とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索

人を惹きつける力(2)~マグネット効果~

シスレー/サン・マメスのロワン河畔の風景/鹿児島市立美術館/POST CARD
こう考えると、
「どれだけ、遠くから客を呼んでいるか」ということも
「どれだけ、売っているか」以上に、世間に自慢できる指標に違いありません。

小さくても、客を吸い寄せる「マグネット効果」を発揮していることになります。

地方は、都会に吸い取られる「ストロー現象」ばかりが話題になりますが、そこにしかないものを作り出せば、都会から客を吸い寄せる「マグネット効果」も十分に考えられるのではないでしょうか。

本当は、地方こそが、都会と違う「個性」ある生き方をしないといけないのに、都会に憧れて、都会のマネをした「標準」的な生き方をしようとします。ここに大きな矛盾が生じているように思います。

以前、お付き合いしていた観光農園の社長は、いつも
「うち、田舎ですから」と発言されていました。

私が、
「これ、ボリュームありますねえ!」と言うと、
その社長は、
「うち、田舎ですから。都会のように量が少ないといかんのですわ」
「大きい方が売れるんですわ」と言われました。

さらに、私が、
「この売り方、ユニークですねえ!」
「スーパーの買物袋に入れて、俵積みですねえ!」と言うと、
またもや、その社長は、
「うち、田舎ですから。泥臭くした方が受けるんですわ」
「いろいろ試したけど、この売り方が一番売れるんですわ」と言われました。

田舎の観光農園という、自分の置かれた状況を客観的に把握し、自己受容した上で、都会の客を喜ばし、お金を支払っていただくためには、どういう商品や売り方が一番受けるのか?一生懸命考えられて、実行されています。

この観光農園には、田舎の卑下など少しもありません。田舎という立場を、存分に利用しています。

むしろ、田舎だからこそ、この商売が成り立っています。「個性ある生き方」と「冷静な考え方」のできる非常に頭のいい社長だと思いました。

このように、人のマネのできないものを作り出すには、いろんなものをいっぱい見ても、それを安易にマネせず、それを糧として、自分の頭で考え、人と違うことをすることです。

個性ある生き方をして、独自のものを作り出し、人を惹きつけて、人を集めていると、ますます魅力的になります。

そうすると、自然と人に慕われるようになります。そして、小さな企業でも、マグネット効果がさらに高まっていくのではないでしょうか。


人を惹きつける力(1)~個性と没個性~に もどる



[ 2009/09/18 07:47 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

人を惹きつける力(1)~個性と没個性~

高野山・金剛峯寺/photo by福家金蔵
我が社は、16年目になりましたが、マイナーなおかげで、細々と何とか生き伸びております。少々恥ずかしくても、「個性」を貫いたことが、人を惹きつける結果となったのかもしれません。

小さくても、個性を貫いていれば、この個性に関心のある方が探して出してくれます。

零細企業主が、こんなことを言うのは、おこがましいのですが、本当に素晴らしいオンリーワンのものを持っていれば、東京にいなくて、地方でも、日本中いや世界中から人が集まってくれるのかもしれません。

この考え方は、小売業と観光業の違いで説明するとわかりやすいように思います。

小売業は、基本的にメーカー・生産者がつくった商品を仕入れて、販売します。どこにでもある商品を仕入れて、販売する以上、人の集まる場所に、出店するのが得策です。多くの人に合わせていく、没個性戦略です。

ところが、観光業は、風光明媚、歴史的街並み、地元にしかないおいしい食べ物など、そこにしかないものを「売り」にして、人を惹きつける戦略です。

観光客は、そこにしかないものに価値を認めているからこそ大切な費用と貴重な時間を使ってくれるのだと思います。

つまり、小売業は、独自のものがないので、客の集まるところに出向く。観光業は、個性的なものを有して、遠くの客を惹きつけていくという図式になります。

企業や人を「売上や数字」だけで見るのなら、人の集まるところに出向く没個性的な生き方が高く評価されると思います。

しかし、企業や人を「内容」で評価するのなら、遠くから人を惹きつける個性的な生き方が、もっと尊敬されるべきではないでしょうか。

先月、和歌山の高野山に行きました。自宅から3時間以上かかりました。帰り際に、生胡麻豆腐を買いました。

4年ほど前に、この店で買って、食べたところ、今まで食べたことのない、ねっとりとした食感と胡麻の薫る風味があり、無茶苦茶おいしかったのです。でも、この店は、支店を出していませんでした。大きな会社では、ないようでした。

