人たちです。

そういう意味で、著者は、現代の駆け込み寺の名僧にすでになっているのかもしれません。
[ 2011/04/28 07:35 ] 玄秀盛・本 | TB(0) | CM(0)

『生きろ・地獄からはい上がるための教科書』玄秀盛

生きろ 地獄からはい上がるための教科書生きろ 地獄からはい上がるための教科書
(2009/09/16)
玄秀盛

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玄秀盛氏は、新宿救護センターの所長をされています。いつかテレビで、関西弁丸出しで、相談に当たっている姿を見たことがあります。

相談といっても、生易しい相談ではなく、本当に、生と死のギリギリのところを生きている人たちの相談ですから、真剣勝負です。

人生の修羅場をくぐった人でないと言えない言葉が数多く出てきます。体験に基づいた言葉の数々は、お金と人生の勉強になります。ためになった箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・「人生は取り戻せる」という人がいるが、そんなもの取り戻さなくていい。経験は上積みしていけばいい。「取り戻そう、取り戻そう」と思うから、無理な話になってしまう

・私の目の前にいる、このただひとりの人を救いたいという気持ちで話を聞く。「何かに傷ついた体験」が一つあって、傷つく痛みを知っていれば、人の話は聞けるもの

・「死ぬな、死ぬな」と言ったら、よけいにモチベーションが落ちていく。逆に「おう、死ね、死ね。死に方を教えてやる」と言うと、腹が立ってきて、私への怒りや憤りが、エネルギーの点火剤になる

・社会で活躍している女性でも、自分にどこか自信がなくて、ご主人様を求めてしまうタイプがいる

・「いつの日か、暴力がなくなって、優しい夫になるかも」などと期待せず、「暴力をふるう人間は、暴力をやめることはない」と見切って逃げること。「すまなかった。暴力をふるわないと約束するからもう一度やり直したい」と言うのは、DV男性の常套句

・一回でも、自分の人権を侵害したり、高圧的な態度に出てきたときは対等にけんかしたほうがいい。そうすれば、男のほうが繊細で怖がりだから、コロッと態度が変わる

・子供が「強い態度に出たり、暴言を吐けば、親は言いなりになる」ことを覚えたら、今度は暴力で支配しようとする。「こんなことが世間にばれたら恥ずかしい」と思う気持ちが、DVを助長する


・人助けはやり過ぎたらいけない。「小さな親切、大きなおせっかい」。これは人助けの基本

・契約書があれば、警察も対応が違ってくる。証明があれば反論もできる。たった一枚の紙切れが人を助ける。最後に紙は人を救う

・金に関係のないように見えるDVや家庭内暴力も、結局は金につながっている。金があれば、DVから逃げ切れる。金がないからイライラして子供を虐待する。金がないばかりに、認知症の親を自宅介護して、夫婦仲がぎくしゃくする

多重債務者の大半は、金の奴隷になって、金の呪縛から抜けきれない。金しか見ていないから、みんなささくれ立っている

・金で死ぬのも、金本位でしか物事を考えられないのも人間だけ。だから、借金による苦しみさえ取り除ければ楽になる

・7年経てば、自己破産の経歴は消える。再出発するために、7年に1回使える法律が自己破産

・自己破産すると、家は管財人に処分しなくてはならないが、住み慣れた家を手放すのはつらい。家を任意売却する場合、その価値は市価の3分の1、競売では4分の1から5分の1。家を合法的に残すには、知人に買ってもらうのがいい方法

・毎月の返済額は銀行など、相手側が決めると思っている人が多いが、そうではない。こちらで決めるもの

・親兄弟でも、絶対に連帯保証人にならないこと。親兄弟へ金を貸す場合でも、借用書を取ること

自己破産すると官報に住所と名前が載る。しかし、官報なんて誰も見ない。裁判所から会社に通知がいくことはないし、もし会社に知れても、自己破産は解雇する理由にならない


結局は、お金絡みというのが世の中の現実なのかもしれません。この本の相談内容のほとんどがお金で解決できることが多いことに驚かされました。

逆に考えれば、悩みの相談を受ける人は、お金で苦労した人でないと務まらないということなのかもしれません。
[ 2011/02/25 07:04 ] 玄秀盛・本 | TB(0) | CM(0)