著者の豊永貴士さんは、ここ10年ほどで、アジアを15か国以上歴訪し、現地での情報を集め、人脈も構築されてきました。
今は、日本人起業家や中小企業の海外展開支援、学生の就職支援をする会社をシンガポールに設立されています。
アジア各国の劇的な変化の様子と、各国の特徴などを現地取材されているので、本書を読めば、アジアの息吹を感じることができます。共感できた箇所が数多くありました。「本の一部」ですが、紹介させていただきます。
・今の日本で土地を買う、家を買うというのは、基本的な経済原則からすると、実はあり得ない話。だって、
買った瞬間に値段が下がるのだから
・日本にあるけれど、その国にないもの、あればもっと便利なのにというものが絶対にある。日本人である僕たちが普通に知っていても、現地の人はその存在すら知らない。情報格差、
知識格差を利用したビジネスができる
・カンボジアのアンコールワットの近くで売っている「アンコール・クッキー」は、アンコール遺跡の形に成型している、なんの変哲もないクッキーだがバンバン売れている。年商は聞いてビックリ!2億円。GDP9000億円の国でクッキーを売って2億円!
・日本の過去を見れば、
アジアの未来が見える。現地の人達には見えにくいその国の未来が、そのうち求められるモノやサービスが、日本人には見えやすい。つまり、日本人なら誰でも優秀なマーケティングアドバイザーの目線で見えるということ
・なにもアメリカやイギリスに行くわけじゃない。アジアでは、向こうも
カタコト英語だから、こちらもカタコトで互いに通じ合える。「英語ができないから、まずは英会話を学ぼう!」なんて考えるのは時間の無駄。まずは、飛び込むこと
・日本のいつごろと同じ状態かと言うと、ベトナム1965年前後、フィリピン1970年前後、インドネシア1972年前後、タイ1975年前後、マレーシア1980年前後といった感じ
・東京への一極集中、少子高齢化、地方経済の衰退、高コスト社会。日本が衰退する理由は、枚挙にいとまがない。変革を期待するより、スッパリ諦めてみる。アジア各国の今は、
日本の昭和と同じ。沈みゆく我が国を嘆くのではなく、あくまで前向きに進むこと
・日本が僕らに与えてくれている最強の武器が3つある。一つ目は「円高」、二つ目は「
最強のパスポート」、三つ目は「
日本人相手の商売がまだ成り立つこと」
・タイの人口は意外に少なく6640万人。進出企業が多く、人手不足。失業率は1.2%。
完全な売り手市場。しかも、日本円で300円あれば、おいしいものが腹一杯食べられる
・5万人の日本人相手のビジネスが、数年で500万人の
タイ人相手のビジネスに変わる。こんなこと、絶対に日本では起きない
・ベトナムは30歳代までが人口の60%以上占めている。タイの10年前と非常に似ている
・日本では偏差値50であっても、勇気を出して外に出ることで、それが60にも65にもなる。日本にいると普通だと思ってしまうが、外に出ると
日本人はスゴいと実感できる
・ベトナムでは、テストマーケティングを繰り返せば、何か当たる。ベトナムは、お金がなくても、経費をかけないでやれる国
・カンボジアのここ10年のGDP伸び率はASEANで一番。まだ
何もない国だから、発展するしかない。日本は巨額援助を行ってきた。対日感情はよいが、これを活かしていない。日本の援助で作ったインフラを利用して、中国や韓国の民間企業が進出している
・カンボジア政府も気合が入っている。最長9年間の法人税免除。参入規制の規定もほとんどなし。パチンコで有名なマルハンが、カンボジアでは銀行だったりする。カンボジア経済の基本通貨はドルなので、
円高をメリットに変えることができる
・不動産でいい場所というと、投資するのにいい場所。
戦争が終わった国とか、人口流入の激しいところ、規制が緩くなっているところ。具体的には、コソボ、スリランカ、バクーといった国。スゴいのはユダヤ人。戦争中に危険をかえりみず買っている
・アジアでは、誰を知っているか、誰から紹介してもらったかはとても重要。そのとき役立つのがFacebook。フェースブックをグーグル翻訳なんか駆使して、
英語で書く。そして、友達ができたら会いに行く。会って会って会いまくる。そしたら人脈がガンガン広がる
・夢の固まりである志を実現していく手段がビジネス。だから、ビジネスは楽しい。閉塞感、無力感の中から飛び出そう。
我慢ばかりの人生を長く続ける理由なんてない
久し振りに読む、若者に勇気を与える書です。日本では、老人及び中高年が、若者の夢を奪ってしまっていることがよくわかります。
私の親戚もマレーシアで成功し、サーバント(召使い)が数人いる大豪邸で暮らしています。人生はそれぞれなので、必ずしもそれがいいとは言えませんが、日本の窮屈さに我慢できなくなったとき、この本を読んでみる価値があるのではないでしょうか。