全国のデパートに出店している業者の高野山の胡麻豆腐を、その後食べましたが、値段の割りには、おいしいと思いませんでした。

このおいしい生胡麻豆腐を再度買う目的も兼ねて、4年ぶりに高野山に行きました。考えてみたら、たかが、1個200円弱の胡麻豆腐を10個ほど買うために、往復交通費を5000円以上かけて行ったことになります。

高野山へは、避暑とわずかながらの信心も目的にありましたが、胡麻豆腐を買うことが大きな目的だとすれば、割に合わない、非合理的な行動になります。

ということは、この胡麻豆腐屋さんは、単なる小売業を営んでいるのではなく、観光業も営んでいると言えるのかもしれません。


人を惹きつける力(2)~マグネット効果~へ つづく



[ 2009/09/17 06:14 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

鶏口となるも牛後となるなかれ(2)~客層分析~

スイス・グリンデルワルトの牧場にて/photo by福家金蔵
この鶏口戦略の「支持基盤」「支持層」とは、どう考えればいいのでしょうか?

支持基盤は、どの場所でがんばるのか、どの業界でがんばるのかを決めることから始まります。

世界なのか?日本なのか?○○地方なのか?
公共関係相手なのか?民間企業相手なのか?一般消費者相手なのか?
これによって、営業戦略が変わってきます。

支持層は、まず客層分析することから始まります。客層には、いろんな切り口があります。

一例ですが、以前、以下のような、主観的なものも含めた客層分析をしたことがあります。

<性別・独身既婚>
(女性・独身)(女性・既婚)(男性・独身)(男性・既婚)

<年齢>
(20代以下)(30代)(40代)(50代)(60代以上)

<到達レベル>
(ビギナー)(セミプロ)(プロ)

<所得と時間>
(『金あり時間あり』中高年専業主婦、高額年金受給者等)
(『金あり時間なし』夫婦正社員共働き、大企業管理職等)
(『金なし時間あり』非正規社員、低額年金受給者等)
(『金なし時間なし』多額住宅ローン返済夫婦、高額教育費支払夫婦等)

それぞれの客層から支持されているかどうか、分析しました。

もっと具体的なところで、ユニークな例としては、「家に仏壇のある長男夫婦」に強い!を切口にしているフラワーショップと出会ったことがあります。長男夫婦とは、いいところに目をつけています。

古くからの広い家に住んでおり、住宅ローンもないので、いいものを多く買ってくれます。こういう客層には、「高品質」「新鮮」「お値打ち価格」でがっちり固めていく作戦がとれます。このように、支持層を固めていくには、支持層毎の手法、作戦があります。

つまり、鶏口戦略とは、客層分析して、支持層を決めて、その小さなマーケット独占市場を形成していく戦略です。

方眼紙の小さなマス目を一つずつ、濃く塗りつぶしていくような感じです。経営の安定を考えれば、3個くらいの濃いマス目があった方がよいと思いますが、「牛後」のように、10個の薄いマス目にならないようにしたいものです。

特に、中小零細企業であれば、支持層を決めて、そこから、評価されるようにがんばるしかありません。

大企業のように華やかではありませんが、しっかりと客から支持されていれば、存在価値は高く、生き残っていけます。

つまり、「鶏口となるも牛後となるなかれ」というのは、「知ってる人は知っている」で生きていく作戦ということではないでしょうか。


鶏口となるも牛後となるなかれ(1)~独占市場~に もどる

[ 2009/09/11 07:58 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

鶏口となるも牛後となるなかれ(1)~独占市場~

伊藤若冲・雪中遊鶏図/POST CARD
鶏口となるも牛後となるなかれ」この諺を何回か耳にされたことがあると思います。「寄らば大樹の陰」の戒めとして、この諺が使われることが多いと思います。

実際は、日本人は性質的に、「牛後」が結構好きで、「鶏口」を余り尊敬していないのかもしれません。

ところで、経営の視点で考えればどちらが得になるのでしょうか?
「鶏口」は売上高は小さいが、利益率が高い
「牛後」は売上高は大きいが、利益率が低い
といったイメージだと思います。

