とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索

『自信』加藤諦三

自信 (知的生きかた文庫)自信 (知的生きかた文庫)
(2000/11)
加藤 諦三

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著者の本を紹介するのは、これで5冊目になります。心理学の側面から、人間のよりよい生き方を示唆する書が多いのが特徴です。

どの本も、人に勇気を与えるものがほとんど。本書も、タイトル通り、人に自信を与える書です。参考になったところをまとめてみました。



・自信のない人は、ありのままの自分を受け入れてくれる人の前でも、自我防衛を行う

・過保護は偽装された憎しみ。つまり、その親は自らの内なる憎しみを過干渉、過保護、誤保護という形で表現している

・自分の周囲にいる人の正体を見破った時初めて、なぜ自分はこんな「ずるい人間」に、よく思われようとへとへとになっていたのかと、おかしくもなる

・自己中心的傾向の強い人は、人前では逆に振る舞う。だから、自信のない人は見間違える。自己中心的な人は、言葉づかいは丁寧できちんとしていて、愛想がいい。しかし、図々しい。つまり、いい人を演じるが、決して自分の要求を引き下げない

・自己主張のある人は、ちょっとした言動にすぐ傷ついたり、怒ったりはしない。自己主張のない人のように、さまざまなことを期待しない

・自分自身に失望している人は容易に他人に失望し、他人を非難する

・「ずるさ」は「弱さ」に敏感。したがって、弱い人間のまわりには、ずるい人間がいっぱい群がっている。ずるい人間は、弱い人間た自分の都合のいいように操作して利用する

・本当の愛情のない人間ほど、過剰な愛を他人に要求する。他人との関係を無理に円満にしようと努力する人は、このような過剰な愛の要求に痛めつけられ、傷つけられてきた人

依存心の強い親ほど、子供の精神的成長を恐れる。したがって、依存心の強い親を持った子供の精神的成長は、親に好かれたいと思ったところで止まる。依存心の強い親にとって「よい子」とは、親に心理的に依存しつつ、社会に優越を示す子供である

・現実から逃げることは、自分から逃げること

言い訳する人は、実際の自分より高く評価してもらえなければ、生きていかれないように感じている

・甘えのある者は、自信を持つことはできない。甘えとは相手との一体感を求めること

・自己主張とは、自分の望みを相手の前にさらけだすこと。その結果として、その相手を失うかもしれない。そんな危険をおかしながら、自己を主張する時、その人は自信を得る

・自己主張するためには、相手への依存心を切り捨てなければならない。そしてそれは、相手を利己的に支配しようとする気持ちを、同時に切り捨てることでもある

母親の強い心理的依存を感じた子供は、自己実現を裏切りと思い、罪の意識に悩まされる

・断りにくいという人間関係は共感的人間関係ではなく、共生的人間関係。そんなものは、親しそうに見えても、欺瞞的一体化

自己主張の第一歩は、イエスとノーをはっきりと言えるようになること。他人の顔を見ずに賛成の時は賛成の、反対の時は反対の手をあげられるということ

・自己主張なくして自信はない。自己主張が自信を生み、自信がまた自己主張をさせる

自信のない人は、実際の自分を受け入れてくれるような人のところに行けばいい。実際の自分を否定する人の間にばかり身を置いているから、自分の無価値感に悩む

・自分ができることをやっていくうちに、自分の個性が出てくる

・人生には二つの大切なことがある。一つは、自己の信念に忠実であること。二つ目は、独りよがりにならないこと



自信と気迫は、人を威圧するものです。気迫は人為的につくることができますが、自信はそうはいきません。

本書は、その自信をつける方法について、詳しく論じられています。人生を明らかに左右する自信について、考察することは大切なことだと思いました。


[ 2014/06/30 07:00 ] 加藤諦三・本 | TB(0) | CM(0)

『なぜこの人は、自分のことしか考えないのか』加藤諦三

なぜこの人は、自分のことしか考えないのか―神経症のことがわかる本 (PHPエル新書)なぜこの人は、自分のことしか考えないのか―神経症のことがわかる本 (PHPエル新書)
(2003/02)
加藤 諦三

