誰でも、日常茶飯事に騙されます。特に、若いときは、騙されて、後悔することが頻繁に起きます。私もよく騙されました。
でも、今振り返ってみると、自分に隙があったから、騙されたということがよくわかります。今は、騙されることは少なくなりましたが、逆に面白みに欠ける人間になったように思います。
騙しにもいろいろありますが、人生取り返しのつかないような騙しは避けたいものです。
この本には、
騙しの手口が満載です。参考になる所が25ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。
・「
人は皆同じ」というのは、ずるい人たちが好きな言葉。人を騙すのに、これほど都合のよい言葉はない
・人が幸せであるためには「
人を不幸にする人」の行動と心理を知らなければならない
・
淋しい人は、利用されているときでさえ嬉しい。それは、利用されているときに、「認められている」と錯覚するから
・淋しい人は何度でも騙される。一度騙されたからといって、その人が淋しい人でなくなるわけでないから
・ずるい人、
人を陥れる人にとって相手は物である。ロボットを操るのと同じ感覚で、人を騙せる
・自分の中に価値を感じている人は、褒められることが、それほど重要でない。褒められてもそれほど気持ちよくならない
・ナルシストや自己蔑視している人は、相手の
言葉に飲まれる。ずるい人にもてあそばれ、利用価値がなくなれば捨てられる。しかし、周囲に同情する人はいない。誠実な人はかつていたとしても、すでに去っている
・自分の良いところを見せようとするのは、その人の自信のなさ。自信がないということは「弱い」ということ。弱いと騙される
・
自己蔑視している人は、働いても、努力しても、自分から自分の価値を下げてしまう。皆に迎合して、皆にとって
都合のいい人になる。そして、ずるい人が、その人を安く扱いながら、利益を得ていく
・人間関係で自分の意志がなければ、不安なときに自分を守るために迎合する。その迎合がずるさを呼び寄せる
・
何を言っているかではなく、
誰が言っているかが大切である
・急激な親しさは危険である。すぐに親しさをつくる人も、多くの場合、騙す人である
・見えるところでどんなに親切で立派なことをしていても信用してはいけない。見えないところでその人が何をしているかである
・騙される人の消耗した姿を見ることが、騙す人のエネルギーの源になる。「儲け」がいよいよ近づいてきているのだから
・
脅す人は条件を出す。許してあげるから「これをして」といった条件を出してくる。条件を出す人は、質の悪い人
・「
ちょっとだけ」というのは巧妙な騙しの手口、悪質な言葉。「ちょっとだけでいいですから」と言うときは、最初から計画的に全部騙し取ろうとしている
・取ろうとしているから、全て口で約束する。そして不利なことは、「ちょっとサインだけしておいてください」と言う
・人を利用しようとする人は劣等感の深刻な人が多い。どうしても利己主義になる。人を利用することにやましさとか罪の意識がない。うまくいけば「よかった」というだけのこと
・
騙される人と
騙す人との関係は、愛されなかった人同士の共食いみたいなもの。両方とも
愛情飢餓感がある
・愛されることが大切で、愛することは眼中にない。つまり、いつも人に何かしてもらおうとしている人は騙される。ずるい人にとって、「これしてあげますよ」と近づくだけでいい
・感情的恐喝をする人は、ある時点で、
がらりと態度を変えることができる。態度をがらりと変える人は、悪いことができる人
・「私を信じられないの?」と言うとき、その人は相手を裏切っている、舐めている
・人を本当に深く
傷つける人は、いつも「愛や正義の仮面」を被って登場する。そして善良で弱い人を狙う
・
騙されないためには、「ずるい人と接しないように心がける」ことが何より大切
・「世俗の中でどう生きたらいいか」「どう自分を守るのか」を教えてもらっていない人が、何かを持っていれば、必ずずるい人に狙われる
・騙されたことがないとすれば、その人は何も持っていないということ。つまり、努力もしない、真面目でない、優しくない、才能がない、お金もない。騙すものがないから騙す人が近寄ってこなかっただけ
営業すれば売れるから営業職があるように、騙される人がいるから、騙す人がいる。もっともな論理ですが、騙される人にとっては、たまったものではありません。
この本に書かれているのは、明らかな騙しの手口ですが、怖いのは、見えない「騙しの手口」です。マーケティングもその一例です。人の弱さに上手くつけ込むという点では同じです。
騙しのテクニックに知らないうちに引っかからないためには、騙す人の心理を勉強する必要があります。この本は、騙されないための、よきガイドブックではないでしょうか