業界が成長している時は、売上高の大きい「牛後」がいいように感じます。なんたって、夢があります。マーケットも世間の注目を集める大きな分野です。

「鶏口」のように、すき間で、重箱の隅をつつくようなことをしなくてもいいからです。堂々と主流を歩む感じが、格好いいように思われます。

ところが、いったんその業界が成熟し、マーケットが衰退期になってきますと、この「牛後」が一番危ない会社になってしまいます。

どんな業界でも、

一番手は大きく儲かり、
二番手は少しだけ儲かり、
三番手は少しも儲からず、
四番手以下はいずれ倒産および吸収合併

という鉄則があります。

でも、潰れず、吸収合併もされない四番手以下の手法があります。これが、「鶏口戦略」です。

「鶏口戦略」とは、自分たちの、「支持基盤」「支持層」をしっかり決めて、その場所、その人たちからの支持を高め、独占市場を形成していく手法です。

高めていくというより、固めていくという表現の方がピッタリなのかもしれません。

本当は、どの「支持基盤」「支持層」からも、しっかり支持される「牛前戦略」がいいに決まっています。

しかし、二番手以下なら、何かの分野、何かの客層で一番になり、しっかり儲けて、力を蓄えながら、総合一番を目指していくしかありません。「金がなくては戦はできぬ」が実情ではないでしょうか。


鶏口となるも牛後となるなかれ(2)~客層分析~へ つづく



[ 2009/09/10 07:24 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

儲かっている会社(2)~言い値と個数制限~

スイスの手巻き時計/photo by福家金蔵
では、なぜ、付加価値の高い商売ができているのでしょうか?

それは、誰にもマネされない、オリジナリティーが高いものをつくっているからです。しかも、“つくり過ぎ”ていません。

これなら、「言い値」で通ります。結果的に付加価値の高い商売になります。1日1000個限定で、売り切れたら、店を閉めている「個数制限」の饅頭屋が一番儲かっているのかもしれません。

「年商10億円で、30年後に潰れる会社」と
「年商1億円でも、300年以上存在する会社」は、
どちらがいいのでしょうか?

私の答えは、もちろん後者です。この京都の老舗のように、
『高く売る!早く店を閉める!』
と決めることの方が大事に思うのです。

そう決めた中で、一所懸命考えて、行動した方がオリジナリティーの高いものが生まれてきます。結果として、末長く、生き残っていけるのかもしれません。

「才能を売らずに、時間を売る」という行為は、本来は恥ずべきことです。「業績が悪くなったから、時間を延長する」なんて、GDP世界第2位の国の発想ではないと思うのです。時間を延長することは、バカでも考えられます。

バカでも考えられることは、すぐにマネされます。そして、皆が時間延長して、泥沼の闘いに入っていきます。客の財布の中身は一定です。時間延長したからといって、たくさんのお金を使ってくれるわけではありません。

したがって、多くの時間働いたにも関わらず、「時間当たり付加価値」が悪化します。

ということは、皆の給料が落ちていくということです。「働けど働けど我が暮らし楽にならざり」の状態になってしまいます。

そうならないためには、

1.人のマネを安易にしない
2.人にマネされないものをつくる
3.それをつくり過ぎない

を目指していく必要があります。

大きくて一番になれば、トヨタやセブンイレブンのように「自分の都合に人を合わせる」わがままシステムを構築することができます。そうなればなるほど、自分の時間効率が高まり、自分の時間が有効に使え、儲かっている会社になっていきます。

しかし、小さくても、自分の論理をしっかり持てば、人をその論理に合わさせることで、効率よく儲けることも可能なのです。「大きい二番なら、小さい一番&一流」がいいはずです。

「人のマネできないものを作り上げ、自分の論理に人を合わせる」ことこそ、商売の王道ではないでしょうか。

「大きくても、あくせくしている会社」
「小さくても、優雅に儲かっている会社
その分かれ目は、時間を有効に使う工夫をしているかどうかの差だと思えるのです。


儲かっている会社(1)~時間を有効に使う~に もどる

[ 2009/08/21 08:22 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

儲かっている会社(1)~時間を有効に使う~

五山の送り火
安くておいしいと評判の店は、土日を定休日にしている場合が結構あります。正月休みもお盆休みもしっかりとっています。

休みが多く、早い時間に閉店できるのは、儲かっている会社の特権かもしれません。儲かっていないとできません。

私が理想とする店(会社)は、冬は1ヶ月、夏も1ヶ月の長期休業で、日が暮れたら、社員がすぐに帰ることができる店です。

寒い時、暑い時、暗い時に働くのは、不自然なように思います。そんな時に、働くのは、生活が苦しい時だけだと思うのです。生活が楽になったら、不自然なことはできるだけ避けるべきだと思うのです。