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著者の本を紹介するのは、「ずるい人に騙された時どう生きるか」「たくましい人」「不機嫌になる心理」に次ぎ4冊目です。

今回のテーマは「神経症」(心理的に病んでいる人)についてです。神経症の人の行動を、心理学的側面から、詳しく記載されています。参考になることがたくさんありました。それらの一部を要約して、紹介させていただきます。



・自分のことしか考えていない人の言うことは、「あの人はこうしてくれない」「この人はああしてくれない」と他人への要求ばかり。彼らは周囲の人をむさぼる対象としてしか考えていない。自分と同じ人間とは考えていない

ふれあっている人は、相手に自分をよく見せようという気持ちが少ない

・ふれあいのない家族の父親は、家族に馬鹿にされまいと虚勢を張り、家族に自慢する。このような父親は、皆から賞賛を得て、自分の幼児的願望を満たそうとする

ふれあっている関係とは、言いづらいことが少ない、躊躇なくノーと言える、喧嘩しても別れの不安がない、無理に合わせる必要がない、頼みごとを断ってもこじれる心配がない関係

・小さい頃、人から蔑視されたり、無視されたりして、心理的に傷ついた人は、「見返してやる」と思い、自分の実際の能力を無視して、非現実的なほど偉くなろうとする

情緒的に未成熟な親は、子供の自然な成長を待てない。つまり、神経症的な親は、子供のうちから大人のような行動を子供に期待する。すなわち、子供に非現実的な要求をする

・神経症者は現実の世界に生きていないから、他人に理想を求める。現実の自分を省みず、これで仕方ないと考えない。心理的に健康な人は、「自分もそうする」と思うから、相手の言動を許せる

・神経症者は、周囲からの特別な愛を受けることが目的。周囲の人から「わあ凄い」と注目されることが望み

・自己中心的な人は常に人間関係がこじれる。自分が誠意を尽くせば、相手も自分に誠意を尽くすのが当たり前と感じている。そして、自分の期待した反応がないと、「こんなにしているのに」と相手に不満を持つ。つまり、自己中心的な人は相手の感情を無視している

・神経症者は、自分のしてきたことを棚に上げて要求だけはする。そして、その要求が通らないと、相手を酷い人だと恨む。あるいは、社会を不公平だと恨む

・神経症者は、自分がするべきことをしていないから、正義と愛の言葉を言う人に弱い

・立派なことを声高に言う人で、卑怯でない人はいない。「かわいそうで、かわいそうでたまらない」などと自分の愛情深さを誇示する人は、たいてい冷たい利己主義者

・神経症者は、自分の不安を、名誉やお金によって逃れようとする。お金や名誉を誇示することで、自信のなさから逃れようとする。だから、名誉やお金に強迫的になる

・自分の理想像に執着するとは、自分への期待を下げられないということ。心理的に病んでいる人は、「期待を変える」ことを「期待を下げる」と解釈する

・現実に利害が対立しているわけでもないのに、神経症者は、もの凄い対抗意識を持つ

・神経症的野心を持つ人が、現実の人生で優位に立てない場合、自分が成功するよりも他人が失敗すること、自分が幸せになるよりも他人が不幸せになることが重要となる

・「自分だけが不幸」と思っている人は、「皆が不幸になってくれ」と願っている

・神経症の男性は、相手の女性に母親を求めている。つまり、相手の女性に、「保護」と「安定」を求めるだけでなく、「賞賛」も求めているということ

・神経症の人はいつも「魔法の杖」を探しているから騙されやすい。うまい話に騙されるのは神経症の人に多い

・神経症の人は何でも「すぐによくなる」ことを要求する。何事も一気によくはならない

自信がある人は、身構えないで話ができる。よい子にはならない。楽しい生活をする。利口ぶらない。肩肘張らない。犠牲を払ってでも栄光を求めたりしない



本書には、心が病んでいる人の欠点や短所が詳しく書かれています。

しかし、心の病みをうまく使えば、生きるエネルギーとなります。誰でも、心の病みは必ずあるものです。それを長所にすることを学ぶために、本書は役に立つのではないでしょうか。


[ 2013/09/18 07:00 ] 加藤諦三・本 | TB(0) | CM(2)

『「不機嫌」になる心理』加藤諦三

「不機嫌」になる心理「不機嫌」になる心理
(2007/05/22)
加藤 諦三

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加藤諦三氏の著書を紹介するのは、「ずるい人に騙された時どう生きるか」「たくましい人」に次ぎ、3冊目です。

今回のテーマは、楽しく、自信をもって、自由に、幸福に生きることのできない理由を探るものです。共感できる箇所が多々ありました。それらの一部を要約して、紹介させていただきます。



・依存性は支配性でもある。依存する故に、自分を保護し、世話し、慰め、賞賛し、赤ん坊のようにわがままで無責任でいられる天国を作ることを要求する

・自分はこの人生で何をしたいかわからない人は、人に気に入られることが人生の目標になってしまう

・相手のことを決めつける人というのは、逆に相手から心理的に直接影響を受ける

・自分にとって重要になってしまった人が、自分と同じように考え、自分と同じように感じないと耐えられない。他人を放っておけない人というのは、心理的に成長することに失敗してしまった人

・どちらかを選ぶということは、どちらかを諦めるということ。その諦めるということができないから迷う

・従順な人は、それはあなたの義務だと言われると、拷問のようなことでも、それを自分の義務だと感じて引き受けてしまう

・人がやってくれて当たり前、人が世話してくれて当たり前、という甘えの心理に支配されている人は、本当にいつでも不満な顔をしている。たいてい、不満を言うだけで、まず行動はしない

・自分の世界ができてくると、依存性がなくなり、人に対する要求が少なくなる。つまり、「こう思ってもらいたい」「こうしてもらいたい」という要求が少なくなるということ。人が強くなるということは、自分の世界ができるということ

・「他人から必要とされること」を必要としている人は、甘えている人である

・欲求不満耐忍度の低い人は、ほんの少しでも、自分の思うようにいかないことがあると、すぐにイライラして怒り出す。それは依存性と不安の問題。不安な人ほど欲求不満耐忍度は低い

・「たち」のいい人とは、人の好意を当たり前のことと考えない人

・誰からも、優しい善意の気持ちを理解されずに、周囲の強力性性格の人から利用され、傷つく無力性性格の人は、闘志が欠如している

・この世の中には、肉体的弱者も、経済的弱者も、心理的弱者もいる。経済的弱者を蔑視することが許されないように、心理的弱者を蔑視することも許されないこと

・劣等感の原因の一つは、視野の狭さである

・お金に守られるか、名誉に守られるか、親に守られるか。絶えず何かに守られていなければ、生きていく自信がないとき、心の底ではいつも恐れている

自己否定・他者肯定の人は、自分を頼りに生きていけない。自分を頼りに生きていけない人は、いつも不安で、いつも何かを恐れている

・自分が不幸なのは、明けても暮れても、自分のことばかり考えているからである

・自己中心的な人は、劣等感の強い人である。現実の自分を受け入れられない

・自分は例外だと思っている人は、はたから見ると、大変傲慢な人である

・支配欲が異常に強い人は、自分の挫折を認めることができない。挫折している自分を肯定するために、世の中そのものを否定する

・「ずるさ」と「弱さ」の人が出会えば、弱い人(自己否定・他者肯定の人)は泣かされっぱなしである。ずるい人(他者否定の人)のやりたい放題が行われる

・もともと不機嫌な人は、孤独に耐えられなくて、近い人にからんでいく



本書で印象的だったのは、「弱い人はずるい人に利用されている」「心理的弱者は、経済的弱者と同じく、差別されてはいけない」という点です。

心理的弱者が、心理的強者にどう対処して生きていくかの考えを持たないと、利用されてしまうだけです。その防衛策として、本書は有効なのではないでしょうか。


[ 2013/04/17 07:00 ] 加藤諦三・本 | TB(0) | CM(2)

『たくましい人』加藤諦三

たくましい人 (PHP文庫)たくましい人 (PHP文庫)
(2011/05/10)
加藤 諦三

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著者の本を紹介するのは、「ずるい人に騙された時どう生きるか」に次ぎ、2冊目です。草食系=弱い人=優しい人、肉食系=たくましい人=ずるい人と思われている方が多いのではないでしょうか。草食系の人が増えたのは、平和で豊かな時代の証しです。