本来は、時間の使い方を工夫して、時間を有効に使う会社が、付加価値の高い会社として、尊敬されるべきではないでしょうか。

でも、こういう言い方をすると、「この厳しい時代になんてことを言うのだ!」とお叱りの言葉を受けてしまいそうです。

では、なぜ、今のように「正月、お盆も休みなし、定休日もなし、夜は遅くまで営業」という店が続出するようになってしまったのでしょうか。

それは、人のマネばかりして、皆と同じになってしまったからだと思います。「安くすることと、時間を延長すること」しか能がなかったのかもしれません。

一方で、行列ができる店も続出しています。「オリジナリティーがあり、マネできないものを持つ」人気の店は、客が待ってくれます。

以前、京都の老舗が集中する地域の会社へ、仕事で行ったことがあります。

京都の老舗は、皆、優雅です。店構えも優雅ですが、働いている人たちが優雅です。

夕方6時には、店を閉めて、おいしいものを食べに出かけたり、文化的な地域行事の準備をするために集まったりします。皆、あくせく働いていないのです。

例えば、五山の送り火(大文字焼)の時にも、店の前をいっぱい人が通り、開けていたら結構儲かるはずなのに、店を早く閉め、屋上で、優雅に送り火を鑑賞されています。

それができる理由は、付加価値の高い商売(粗利率が最低でも40%以上の商売)をしているからです。


儲かっている会社(2)~言い値と個数制限~へ つづく



[ 2009/08/20 11:41 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

損得勘定で考える戦争論(2)~利己主義者~

姫路・太陽公園・兵馬俑/photo by福家金蔵
高額の給料を貰い、職業軍人(今なら自衛隊員)として、戦地に赴くのなら仕方ありません。しかし、「何の得もしていない、何の得にもならない」庶民が洗脳されて、戦地に行かされ、亡くなるのはおかしいと思います。

我が家もおじさん(父の兄)が、徴兵されて、若くして、中国で戦死しています。死ぬ間際において、「この戦争は何だったのか、自分の人生は何だったのか?」真剣に考えたと思います。そして、大いに後悔したと思います。

もっと、皆が利己主義者になり、損得勘定で行動すべきではないでしょうか。

というのは、その方が合理的だからです。しかも、冷静に、理性的に判断できます。皆が、利他主義という美辞麗句のもとに、愛国心を煽られれば、理性的判断ができなくなります。これが危険です。

これらに、ダマされないためには、知性、知恵、教養を身につけ、情緒的、感情的に左右されずに、判断する力を身につける必要があります。

最近、少し気になるのは、サッカー、野球、バレーボールなど世界大会になるとテレビの視聴率がアップする現象です。これらの大会でよく騒いでいるのは、若者です。

今の社会において「若者=得していない人」と私には思えるのです。この得していると思えない若者が、「がんばれ、ニッポン」と応援しています。何だか不思議な気がします。

若者は、
1.年金の受給額が支払額に比べてマイナスの人たちです
2.なかなか正社員になれず、生涯賃金の低い人たちです
3.生まれながらにして、親のレベル差で、機会均等が損なわれてきている人たちです

日本国から、さまざまな恩恵を受け、得させてもらっているのなら、それに感謝して、日本が好きになり、日本を応援しようという気になって当然なのですが、現実は、その逆です。

スポーツの世界戦と仮想敵国教育は、為政者からすれば、愛国心を植えつける最高の手段です。古来よりその手法が使われています。

ヒットラー時代のドイツしかり、北朝鮮しかり、中国しかり、内政の悪い面に目を向けさせずに、国民意識を高揚させる最適かつ常套手段です。

スポーツで熱くなってしまうというのは、人間の本能に根ざしたものですから、それを否定しませんが、それを機に、変な愛国心を持ってしまうのが危険だと思うのです。

くれぐれも、ローリターン(国から得をさせてもらっていない)で、ハイリスク(徴兵されて、戦地で生死を彷徨う)にならないように、注意してほしいものです。

戦争は、ハイリターン(国から得させてもらっている)を享受している人たちに任せればいいのです。敵国がたとえ攻めてきても、得してきた人たちの資産や職や権利を奪うだけです。

得をしてこなかった人から、奪うものはないので、何もしてきません。むしろ戦争に負け、既得権益者が一掃されることになれば、ビジネスチャンスが増え、得することが多くなると思います。

このように、損得勘定で考え、利己主義者になると、無意味な戦争に巻き込まれることはないと思います。


損得勘定で考える戦争論(1)~既得権益者~に もどる

[ 2009/08/07 07:23 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

損得勘定で考える戦争論(1)~既得権益者~

ピカソ/ゲルニカ/マドリード・ソフィア王妃芸術センターPOST CARD
毎年、この時期になると、戦争について考えるTV番組、新聞記事が多くなります。その中で、いろんな議論がなされていますが、私の戦争に対する考え方は、至って単純です。

一行で凝縮して言うと、「今、得していないのなら、戦争なんかに行ってはダメ!」ということになります。

本来、戦争とは、今、得している人(既得権益者)が、その得を奪われたくないために、戦うものです。

今までの人生の中で、「あまり得させてもらってないなあ」と感じている人は、もし、戦争が起きて、徴兵されることになっても、断固拒否すべきです。

戦地に赴き、その最前線で、戦うべきは、既得権益集団で高給与を得ている人たちです。

今で言えば、例えば、各種公共団体、財団法人・特殊法人、公共事業比率の高い業者、政府の許認可が必要な業者、政治的圧力をかけている業種で多くの給料をもらっている人が戦地で戦わなければなりません。

今、得しているのなら当然です。この既得権益という「得」を奪われたら、明日からいい暮らしができなくなるからです。

そのためには、命を懸けて、徹底的に戦わなければなりません。(但し、得をしていない一般庶民を巻き込んではいけません)

昔から戦いとは、そういうものです。利害が絡むから、戦争(国家間の喧嘩)になるのです。感情だけでは、戦争になりません。

鎌倉時代の武家政治にしても、源頼朝が自分たちの領地を守ってくれる(既得権益を保護してくれる)から、まさに命を懸けて(一所懸命に)「いざ鎌倉へ」と関東武士団が馳せ参じました。

自分たちの得にならないのなら、絶対に馳せ参じることはありません。つまり、鎌倉時代の武士は、ハイリターンを得るために、ハイリスクを受け容れていたのです。

ところが、近代になってきて、既得権益者がずる賢く、狡猾になってきました。ハイリターンを得ているのに、ローリスクで済まそうと考えました。

そのためには、「今、何も得をしていない=既得権益者でない」庶民を洗脳して(愛国心を煽り、思想教育して)徴兵する必要がありました。


損得勘定で考える戦争論(2)~利己主義者~へ つづく



[ 2009/08/06 08:50 ] お金の話 | TB(0) | CM(1)

少欲知足2~ガンジーの言葉~

伊良部・下地島の畑/photo by福家金蔵
これは、まるで江戸時代のようです。正確には、1700年代半ばからの江戸時代中期以降のようです。

江戸時代も元禄の時代までは、新田開発や農業の技術革新で、米の収穫量が増え、人口も増えましたが、享保の時代から、明治維新を迎える少し前までは、人口停滞社会でした。

この人口停滞時代に、

歌舞伎、文楽、浄瑠璃、相撲、闘犬、闘鶏、盆栽、燈籠、生花、浮世絵、版画、掛け軸、人形、工芸品(印籠、根付、箪笥など)、日本酒、茶店、湯治、遊郭、寺社詣、花見、花火

などの精神文化産業が次々に育ち、これらを旺盛に消費する社会が生まれました。

人に見せびらかしたり、他人と比較したりするのではなく、自分の価値観で楽しみ、悦に入る文化です。

このように、人口減少の影響として、江戸時代の人口停滞時と同じようなことが起きてくるのではないでしょうか。

こういう人口減少社会では、足るを知る生き方、つまり欲望のコントロールである「少欲知足」が問われる時代になると思うのです。

ガンジーの言葉に「ガンジー7つの社会的罪」というのがあります。5年ほど前に知って、手帳に書き込んでいます。これは、まさに「少欲知足」を表した言葉のように思います。

ガンジー7つの社会的罪とは、

1.原理なき政治(Politics without Principles)
2.労働なき財産(Wealth without Work)
3.良心なき快楽(Pleasure without Conscience)
4.品性なき知識(Knowledge without Character)
5.道徳なき商業(Commerce without Morality)
6.人道なき科学(Science without Humanity)
7.神聖なき参拝(Worship without Sacrifice)