中国・韓国・ロシアなど、経済力をつけてきた国々に囲まれ、一方、デフレが20年も続き、経済力が衰えてくると、さすがに、草食系は生きづらくなってきます。

たくましい人と弱い人の行動を研究したのが、この本です。その要約を紹介させていただきます。



欲求不満な人は攻撃的。人を攻撃すること、人をいじめることで、心の傷を癒す

・人を世話して、その人から裏切られるのは、人間の世界によくあること。世話する方に、人を見抜く力がなかったというだけ

・自分が人を騙しているから、騙す人のことがよくわかる。騙されないのは、自分が騙す人だからである

・ガラクタを捨てて、身軽になること。今悩んでいる人は、「ガラクタに執着していないか」と心の中を見つめること

トラブルだらけの時は、「今揉まれている。磨かれている」と思うこと。トラブルで磨かれなければ輝かない

・ずるい人は、自分の手を汚さないで人を搾取する。弱い立場の人を助ける顔をしながら、弱い立場の人を食い物にして生きている

・強い立場の者から痛めつけられて、もだえ苦しんだ体験が本当にたくましい人をつくる

苦しみを乗り越えた人の顔は引き締まっている。顔の奥が輝いている。それが、たくましい人である

・信じる方が、自分にとって有利だから信じる。心理的に楽だから信じる。相手の人柄を見て、その言葉を信じるのではなく、信じる方が救われるから信じてしまう

溺れかかった人は、海賊船にでも、助けを求めてしまう。だから、困った人の周りには、ずるい人が集まる

・たくましくなる以外に現実の世の中で生きる方法はない。警察は民事不介入で、善良な市民がとんでもない人に、どんなに苦しめられていても助けてはくれない

・ずるい人にずるいことをされないで生きていくのが賢い人

卑怯な人と一緒に仕事をしていた時の自分を恥ずかしく思う人、卑怯な人と時間を過ごすことの愚かさに気づいた人は、不幸な人生を送らない

・必ず「勝つ」と決意して戦う。この攻撃性がなければ、人は鍛えられない。また、戦いを持続させるエネルギーは出ない

・従順な「良い子」は、ずるい人の格好の餌食となる。従順な「良い子」はいつも怯えている。その弱さに、ずるい人は敏感

・たくましい人は、長期的にものを見ている。だから、今が苦境でも「いつか必ず」という視点がある。今が勝負ではないと、今の困難を受け止める

・従順だけで生きてきた人は、他人が自分の領域に侵入してきても、自ら戦わない。誰かに「守ってもらおう」とする。これが、従順な「良い子」の弱点

・怒りは、自分に不利な状況をもたらす。怒りは長い眼で見た利益を奪う

・財産なり、名声なり、真面目な性格なり、何らかの力を持っている優しくて弱い人は、質の悪い人に囲まれやすい

地に足ついた生活をしてこなかったから、愛の仮面を被った人を見分けられない。学歴だけで人を判断する。職歴に目がくらんで、エリートを尊敬したりする

・どんなに権力を握っても、迎合する弱さがある限り、ずるい人たちが周囲に群がってきて、甘い汁を吸い尽くす



ずるい人を見分けて、ずるい人から逃げることができれば、たくましくなくても、弱くても、優しくても生きていけます。

弱肉強食の世の中で、「強」になるにこしたことはありませんが、「強」の餌食にならない術、「弱」が生き延びる術が大事です。その術を教えてくれる書でした。


[ 2012/08/09 07:01 ] 加藤諦三・本 | TB(0) | CM(0)

『ずるい人に騙された時どう生きるか』加藤諦三

ずるい人に騙された時どう生きるかずるい人に騙された時どう生きるか
(2008/12/13)
加藤 諦三

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誰でも、日常茶飯事に騙されます。特に、若いときは、騙されて、後悔することが頻繁に起きます。私もよく騙されました。

でも、今振り返ってみると、自分に隙があったから、騙されたということがよくわかります。今は、騙されることは少なくなりましたが、逆に面白みに欠ける人間になったように思います。