というものですが、ガンジーさんは、政治も財産も快楽も知識も商業も科学も参拝もすべて肯定しております。

しかし、その「行き過ぎ」を注意しています。つまり、欲望を少しだけ制限して、足るを知ることが大事だと言っているのだと思います。

伸びている社会の中で暮らしている時は、自由奔放に生きればいいが、人口減少社会で暮らそうとすれば、成功者になればなるほど、慎ましやかに、謙虚に、しかも、他人に施し、奉仕して、生きていきなさいということではないでしょうか。

窮屈かもしれませんが、人口減少下では、品よく、ほどほどに生きていくように、自分の考え方やスタイルも変えていかないといけないのかもしれません。


少欲知足1~人口減少の影響~に もどる

[ 2009/07/22 06:50 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

少欲知足1~人口減少の影響~

宮古島・池間大橋より/photo by福家金蔵
2005年から人口が減少しています。日本は、国土における平野部の面積が少なく、平地の人口密度が異常に高い国です。

今までは、その狭い中で皆がひしめきあって窮屈に暮らしてきたので、人口が少しずつ減少していくのもいいかなと軽い気持ちで考えていました。

しかし、今のペースで行けば、今世紀末までに、人口が3分の1、よくて半減になるのを避けらないそうです。これからは、人口減少の影響を受けながら、我々の子孫も含めて、暮らしていかなければなりません。

人口増加時代の考え方、生き方、働き方、過ごし方を大幅に変えないといけないのかもしれません。

それでは、具体的には、どう変えればいいのでしょうか?

商売で、マーケットが縮小する時、何が起きるのか、競争している、業績の良い会社と悪い会社の2社を例にして考えてみましょう。

(マーケット縮小・第1段階
良い会社は売上維持、悪い会社は売上2割減

(マーケット縮小・第2段階
良い会社でも売上微減、悪い会社は売上4割減

(マーケット縮小・第3段階
良い会社も売上2割減、悪い会社は倒産

(マーケット縮小・第4段階
良い会社の売上は2割減のまま(悪い会社が倒産して競争がなくなったのに)

といったような現象が起こります。

この良い会社は、売上が減少しているにもかかわらず、悪い会社=倒産した会社などから
「成功者」として、嫉妬、ねたみ、やっかみを買い、場合によっては恨まれたりもします。

繁盛しているのならまだしも、業績が芳しくないのに、攻撃されてしまうのです。がんばって、生き残ったとしても、あまり楽しいものではありません。

この商売の例と同じような現象が、人口減少の影響として、あらゆるところに起きてくるのではないでしょうか。

国土面積が広く、人口も増加しているアメリカ、カナダ、オーストラリアなどの国々では、
成功者は、皆から羨望の眼差しで、尊敬されて、モデルにされて、目標にされて、あやかりたいとも思われます。

実際に、日本でも、高度成長時代は、成功者がモデルにされて、尊敬され、目標とされました。その成功者に「追いつけ追い越せ」が可能でもありました。

こういう状況下では、成功者は、ド派手な生き方、振る舞いをして、自慢のモノを見せびらかしても問題はなかったと思います。

ところが、人口減少下では、成功者が、ド派手に振る舞うと、周りからブーイングの嵐にさらされます。したがって、慎ましく、謙虚に、「少欲知足」の精神で生きていかないといけなくなります。

つまり、大豪邸、高級車、ブランド服・雑貨などを見せびらかすことがしにくくなり、お金を使ったとしても、人の目に触れないもの、家なら、インテリア、家具、照明、美術品に凝り、車も内装に凝り、服や雑貨も裏地、素材に凝って、密かに悦に入るしかないように思います。

また、残らないもの、例えば、食べ歩き、旅行、花、観劇、観戦、コンサート、お稽古事などにお金を使うしかないように思います。


少欲知足2~ガンジーの言葉~へ つづく

[ 2009/07/21 06:53 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

商品アイデアは、お困り・お悩み・ご不安から2

my garden/photo by福家金蔵
このように、日本で、メーカーとして生き残っていこうとしたら、客に近づき、客の「お困り・お悩み・ご不安」を聞き出し、その商品アイデアで企画開発し、製造は、中国など周辺諸国に任せるスタイルを採るしかないと思います。

このスタイルの経営の中で、大事なことは、前回も述べましたが、どの客から要望を聞き出すかを間違えないことなのかもしれません。

例えば、私に、車やファッションのことをきいても意味がないと思います。ところが、庭いじりのことをきかれたら、自分も含めて、庭に関心のある方達が、何に困っているか、何に悩んでいるか、何に不安を持っているかをある程度話すことができると思います。