騙しにもいろいろありますが、人生取り返しのつかないような騙しは避けたいものです。

この本には、騙しの手口が満載です。参考になる所が25ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・「人は皆同じ」というのは、ずるい人たちが好きな言葉。人を騙すのに、これほど都合のよい言葉はない

・人が幸せであるためには「人を不幸にする人」の行動と心理を知らなければならない

淋しい人は、利用されているときでさえ嬉しい。それは、利用されているときに、「認められている」と錯覚するから

・淋しい人は何度でも騙される。一度騙されたからといって、その人が淋しい人でなくなるわけでないから

・ずるい人、人を陥れる人にとって相手は物である。ロボットを操るのと同じ感覚で、人を騙せる

・自分の中に価値を感じている人は、褒められることが、それほど重要でない。褒められてもそれほど気持ちよくならない

・ナルシストや自己蔑視している人は、相手の言葉に飲まれる。ずるい人にもてあそばれ、利用価値がなくなれば捨てられる。しかし、周囲に同情する人はいない。誠実な人はかつていたとしても、すでに去っている

・自分の良いところを見せようとするのは、その人の自信のなさ。自信がないということは「弱い」ということ。弱いと騙される

自己蔑視している人は、働いても、努力しても、自分から自分の価値を下げてしまう。皆に迎合して、皆にとって都合のいい人になる。そして、ずるい人が、その人を安く扱いながら、利益を得ていく

・人間関係で自分の意志がなければ、不安なときに自分を守るために迎合する。その迎合がずるさを呼び寄せる

何を言っているかではなく、誰が言っているかが大切である

・急激な親しさは危険である。すぐに親しさをつくる人も、多くの場合、騙す人である

・見えるところでどんなに親切で立派なことをしていても信用してはいけない。見えないところでその人が何をしているかである

・騙される人の消耗した姿を見ることが、騙す人のエネルギーの源になる。「儲け」がいよいよ近づいてきているのだから

脅す人は条件を出す。許してあげるから「これをして」といった条件を出してくる。条件を出す人は、質の悪い人

・「ちょっとだけ」というのは巧妙な騙しの手口、悪質な言葉。「ちょっとだけでいいですから」と言うときは、最初から計画的に全部騙し取ろうとしている

・取ろうとしているから、全て口で約束する。そして不利なことは、「ちょっとサインだけしておいてください」と言う

・人を利用しようとする人は劣等感の深刻な人が多い。どうしても利己主義になる。人を利用することにやましさとか罪の意識がない。うまくいけば「よかった」というだけのこと

騙される人騙す人との関係は、愛されなかった人同士の共食いみたいなもの。両方とも愛情飢餓感がある

・愛されることが大切で、愛することは眼中にない。つまり、いつも人に何かしてもらおうとしている人は騙される。ずるい人にとって、「これしてあげますよ」と近づくだけでいい

・感情的恐喝をする人は、ある時点で、がらりと態度を変えることができる。態度をがらりと変える人は、悪いことができる人

・「私を信じられないの?」と言うとき、その人は相手を裏切っている、舐めている

・人を本当に深く傷つける人は、いつも「愛や正義の仮面」を被って登場する。そして善良で弱い人を狙う

騙されないためには、「ずるい人と接しないように心がける」ことが何より大切

・「世俗の中でどう生きたらいいか」「どう自分を守るのか」を教えてもらっていない人が、何かを持っていれば、必ずずるい人に狙われる

・騙されたことがないとすれば、その人は何も持っていないということ。つまり、努力もしない、真面目でない、優しくない、才能がない、お金もない。騙すものがないから騙す人が近寄ってこなかっただけ



営業すれば売れるから営業職があるように、騙される人がいるから、騙す人がいる。もっともな論理ですが、騙される人にとっては、たまったものではありません。

この本に書かれているのは、明らかな騙しの手口ですが、怖いのは、見えない「騙しの手口」です。マーケティングもその一例です。人の弱さに上手くつけ込むという点では同じです。

騙しのテクニックに知らないうちに引っかからないためには、騙す人の心理を勉強する必要があります。この本は、騙されないための、よきガイドブックではないでしょうか
[ 2010/07/08 09:21 ] 加藤諦三・本 | TB(0) | CM(0)