頭の中に、コンピュータでいう、庭ファイルが出来上がっており、ある程度の情報量に達しているからです。町を歩いていても、見ず知らずの家の庭を覗き込んでいます。庭好きの人の話も関心をもって、よく聞いています。そのため、どんどん情報量が増えています。

庭で言えば、私の<困っていること、悩んでいること、不安なこと>は、

・雑草抜くのが面倒・毛虫等の害虫が発生する・猫が勝手に入ってきて庭に糞をする・蚊にさされる・爪に土が入り、なかなかとれない・長時間かがむと疲れる・西日がきつく暑い・日陰が多く植物が育たない・隣の家の視線が気になる・隣の家に落ち葉が飛ぶ・アリがいっぱい巣をつくり、家の中にも侵入してくる・ナメクジがつくった野菜にたかる・生垣の隙間から空き巣に入られないか・剪定した枝や葉を埋める場所がもうない・池に藻が繁殖する・・・等々

ところが、ホームセンターの園芸商品をじっくり見ても、このような商品開発がまだまだなされていないように思います。もっと、素材や産地を飛び越えて、商品開発してくれたらいいのにと思います。

ところで、東京のかっぱ橋道具街、大阪の千日前道具屋筋を歩いていると、各飲食店が求める不思議な商品が山のように積まれています。一般人には、分かりづらい商品ですが、飲食業界で働く人々にとっては、なくてはならない商品です。

このような、万人に受ける商品でなくても、特定の人だけに受ける商品なら、まだまだ商品開発できるように思います。

中小の良き専門業者と組んで、売れすぎないがずっと売れていく、競争相手が少ない商品を開発することは可能ではないでしょうか。

このやり方をしようと思えば、誰を相手に商売するのかを決めることがスタートです。そして、相手を決めてしまったら、その相手のお困り・お悩み・ご不安の声に全面対応します。

とにかく、誰を相手として商売するかを決めることが、大事なのではないでしょうか。


商品アイデアは、お困り・お悩み・ご不安から1に もどる

[ 2009/06/16 08:27 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

商品アイデアは、お困り・お悩み・ご不安から1

しまなみ海道・伯方島/photo by福家金蔵
客の要望、欲望、願望。手っ取り早く商品化しやすいのが、客の要望、つまり客のニーズです。この客のニーズのほとんどが、客のお困り・お悩み・ご不安から生じています。商品アイデアに困ったら、客の声を聞くことが基本です。

しかし、どんな客に、何を聞くかを間違えてはいけないように思います。自らやっている人に、聞かなければなりません。また、その分野に長けている人でないと意味がありません。

普通、メーカーの商品開発担当者は、今、自分の周りにある素材にこだわります。そして、その素材でつくった商品をどこに売ろうかと考えています。木製品であれ、金属製品であれ、プラスチック製品であれ、大体同じような考え方の人が多いと思います。

この発想は、客不在の発想かもしれません。経済が成熟してくると、客はメーカー都合の商品より、困っていること、悩んでいること、不安に思っていることをすぐに解決してくれる商品を待ち望んでいます。

今の時代は、メーカー、製造業者であっても、工場を持たなくても良い時代です。要するに、企画メーカーになればいい時代です。

先月、しまなみ海道を自転車で走りました。伯方の塩の伯方島も1周しました。しかし、塩を作っているところがありませんでした。島の北部の塩田跡地は、エビの養殖池になっていました。

帰ってから、伯方の塩のホームページを見ると、「メキシコの天日塩田塩を日本の海水で溶かして」と記されていました。これもありかなと思います。

考えたら、今まで神戸で牛をほとんど見たことがありません。神戸牛を育てている畜産業者が、神戸にあるとは思えません。

でも、おいしい牛肉について、客と対話しながら、客の好みを畜産業者に厳しく要求する人が他の地域に比べて神戸に多いということは事実ではないでしょうか。

肉に舌の肥えた客の要望を、業者に伝え、つくらせていく能力のある業者がいる以上、「産地でない産地」は永遠に続いていくことと思われます。

この考え方は、非常に大事です。常に、客の方に目が向けられているからです。素材や工場に縛られた発想から解放されています。


商品アイデアは、お困り・お悩み・ご不安から2へ つづく

[ 2009/06/15 13:21 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)